週末から上京し、実父の一周忌を済ませて参りました。
この一年の冠婚葬祭の予定が、これでひとまず一区切り。
色々な意味で緊張があったのでしょうか、この数日をボーと過ごしてしまいました。
毎年書かせて頂くことですが、
いつか自分のお雛様が欲しいなぁと思いつつ、なかなかピッタリと相性のよいお人形に巡り合えず
ここまでダラダラと過ごしてきてしまいました。
また以前、お客様に奈良のお土産に戴いたこの一刀彫のお雛様が、割と私の理想に近く
気に入っていますので、そこで満足してしまっている部分もあります。
私の求めるお雛様像は、美しいとか品が良いとかの基準ではなく
明るく、可愛らしい!なのだと思います。
上京する直前に、関西にお住いのお客様から古径の資料をお送り頂きました。
先日、このブログで皆様にご紹介させていただきました小林古径の椿について、
古径70歳の記念展の出品作であることを書かせて頂いたのをお読みくださり、
お手許にお持ちの、その記念展についての資料をコピーしてお送りくださったのです。
また古径の、交友関係等もよくわかる資料もお付けくださり、佐橋ととても興味深く読ませて頂いています。
古径を大好きという割に、当店は古径に関する資料が少ないと思っておりましたので
お客様から、こうした応援、お支えを頂けましたことに、心からの喜びを感じております。
ご厚意に、深く深く感謝申し上げます。
これからも、ますます佳い古径作品を求め、
また古径の作品には表れにくい、人間古径の魅力、そのお人柄に触れさせていただき、学んでゆきたいと願っています。
お送り頂いた資料の中に、武者小路実篤の古径評が掲載されていました。
その中に
「古径の一番の長所は美がわかる点だと僕は思っている。線、色の美しさで
古径は誰もが入れないところまで入っているように僕には思はれる。―中略ー
彼の画にはまぐれあたりがない、實に目的に向って、全身全力で肉薄してゆき、喰い込んでゆく、そして雑音がない。純である。」
古径は美がわかっている。
雑音がない。順である。
なるほど~
実篤の文章はまとまりがなくわかりにくいところもありますが、やはり抑えどころはきちんとしている。
さすがだなぁと感心しました。
そして、この実篤の幾つかの言葉に「日本画」の意味を私自身が更に考えるよい刺激を頂けたなぁと
思っています。そう!またわくわく、ドキドキしてきます。
お雛祭りに向って、少しづつ温かくなっていきますように。
春に向って、また皆さまと美術品や画家のお話、お便り、メールの交換をさせていただけますように。