
丘人のお軸を出しました。


丘人が大好きで多く扱わせていただいた佐橋が、5年ほど前に最後に仕入れた作品です。
久しぶりにこの作品のご紹介をさせていただこうと思い、以前の記事を読み返してみますと既にすっかり忘れていましたが、
以下のような文章がありました。
🪷🪷🪷
「雨月」は印譜などから、昭和20年前半、画家47~8歳の作品かと想像しています。
この作品は私共の尊敬する先輩画商からお譲りいただきましたが、先日遊びにお寄りくださったこの方に
佐橋が「やっぱりこの丘人、いいですよねぇ」と言うと「高山が一生かかって辿り着いたところに、丘人はこの辺りでもう着いちゃっているからね」とおっしゃいました。高山も丘人も松岡映丘のお弟子さんですね。
両忘。
「絵集め」は、
絵を、上手い⇔下手、綺麗⇔汚い、高い⇔安い
で見ていると突然つまらなくってしまうお遊びです。
では、どのように?
さて、そこが難しい(/_;)
「雨月」は本来旧暦5月(現在の5月下旬〜7月上旬)の異称です。満月が雨雲で見えない状態のことを言います。
この梅雨の時期に、作品が静かに美しく見えるのは、丘人の心は自由で、何の決めつけもないからだと感じます。


山本丘人 軸 「雨月」 絹本・彩色 共箱
55.2×43.2㎝ ☆
🪷🪷🪷
多分、今、このお話をすると弥栄画廊さんは「え?僕そんなこと言った?」とお笑いになるだろうと思いますが、近代日本画家の多くが、その画境を通して求めてやまなかった「境地」を現代の私たちがどれほど大切に思っているか?内に何を秘めて生きているか?
この雨月という作品を鑑賞することは、その試金石的なことになるだろうと感じます。
奈良、平安の便利なものの何もなかった時代に人々が眺めた月と、今ビルの谷間から私たちが眺める月ときっとその美しさには数十倍の違いがあるのでしょう。
それはただ環境破壊の問題だけでないように思います。
お好みにもよりますが、ご自身の心の感度を大切にお残しになり、この作品の価値をよくご理解いただけるお客様がいらしてくださいましたら、一度値下げた☆印をさらに◇印に変えてでもお譲りさせていただきます。それが、弥栄画廊さんと佐橋の後輩である今の私の仕事だと思っています。
ぜひ一度ご高覧くださいませ。
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