つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

今週の佐橋美術店

2021年02月27日 | 日記・エッセイ・コラム
ブログの更新が遅くなってしまいました。

今週も沢山のお客様にご来店、ご連絡を賜りました。誠にありがとうございました。

お客様から沢山の荷物をお預かりする事になり、佐橋は今週「運搬作業」に追われております。

したがって、当店内もゴッチャゴチャになってしまい💦ご来店のお客様にお見苦しいところをお見せいたしております。




が、不思議なもので、お客様方は皆さま「ご立派なご病気?!」でいらっしゃいますので
こうした光景にも「どんな作品?」とご興味津々でいらっしゃいます😅

当店は佐橋と私で仕事をさせていただいておりますので、「買取り」を積極的に看板に掲げさせていただいておりませんが、まず大変お世話になり、私どもの店をお支えいただきますお客様がたのお荷物の整理はお手伝いさせていただきたいと思っております。

お客様にご指名いただくことは大変光栄なこと。

佐橋はもう40年近くこの仕事をさせていただき、私どもの店も来年には20周年を迎えますが、どんな些細なことであっても「美術品のことは佐橋さんに」そうお声がけをいただく時、私たちは1番嬉しく、明日への力をいただきます。

信じていただくことは、愛情をいただくことと同じであると思えるのです。


来週も時間を見つけながら、またブログを書かせていただきます。
そして、また新しい作品のご紹介ができますよう努めて参ります。

どうぞよろしくお願い申し上げます。







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2021/02/18 雪の朝に

2021年02月18日 | 日記・エッセイ・コラム


草庵雪夜作

回首七十有餘年
人間是非飽看
破 往来跡幽深
夜雪 一炷線香
古窓下

良寛


首を回らせば七十有餘年
人間の是非 看破に飽きたり
往来の跡は幽かなり 深夜の雪
一炷の線香 古窓の下

良寛


昨日未明から雪が降り、ふとこの良寛の文字のことを思い出しました。

良寛の文字を熊谷守一はその著書の中で「良寛のことは人からいろいろ聞いて、乞食坊主かと思っていましたが、そうではなく文化人で字が綺麗すぎると思います。鉄斎はみな上手だといいますが、私もそう思います。」と書いていました。



良寛の書には嘘がある。

守一はそう思ったのかもしれません。

今の私には守一の作品は強すぎて、案外嘘をつき続けたのは守一だった気がしてしまいます。

雪は溶けてなくなっていく。線香の煙は一瞬真っ直ぐに立って、そのまま消える。

草庵雪夜は良寛の亡くなる直前の詩です。

守一のお文字は画家の書く絵。
良寛のお文字は、書家の書。(味噌をおくれ!というメモ書きまで作品とは思っていません)

そう思えば、この線と線の交わりを徹底して避け続ける、また文字の間に沢山の余白を持たせる良寛の文字をやはり私はとても美しいと思うのです。やはり美は愛です。






雪の日の後の、今朝の朝明けは格別綺麗でした。

週末は暖かくなるそうですので、もう少しこの寒さに耐えようと思います。





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58歳と7ヶ月。

2021年02月16日 | わたくしごと
次にどんな作品を求めるか?

それはお客様方だけでなく、画商にも常に与えらている課題です。

そして。。私にも。

「一番勉強になるのは自分で絵を買うことだ」と先輩の画商さんにも佐橋にもよく聞かされて参りました。

確か一番初めに自分のお小遣いで求めたのは梶田半古のお雛様を描いた作品でした。


それから少しづつ色々な絵を求め、勿論自分のお小遣いの範囲ですので、上限は決まり、またいくら佐橋を脅しても、逆に甘えても💖なかなかお値引きをしてくれないので💦慎重に自分の好きな作品を探して参りました。

一番難しいのは、「本当にその作品が好きか?」ということだと思います。
沢山の作品を見れば見るほど、案外その「一番好き」がわからなくなってしまうことが多いように感じます。



みなさんよくご存知のように今私が所蔵している作品は



この正面の金山の冬の海岸と











気がつくと人物ばかり。
結局画家が人間をどのように見ているか?私はとても気になるのだと思います。


さて、次回は人物以外の作品を求めてみようと思っています。






小林古径の素描「柿」ともう一つ。

できるのなら、村上華岳の椿が欲しいけれど、予算的にとても手が出ません。



そして、自分で作った当店のHPを何度も見直しています。
















良い絵は写真には写らない。

それも確かですが、良い絵は写真に写っても良い。

それもまた真実だろうと思っています。




将来大金に化ける作品を追う必要はありません。
ただ宝石やバッグやお洋服を買うように、美術品を買えば良いのです。あっ!宝石やバッグは案外将来大金に化ける可能性がありますね💧


何よりも大切なのは、私が日々その作品を見て飽きないこと。
私より「うわて」な絵であること。
そして見ていて楽しくて、ワクワクドキドキする作品であることです。



大変俗っぽい考えですが、その求めた作品の中で一点でも子供達や孫達、あるいは私を知る人が「あぁ、夏美さんってこんな人だわ。こんな人だったわ。こんな風に感じたり、考えていたりしたのねぇ」と感じてくれる、思い出してくれる作品だったら最高だなぁ〜と思えます。ま、そう感じることがない作品、また私を思い出す必要もないのなら、そのあと勝手に売ってしまってくれればいいのですけれど。。そして「なんだ、こんな安い物を残していったのかぁ。」と息子や孫にビックリして貰えば、楽しいのですけれど😊😊


うわてである。
というのは、私はきっと一生そこに立てないなぁ、と思える位置にいる画家であること。
青木繁でも、長谷川利行でも、山下清でも、ゴッホでも、ユトリロでも誰でもいいのです。

世の中や人間や風景をその画家の位置から、きちんと絵として見せてくれる作品。
その位置は私と全く違う系列にあるのでなく、自分の延長上の憧れの位置である事も大切だと思います。








結局、今の私にはこの2点かな?と思っています。

梅原は晩年フランスやハワイに長期滞在をして絵を描いたそうです。

梅原のこの作品には、日常の「厄介」「煩わしさ」を離れた、自由な心、絵を描く事への愛情がよく感じられると思っています。

そして、赤や緑ではなく、青にこそ梅原の揺れる心が現れている様に感じられるのです。


なんだかとってもお寒くなりました。
雪や吹雪の具合も心配です。どうぞ、皆様お気をつけて、できるだけ暖かくお過ごしくださいますようお願い致します。


















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岡田美術館さん

2021年02月15日 | おススメの展覧会、美術館訪問
箱根の岡田美術館さんは伺ってみたい美術館の一つです。

今日偶然、本棚に以前お客様からいただいたこの図録を見つけ、ページをめくっていると





先日ご紹介致しました堆黒作品がありました。といってもこちらはまたまたうわての作品💦

とにかくお道具、古画、近代絵画に至るまで大変素晴らしい作品を所蔵されていらっしゃる美術館さんです。

よろしければこちらから岡田美術館さんの収集作品をご覧になってみてください。

こちらのHPを拝見すると、美術館に伺うばかりでなく、つい箱根の温泉に入りたいなぁと思ってしまうのが玉に瑕ですけれど😭😭



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2月第1週 週末に

2021年02月06日 | 織田廣喜
今週も各お客様にご来店、お電話などのお問い合わせを賜りました。誠にありがとうございます。


本日特に、ブログに掲載させて頂いたばかりの織田の風景についてご連絡をいただきましたので
各作品につき少し補足をさせていただきます。

















織田の風景にはタイトルがありません。
パリの風景かと思いますが、少し雪がちらついている様子がなんともロマンチックです。






「競馬」にはキャンバス裏に織田の文字があります。







この文字を見るだけで、織田がどんなに大人であったかがわかるような気が致します。
子供のようで大人。それも随分大人。

それが織田の魅力です。

↓こちらから、当店の織田作品をご覧いただくことができますので、よろしければお遊びくださいませ。

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