つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

開花宣言

2018年03月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 

一足早いオオ寒桜の開花をお伝えしておりましたら、

ソメイヨシノの開花宣言が次々と出されて参りました。

 

色々なところで、皆さんのお花見が始まりますねぇ。

 

こうなると「みんなと一緒」が苦手な捻くれ者のわたくしは、面白くなくなってしまい、

次にお花見🌸を如何に乙に行おうかという算段に走ります。

 

今年は桜グッズを集めてみようかしら??

 

 

 

 

 

日曜日にはお能を見て参りました。

 

隅田川は何度目かの鑑賞ですので、「これで泣いてこよう!」と心に決めていたのですが

結局その気になれませんでした。

 

逆に、狂言の「花子」には大いに笑わせて頂いてスカッとしました。

こちらは初めて拝見した大曲でしたが、丁度私の周りでは、「浮気」がタイムリーな話題になっていましたので、興味津々、劇中の世界に入っていけたのだと思います。

 

 

劇場が寒く感じられて、昨日は少し体調を壊しましたが、 西行をきどってかえってゆったりとした気持ちで桜を見物できるような気も致します。

 

皆様からの桜便りも楽しみにお待ちしております。

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美の法門

2018年03月15日 | 日記・エッセイ・コラム

先日、名古屋高島屋さんの柳宗悦と民芸運動についての展覧会に伺いました。


SALEでお買い物をさせていただいたら、チケットを頂けましたので、最終日に軽い気持ちで入場してみますと、これがなかなかの見応え。

柳宗悦の目、思想に改めて興味を持ち、こんな本を購入いたしました。

 



民芸運動は、復古的な意味を持って作家たちが新しい作品を作り出したと
頭のどこかで勝手な理解をしていました。

が、
もともとは、日本人の、名もなき人々が作り出した、とびきり美しい日常の道具を、見直し、大切にしようという運動だったことに気づきました。



そして、実際に宗悦などが集めた日本中の道具をこの展覧会で鑑賞してみますと、その美しさに溜め息がでました。
全国には、民芸資料館が沢山あるのだそうです。
これからは、旅行のついでなどに、是非立ち寄らせて頂こうと思っています。



美の法門は宗悦が60歳、還暦を記念して製作された本です。
美しさというものの解釈を、宗悦は力強く語っています。


展覧会で紹介してくださっていたものも含め、柳宗悦の言葉をいくつか抜粋させていただきますね。


「心はものを離れてはなく、また物も心を離れてはあるまい。」


「民芸は必然に手工芸である。神を除いて、手より驚くべき創造者があろうか?」


「美しい人形は人間よりもっと人間の美しさを示している。」

「美は哲学上「価値」と呼ばれるものの一つであるが、価値である限りは、内に無上性を持つものであって
単に醜に対する美に止まるがごときものではない。もし止まるなら相対値に過ぎぬではないか。
それが絶対値に触れる限りは、永遠なるものと結ばれていなければならない。

この永遠なるものをこそ「聖なる世界」と呼んでいるのである。

それ故美も亦宗教の本質に交ることなくしてはあり得ない。美の法則と信の法則と異なる

いわれがない

「私は美の国を建設したい。
かかる王土の具現には、衆生の済度が約束されていなければならない。
どんな人がどんな物を作るとも、本来はそのまま美しさの世界に摂取されるように仕組まれていなければならない。

とりわけ名もない工人たちが数多く作る民芸品が、必然に救われるその原理がつきとめられねばならない。

然るに、その可能を鼓舞する実例が山ほどある。誰が何を作ろうと皆美しくなってしまうことがあるのである。

それも各々のものが優れた芸術家になり得て、かかる結果を生むというのではない。凡てがあるのままの状態で救われるというのである。

この事実なくして何の希望があろうか。この世にはどんなに多くの下凡の性から離れ得ぬものがいるであろう。だが有難くも

それが誰であろうとそのままで素晴らしい仕事が果たせるのである。果たせる道があるのである。果たせないのが嘘なのである。

醜いものは只の迷いに過ぎない。この真理の見届けなくして、何の光明があろうか。」

 

 

囲碁クラブのお帰りに、立ち寄ってくださった80代になられるお客様が

しばらくこのテーブルでお話されたあと、ふと「これ李朝だね」とお尋ねくださったので

「はい、本当は筆立てなのですが、一応商品ですので筆をたてるわけにもいかず、今日はおとしを入れてお花を飾らせて頂きました」

と私がお答えすると、「それでいいんだ。それぞれの楽しみ方で綺麗に見えるからね」と言ってくださいました。

 

「醜いものは只の迷いにすぎない」柳の言葉をこれからもしっかりと受け止めてゆきたいと思っています















 

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画家の言葉

2018年03月15日 | 日記・エッセイ・コラム

今日の名古屋は温かな一日になりました。

先日ご紹介いたしました大寒桜(おおかんざくら)は今日満開になりました。

テレビや新聞などでも取り上げられ、

先ほど郵便局に出かけた際に並木道を少し歩いてみると、沢山の方達がいらして写真を撮ったりされていました。

私も負けずにこの数日中に写真を撮って、皆さまにご覧いただこうと思います📷

 

今日も佐橋は東京に出張です。

これから交換会の春の大会が東京や関西で続きます。

今日は、お客様も少なかったので、私は事務所の片づけをしていました。

すると、出光美術館さんのこんな小冊子が出てきました。

「画家の言葉」

思わずお掃除をやめて読んでしまいました

 

一番面白かったのは

 

 

やっぱり、仙厓です。

「うらめしや

わがかくれ家は雪隠か

来る人ごとに

紙おいていく」

 

こんな風に笑い飛ばせたら、あの画家も、この画家ももう少し長生きできたかもしれないと

ふと思ってしまいました。

けれど、そのあとに。。

いいえ、こんな風に笑い飛ばせていたら、あの画家達は、あんな素敵な絵は描けなかったのかもしれないなと

思い直しました。

 

私のお掃除も、想いも いったり⇔きたり・・

お花見の季節には毎年よくあることです。

 

 

 

 

 

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山口薫

2018年03月04日 | 山口薫

無事に展覧会の初日を終えることが出来ました。

他の画廊さんの展覧会でしたら、1日に何十人、何百人もいらっしゃることもあるのでしょうけれど、私達の展覧会は1日に10人もいらしてくだされば大盛況

ですから、昨日は大盛況の1日にとなりました(^^)v



さて、このふる草の会では合計25〜30点程の作品を展示させて頂いていますが、その中でも今回は山口薫の作品を3点飾らせて頂きました。



 

以前に、デッサン2点と油彩の柿をご紹介させて頂いていると思いますが、今回新しく入手いたしましたのは、「湖畔に飛ぶ影」という少し意味深なタイトルの作品です。

 


 


このタイトルで、しかもこうした構図の作品を描いた場合、普通はもっと画面全体が感傷的になり、観る側に圧力?お涙頂戴?的な要求をしてくるものです。

お若い方の作品にはよくありがちなことですね。

けれど、これだけ感傷的なタイトル、また鳥、羽ばたき、黒い影を描きながら、薫の作品にはその嫌味を感じることがありません。


金山のような「孤高」の格好良さはありませんが、そこには確かな「孤独と誇り」が感じられるのです。

たっぷりの詩情性と高い芸術性、或いは矜持というのでしょうか?これが薫の最大の魅力ではないでしょうか?

 




画面右側の鳥の視界に広がる風景、沼だと思いますが、、その幽玄は薫独特の色の美しさで表現されています。そして、何よりも、この画家の孤独と誇りは、鳥の羽の内側の線、外界と一線をひく広げた羽の線描と鳥が鳥たる美しさを保つ、首の線に見事に現れていると感じています。

「薫が好きですと言いながら、この作品に出会って、買わないで済ませることが出来なかった」というのが仕入れてきた際の、佐橋自身の最初の言葉でしたが、薫の何が好きかという答えは、確かにここによく表現されているように思います。

詩情ある作品には、ある種の厳しさと孤独に対する覚悟がなければ、その表現を観るものに納得させることは出来ません。

春爛漫の桜のころにあるのでなく、まだまだ寒いこの季節に雛祭りの1日があることに、嬉しさと美しさが感じられるのだと思います。

ふる草の会を3日に始めさせて頂いてよかったと思っています。

そして、昨日、以前の店からお通いくださるお客様方にこの薫をご覧いただけてよかったと感じています。

本日は2時から6時の営業となります。よろしければ、お立ち寄りくださいますようお願い申し上げます。

 

山口薫 キャンバス・油彩 8号 湖畔を飛ぶ影  1959年 キャンバス裏に作家サイン、タイトル

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ひな祭り

2018年03月03日 | 日記・エッセイ・コラム



おひな祭りの日となりました。

これもまた毎年のことですが、幾つになってもおひな祭りは嬉しくて、お友達と待ち合わせをしてお出かけしたり、可愛らしいお菓子をみつけたり、便箋や封筒や新しいペンを買ってみたりしています。

今年はお雛様柄の葉書を幾つかか使ったので、新しいものを見つけに名古屋の文房具屋さんをはしごしました。

その度に、お目当てでないものも買ってしまい、散財、また仕舞っておく場所にも困りましたが、佐橋が私の事務机に昨日急遽、棚を作ってくれましたので、何とか整理できそうです。

3月の半ばまでと、来年にこの文具を使ってまた皆様にもお便りさせて頂こうと思っています。

今年は「お便りを書くぞ」の1年と決めました。

お友達、お客様、お便りをお出しして良いとお許しくださる方募集中です。

(いつも勝手にお出ししていますが改めまして、ご迷惑な方はその旨是非お知らせくださいますよう、お願い申し上げます。勿論、お返事のご心配は御無用です。)

アッ!今回は珍しくとても早くから準備できておりましたので、おひな祭りが先の話題となりましたが、

本日から「ふる草の会」を開催させて頂きます。

明日日曜日も、午後2時より6時まで店を開けさせて頂きます。

栄などお近くにいらっしゃいます方は是非、おついでにお立ち寄りくださいませ。








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