つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

油彩画

2022年02月20日 | 津田青楓
さて、どなたの作品かお分かりになるでしょうか?

お通いくださるお客様には、少しご覧に入れた事がある作品です。

左下のサインは、運よく?ご覧になりにくいと思いますので、クイズを出させていただきました。


ヒント1








京都の華道の家元の家に生まれたこの作家は16歳の時、まず染色図案家として出発し
98歳で他界するまで一流の図案家として活躍を続けました。








有名なのは、大変仲の良かった夏目漱石の著作の装幀を手がけたということでしょうか?



ヒント2

日本画、油彩画にも着手。
安井曽太郎が家族に渡仏を反対されたとき、「この人と一緒に行くのなら良い」と
お許しがでたとされています。西洋に学び影響を受けながらも、決してその流派に
染まることなく、また時には油彩画を断筆しながら、日本画、南画も描き、自分の表現を追い続けた作家です。




ヒント3
幅広い交流と、旺盛な創作活動が特徴。
随筆、画論などの文筆作品も多く、良寛の研究家としてもよく知られています。






ヒント4

漱石亡き後は、河上肇との交流の中でプロレタリア運動にも関わりました。





「犠牲者」
国立近代美術館にあるこの作品は有名です。






もうお分かりになられたと思います。












そうです。津田青楓の作品でした。




近代日本美術を語るとき、各作家の交流や運動の場面で、必ずその名前を目にする津田の作品を一度
持ってみたいと思っていました。


キャンバスに小さな穴が空いていたり、と決して状態が良いとは言えませんが、
しばらく店にかけてみようと思っています。

気難しい漱石に「津田なら側に置いて昼寝ができる」と言わしめた人物。
「人たらし」と言えるほど、津田の周りには多くの人が集まったと言われています。


近代を知るには、まず津田から。佐橋にも私にもそんな興味がありました。

一枚の絵から、なにをどのように感じられるか?はわかりませんが、画商ならではの
楽しみ方をさせていただきたいと思っています。

ご来店の際には、ぜひご覧になってみてください。

(と言いながら。。壁にかけられる状態になるまで少しお時間をいただきます。
飾る事ができましたら、またこちらでご紹介させていただきますね。)



津田については下記のアドレスからもお調べいただけます。
よろしければご覧ください。









今週は、今日、明日の月曜日、水曜日の祝日にお休みを頂戴いたします。




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集める

2022年02月18日 | 日記・エッセイ・コラム
ミィちゃんグッズに新しい仲間が増えて嬉しい週末です。

この他にもカップやお箸など色々持っていますが、ムーミングッズが何処でも求められるようになってからは、
自分で集めるというより、皆さんにプレゼントしていただく事が増えました。

ミィちゃんが好きなのは、

折角女の子として生まれたからには!!
頑固に、我が儘に、怒りっぽく、
ちょっと意地悪な事を言いながらでも、何処か優しく、逞しく、生きていくのが良いなぁと思うからです😊



絵葉書、切手、手拭い、靴下、ミィちゃんグッズ。

子供の頃は集める癖などなかったと思うのですが、佐橋と店を持ってから
仕事柄か?何かと集めるようになってしまいました。お客様の影響か?病気がうつったか?
などと人のせいにしたいほど、整理に困るものもあります💦

最近では絵画まで、幾つか持つようになり。。。


しかも、お客様に時々欲しいと言っていただいても
お売りしなかったりして。。。。なんだかなぁ〜と自分でも思う時が多くあります。


「手放してしまうともう会えない、自分のものではなくなる。」という欲求。

「断捨離、終活すること。」という理性。

この頃では、どちらも人として、本来のあり様だと思うようになりました。


ふらふらと迷いながらも、気持ちだけは真っ直ぐに収集道を歩みたいと今は思っています。











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お客さまからのお便り

2022年02月10日 | お客様よりのお便り
先日、佐久間さんの作品をこのブログでご紹介させていただきました翌日、御遠方のお客様からご連絡をいただきました。

作家と作品についてのお問い合わせ。ちょうど佐橋が店におりましたので、電話でお話しさせていただきました。

その後、以下のようなメールも頂戴いたしました。




佐久間さんの作品について懇切丁寧な対応、ありがとうございました。10数年前に東京の画廊で若い作家の作品を求めました。私にとっては今でも大切な一点です。今も現役作家として頑張っておられます。若い作家のものはこの一点のみです。

ちょうど今時分になって若い作家さんの作品が欲しいと思っていたところ、若い感性の作品がブログに掲載され、気になってお聞きをしたものです。



お若い作家さんの作品を扱うことの意味を、お客様のこのお便りから、あらためて感じました。

「気になって求めた作品の、そしてその画家の、10年後を楽しみにする」


それは、まだ見ぬ「10年後の自分」を楽しみにするという事に繋がるのかもしれません。


10年後、生きているか?それも、段々危うくなってくるお年頃の私達だからこそ!という事もあるでしょう。

実際私達も、去年ピンチに晒されて、何か自然の流れの中で佐久間さんに作品を催促していました。









命を超えて繋がるもの。

命を超えて繋げるもの。

美術品の魅力はそこに有り、きっと私達はその永遠を信じて、大いなる「収集病」に罹るのだと思います。

残念ながら、その病気をお治しする事はできませんが、、、

「美は信である」という小林秀雄の言葉を頼りに、
それぞれのお客様のコレクションを豊かに、美しく感じ、学ばせていただけますように、
又私達のコレクションで皆さまに何かしらをお伝えできます様に、いつも願っています。



佐久間さんはまだまだこれからの作家さんでいらっしゃいますが、このブログでお客様にご興味をお持ちいただけた事を

大変嬉しく思っています。ありがとう存じました。






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今週の佐橋美術店

2022年02月08日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
立春が過ぎたので、そろそろ店内にお雛様を飾りたいと思っています。








ショーウィンドウには、東山魁夷の木版画。







池田満寿夫の書の屏風は、店内が散らかってしまっている時小窓を塞いだり
事務室の目隠しに使ったり、案外便利に利用しています。






現在この鳥海の4号と香月の素描にお客様方の人気が集まっています。

「今の支払いが終わったら次に」の候補を各お客様が常に考えてくださっている、、

それを病気という?

いえいえ、当店にはなんともありがたいご症状😅


そういう「楽しみな次の候補作品」を幾つも取り揃えておきたいと願い、努力しています。







今週もよろしくお願い申し上げます。







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斉藤典彦特集

2022年02月06日 | 斉藤典彦
当店のホームページのギャラリーのコーナー
斉藤典彦特集を設けさせていただきました。

こうして一堂に作品を並べて鑑賞させていただくと、斉藤典彦という画家の世界観が
よく感じられます。

今は実作品は倉庫の箱の中ですが、もう少し暖かくなったらギャラリーに作品を並べさせて頂こうと
思っています。

きっと新しい発見があることでしょう。




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