今日の名古屋は、朝から時折激しい雨が降っています。
病気や厄災を除ける為の行事である端午の節句の1日を昨日過ごし、この雨が多くの傷みや不安を綺麗に洗い流してくれたらよいと願うばかりです。
国の緊急事態宣言の延長を受けて、当店のございます愛知県も休業要請に少し変更を示されました。
当店もそれに従い、今月末より変則的に営業を開始、久しぶりにご来店をいただく皆さまに今迄とは少し違った作品をご覧いただきたく6月初めからの小規模な展覧会の開催をもって、本格的な営業開始とさせていただこうと思っております。
今月半ばまで様子をみさせて頂き、各お客様にはご案内状、ホームページなどで再開のお知らせをさせていただきますのでしばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。
当店のような小さな店でありましても、ギャラリーの扉が再び開かれるのを楽しみにお待ちくださるお客様がいらっしゃることを大変光栄に存じております。
一昨日、ほんの少しの時間、店に居りますと、何かを察してか、ドンドンと扉を叩いてくださるお客様がいらっしゃいました。「以前ここに飾っていらしたお軸はおいくらでしたか?」とお声をおかけくださったのです。
お客様も私もマスクをしておりましたので、店の中にお招きすると「いいえ、ここで結構です」とおっしゃってくださり、扉の外で私が価格をお伝えするのをお待ちくださいました。
私どもを応援してくださろうというお気持ちが大変ありがたく心からのお礼を申し上げますと
「では、また自粛が明けましたら」とお返事を頂戴し、大変嬉しく存じました。
が、
当店は幸か不幸か人通りの多い所にございますので、色々な方が前をお通りになり、店の外や中の様子をご覧になったり、想像されたりする事が容易です。
自粛要請期間中に少しでも営業させていただくことは、様々な「目」の前ではなかなか難しいことかもしれないとふと実感させられました。
自宅に佐藤忠良のブロンズを持ち帰りました。
立体作品にある種の憧れを感じ、また幾つかの作品を所蔵しその素晴しさを感じて参りましたが、
これほど「本当に良いなぁ」と思えるのは、やはり「今、この時」であるからかもしれません。
私達の青春時代に思想の主流となった「実存主義」が今のお若い方達の間でも
文化として取り上げられているとお聞きしますが、まさにこの「実存」を感じさせてくれる、確かな芸術が立体作品だと思えます。
※佐藤忠良 ブロンズ 「チコ坐像」 高さ35・5㎝(一体台座含む)