お客様よりとても素敵なお便りを頂きました。ご許可を得て、ご紹介させて頂きたいと思います。
佐橋美術店の表には、ショーウィンドーの横に横長の小窓がある。
窓辺には西洋陶器の小皿、ボンボニェールなどが飾られ、その向こうに小磯だの薫だのあってハッとさせられる。
作品が道路からチラッとみえるのである。
まともには全て見えないため「あれ?ひょっとして・・」と窓辺に吸い寄せられる。
うなぎ屋の香ばしいニオイが人の嗅覚をくすぐるように、この小窓は我々美術ファンの視覚をくすぐるのである。
蟻地獄に落ちるアリのように引っ張られる。
中に並んだ作品がすべてまともにみえないところがミソだろう。
最初お店の設計の段階で「表に窓が出来る」と聞いて「???」「変な構造?」と思っていたが
次第に小窓の持つ魔力がわかるようになった。
しかし何とも近寄りがたい感じがするのも事実で、チラチラっと横目でみて通り過ぎて行く人が大半であろう。
そんな中を、以前、小窓の一番奥に坪庭があることをお見通しのご婦人がいらしたのにはビックさせられた。
やはりご婦人は強い。じっくり覗き込み、よく見ているものだと感心させられる。