つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

脇田和

2023年08月29日 | 脇田和
先日のクイズで見事に脇田和!と当ててくださった方からメールをいただきました。

拝読するととても嬉しく、また元気を頂けましたので、ご許可を得て一部をこちらにご紹介させていただこうと思います。



5.6年ほど前からホームページ、ブログを拝見させていただいています。佐橋美術店で扱われる作品はもちろんブログの大ファンです。 今回のクイズは「こんな機会じゃないとなかなかコメントとか出来ないんだから送ってみたら?」と家族に背中を押され、ファンレターを送るような気持ちで思い切って初コメントさせていただきました ドキドキし過ぎたせいか、住まいの都道府県を入れ送信するつもりでいたのに、咄嗟に思いついたニックネームで送ってしまいました。大変失礼しました。 自分が当たるとは思わず、他の皆さまのコメントに感心してばかりいたので、まさかまさかと未だ心臓がバクバクしています 私が脇田かなと思ったのは、ブログで仰っていたと同じで眼が決め手でした 奥村土牛の作品でも思ったことがあるのですが、異性を描いても、何故だか眼だけは画家のご自身の眼に描かれるような気がします。私の勝手な思い込みですが。 それからこの度のご主人様のご逝去、心よりお悔やみ申し上げます。突然の訃報に驚きました。ご家族皆様のお気持ちを思うと言葉もありません。 お店に伺い色々お話し出来たらとずっと思っておりました。大変残念です。 ご主人様とお会いすることは叶いませんでしたが、お店に伺える機会がありましたら、奥様とゆっくりお話し出来たらいいなと思っております

「作品とブログの大ファン」「ファンレターを送るような気持ち」
こうお書きくださったのは、なんと女性の方でいらっしゃいました🤩❣️

私が画廊にお勤めしていた40年ほど前から、つい最近まで、女性が画廊に入って来られることは
あまりありませんでした。

コレクターさんといえば男性。そういう時代が長く続き、美術館にも男性の方が多かったような気がしています。

それが、最近では当店にお入りくださる方も女性が大変多くなりました。

しかも、みなさん各作家をよくご存知でいらっしゃいます。

そうしてみると、近代絵画の価格が下落続きであることも、女性にお気軽に作品にお触れいただく
よい機会なのかもしれないと、単純な私は明るい希望を抱きます。

お買い物の如何を問わず、まず画廊で作品をお楽しみ頂けますことが私たちには大切なことです。


脇田和は1940年代に集中的に子供の絵を描きました。

そして1950年代に入り、国際的に活躍の場を広げると子どもからその主題を鳥に変えていきました。





脇田なら子供の絵。

私は昔からそう思っていたので今回この作品に出会えて、捨て猫のようにかなり傷ついた姿の少女を佐橋に
お願いをして買ってもらうことにしました。

今ご覧いただいている図録などの40年代の子供の絵と今回の作品はかなりテイストが違いますので
きっとみなさんを混乱させてしまったのだと思いますが、お譲りくださいました画商さんからお聞きしたこと、







又、1950年代半ばの作品に、どうやら同じお洋服らしきものを着た少女像を図録に見つけましたので

多分この作品は1950年代後半から60年にかなり近い頃の作品ではないか?と考えることにしました。

みなさまはいかがお感じでしょうか?





60年代になると脇田の描く人のお顔が少し理知的な感じになります。






図書室の片隅のこちらから、今日は当店のメインステージへ!










60年の間、どこをどのように旅してここに辿り着いてくれた作品でしょうか。
こんな風に画廊のメインステージに飾られたことのある作品でしょうか。

少し私よりお姉さんかもれないけれど、今この部屋に、佐橋のいないこの店に
私のお友達としてこの作品がやってきてくれたように感じています。

そして、この作品がいつかまた旅に出かける日が来るまで色々お話しさせてもらおうと思っています。

お顔の色から彼女を外国の少女だとお感じになられる方もいらっしゃると思いますが、

私はどうも、パンジーの花瓶をにこやかに少し肩を傾けて抱える彼女がとても可愛らしく感じられ

脇田に近しい存在の女の子であったような気がしています。

また機会があればこの作品もご紹介を続けさせて頂きますね。


19さま
今回はコメント、メールをまことにありがとうございました。
ブログを盛り上げて頂き心より感謝申し上げます。
きっと何か正解賞をお送りいたしますね。
いつかお会いできますことを私も楽しみにいたしております。
佐橋夏美











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コメント

2023年08月27日 | 脇田和
コメントを楽しく読ませていただきましたので、まだまだクイズを続けさせていただきたい気分でしたが
締め切りを設けてしまいましたので、正解をお伝えします。

🥁🥁🥁

正解は、脇田和!!!でした。脇田和の6F「少女」です。

昨日ご来店くださいました、当店の中では最長のコレクター歴、しかもなかなかの鑑識眼をお持ちのお客様が早速この作品を
お見つけくださり、「佐橋さん、この作品隠しておいたでしょ?最初誰の作品だかわからなかったよ。珍しい作品だなぁ〜
しかも修復もわからなかった」とおっしゃってくださいました。

またお休み明けにあたらめてご紹介いたしますが、この少女像は「私の中の脇田」

東京青山に生まれ、青山学院中等部から高等部中退、その後ドイツに渡り、戦時中をフィリピンで過ごし、東京芸大助教授から教授という人生を歩み、

かといって、格好をつけたり、気負ったりすることなく、脇田は頭の良い人だなぁ、いつも自然体で、メルヘンを感じさせる温かな作品が好きだなぁ〜の印象にぴったりの作品でした。




ウキペディアからお借りした脇田の画像、どことなくこの少女の目に似ていませんか?



 
そうそう脇田ってこういう画家!そう思えてしまうのは私だけでしょうか。


コメントで最初に脇田とお答えくださった19さんに👏👏何かお送りしたいと思いますが、
19さん、お送り先などご迷惑でないようでしたらどうぞお教えください。
勿論、ご気分次第で結構です😊 Mail  sahasi2009@castle.ocn.ne.jp



今月31日までで、当店の「今期」が終わります。5月中旬まで佐橋と2人で仕事に頑張った一年の締めくくりを
なんとか佐橋が予定していたように終わらせられることができそうです。

そして、9月は本当の意味でひとりぼっちの佐橋美術店になりますので、心細く皆様からのコメントをいただきたいなぁと
今回甘えさせて頂きました。ご協力、まことにありがとうございました。

皆様にもこのクイズを少しお楽しみいただけたなら幸いです。

「私は絵がわかっている」佐橋が亡くなってしまい、私の中のそのわずかなプライドも見事に崩壊しました。

わかっていたのは佐橋だけでした。ブログを書くと必ず佐橋が目を通してくれました。そして、いろいろ教えてくれました。



今、私がブログを書かせていただけているのは、「自分の好きな絵だけはなんとなくわかっている」
というわずかな自信に支えられてのことです。

ですから、どうぞ皆様もお気軽に、或いは佐橋の代わりに「つれづれ」にコメントをくださると嬉しく存じます。

まだまだお暑い日が続きそうです。皆さまどうぞよい日曜日をお過ごしください。
















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クイズ

2023年08月25日 | 日記・エッセイ・コラム
先の記事に、早速コメントをお寄せくださった方々に心から感謝申し上げます。

いつものKさんに、沖縄のPigeonさん。

このハイレベルなお2人が難問!とおっしゃるのだから、、なるほど大難問なのかもしれません💦

入手の際は、画像のように状態が悪く、佐橋が修復に出してくれる予定でした。

けれど、それも出来なくなってしまったので、この作品をお譲りくださったいつもの尊敬する先輩画商のSさんにお願いをして
修復に出して頂くことにしました。


昨日折角綺麗になって帰ってきてくれたのに、佐橋美術店には私1人しか居らず、この少女も少し淋しい気持ちになっているのかもしれないと思い、咄嗟にクイズを思いつきました。


6F 少女。私より多分お姉さんの作品です。 

ハイレベルと知れば、案外気楽に「ああでもない、こうでもない」とコメントいただけるのではないでしょうか?

全国の皆さま、どうぞクイズにご参加ください。














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お友達

2023年08月24日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日、ずっと心待ちにしていた作品がやってきてくれました。

佐橋と2人で選んだ最後の三点。

猪熊の「猫」と朝井閑右衛門の「犬の散歩」とそしてこの作品です。


さて、クイズです♪どんな作家の作品でしょうか?

お答えはコメント欄にお願いします🙇‍♀️

ニックネームかお住いの都道府県を入力してくだされば結構です。

正解者の方に何かプレゼントを差し上げたいと思います。

岐阜のT様はご遠慮くださいね。ちらっとお話ししてしまいましたので。。

当ブログのご感想や佐橋へのメッセージなどお添えくださると
尚嬉しく存じます。

簡単すぎるかな?話題作りに「ハズレ作家名」も大歓迎です。

〆切は26日土曜日の18時までです。

「つれづれ」応援のおつもりで、よろしくお願い致します。







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お休み明けに

2023年08月18日 | 日記・エッセイ・コラム
先に書かせていただきました「線」の記事にコメントをいただきました。

Kさんは、佐橋の勤めていた画廊の後輩にあたり、今は別のお仕事をされていますが、以前よりこのブログを応援くださっています。

今回も私の記事をフォローくださるようなコメントをいただいたので、こちらにコピーさせて頂きますね。


ちょうど磁州窯、李朝、赤絵の瓶が並んでいたので少し所感を。
これらの古美術品がステータスを持つようになったのは比較的近世のことで、江戸時代やそれ以前でもお茶道具としてはそれなりに格の高いものもあったとは思いますが、近代の日本画家が好んで題材にしたのは、柳宗悦の民芸運動以降、評価が高まったものであるように思います。
安田靫彦の磁州窯と李朝の粉青沙器を見比べてみると、シンメトリーとアシンメトリーの絶妙な差を描き分けていることに気づきます。特に李朝はアングルを変えて工夫を凝らしています。
小林古径の赤絵は輪郭線を少し強調して造形を、そして濃度の濃い赤を浮き上がらせます。花を挿さないのも理由がありますね。
洋画の作家もこうした古美術品をよく描いてます。
三次元のものを二次元に落とし込むのは難しく、古美術の類にいたっては、さらに微妙なラインを要求されます。しかし、それを線で解決しなければならないのが日本画家なので、厳しさという言葉が連想されるのも自然なことかと思います。


今は現実生活が厳しすぎて、お飾りになる作品に「厳しさ」が少しでも感じられてはいけないのかも
しれませんが、「厳しさ」を「格好良い」とか「痺れる感じ」という言葉に置きかえれば、少しみなさんに
ご理解いただけるかな?と甘く考えております。


長く夏休みを頂戴致しました。
新盆という事で、今までのお盆とは違いかえって悲しくなることも多くありましたが、
お休み明けにご来店のご予約も賜り、それを楽しみにもして今日までを過ごせました。

今日は、少し店に出てお掃除なども致しましたが、ホームページやブログをご覧にならないご高齢のお客様が
丁度お遠いところからお越しくださって、大変申し訳なくも「偶然店に出てきて良かったぁ〜」と思いました。

貼り紙はさせて頂きましたが、お休み中にご連絡やご来店をいただいた方もいらっしゃるかと存じます。
ご迷惑をおかけしておりましたらどうぞお許しください。


またすぐ休日となりますが💦明日から営業させて頂きます。
よろしくお願い申し上げます。





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