つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

富山県立近代美術館

2011年09月30日 | おススメの展覧会、美術館訪問

富山近代美術館

今月、土曜日にお休みをいただいて富山の県立近代美術館に出かけて参りました。

富山県立近代美術館では開館30周年を記念して、いま「日本画の巨匠三山展 東山魁夷 杉山寧 高山辰雄」が開催されています。

ご存じのとおり、この三人は昭和の日本画壇を支えた画家で今までにも何度も全国で個々に展覧会が企画されておりますが、同時代に活躍した三人の作品を一堂に展示されるのを鑑賞するのは私もこれが初めて大変感動を致しました。

近代美術館にも初めてお邪魔しましたが、天井が高く展示空間の広さが印象的でした。

展示は東山→杉山→高山の順にブースが並び、そして1964年の日展の第七室の再現、それぞれの後期の作品の展示で終わります。

東山の「冬華」、杉山の「穹」、高山の「穹」の3点が並ぶ日展第七室の再現では、ともに月や太陽を描き、あたかも3点で一つの風景を作り出しているような展示で、当時の美術評論家から絶賛され、以後日展の第7室は日展日本画の顔ともなったという伝説を残しました。

東山、杉山、高山の作品群はそれぞれの個性を特徴づけながらも、

東山あっての杉山、杉山あっての高山、高山あっての東山・・あれ?何通りいえるのでしょうか?

3人が居たからこその3人それぞれの画業の追及であったのではないかしらんと思えるほど、それぞれの作品が響きあい、全体に大変に美しい展覧会だったと感じます。

特に、私は東山、高山の静けさと深さの前に杉山の生き生きとした表現が自由を得てのびのびと輝いていたと感じています。

展覧会は10月16日まで開催されます。頂いた招待券が2枚私共の手元にございますので、富山にお出かけくださる方、また近代美術館のお近くのかたは当店のホームページからお問い合わせくだされば(ご住所、お名前を頂戴いたします)郵送にてお送りいたします。もちろん無料です。

↑↑

早速お問い合わせを頂き、茨城県にお住まいの方に招待券を発送させていただきました。ありがとうございました。

富山県立美術館 http://www.pref.toyama.jp/branches/3042/3042.htm

佐橋美術店お問い合わせ http://www5.ocn.ne.jp/~sahasi/557.html

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川合玉堂展

2011年09月23日 | おススメの展覧会、美術館訪問

川合玉堂展

川合玉堂については過去に幾つかの展覧会を鑑賞しておりますので、今までに観たことのある作品が並ぶのだろうなぁと思いながら、松坂屋さんに出かけました。

確かに画集に載っているような名作もズラッと飾られていましたが、記憶というのは曖昧なものです

過去に確かに観たであろう作品を「初めて観るわぁ」と感激してみたり、「こんな作品があったのねぇ」と驚いてみたり・・今年は今年の、今日は今日なりの新しい発見があるのですね。

玉堂の描くのは、今まさに私たちが手放そうとしている自然そのもので、昔なら日本中いたるところに見ることのできた風景です。

「現代には古臭い絵画なのか?」

玉堂作品に触れるとき、いつも自問いたしますが、やはり今回も「絵は人なり」という思いを強くし、その作品は決して古臭いものではないという確信を得ました

私にとっての玉堂の魅力は、その筆使いです。とくに縦にひく玉堂の線は大変素直で伸びやかで、美しいと思うのです。

玉堂展を見終えたあとのこの清涼感は、大観や春草、御舟、古径などの日本画展を見終えた印象にはないものだと感じます。

生き生きとのびやかに、美しい世界。

玉堂のとらえるこの日本の自然風景のなかにこそ、日本人の心が育まれてきたのだろうと思わずにはいられません。

今回の展覧会の私の一番は下の昭和9年「宿雪」という作品です。

80号、額装で大変迫力ある画面です。

※川合玉堂展 描かれた日本の原風景 松坂屋美術館 10月10日まで

Gyokudou

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藤島武二の作品 

2011年09月15日 | 絵画鑑賞

よい絵とはどんな作品のことを言うのだろうといつも考えます。

私たちは絵画や美術品を商品として扱いますので、正直なところ絵画を収集される

コレクターのみなさんのお気持ちがよくわかっていないところもあると思うのです。

「だれもが買いたくなるような絵」

それさえ簡単にわかれば画商も苦労なく過ごせるのでしょうが・・どうも「買いたくなるような絵」と「よい絵」はまた少し違うのではないかしら?とも感じます。

藤島武二の作品をこの数年、多く取り扱わせて頂きました。

多く取り扱わせて頂くようになったのは、この絵が最初だったように思います。

葉書きほどのとても小さな作品ですが、この絵には力があり、近くで見るとき、遠くで見るとき、見る人の位置によって作品の印象がどんどん変化していきます。

お名前は存じ上げないけれど・・このご婦人は“いつもにこやかに生き生きと小粋に”額のなかにいらして、絵画の魅力を存分に伝えてくれています。

この“生き生きとおしゃれに”

女性を描き切ることのできた洋画家は近代日本ではやはり藤島だけであったようも思えます。

少しの偏見も迷いもなく、藤島は女性の美しいところだけを鮮やかに描きとります。

女性はただ女性であるだけで美しいのだと優しいまなざしを送りつづけます。

藤島の作品は今も高価です。高価だけれど、藤島作品だけの持つこの美しい気品が美術品を愛する方たちの間で高い評価を受けていることに、私たちは安心と希望を抱きます。

※藤島武二「婦人像」は納品のため画像を削除させていただきました。

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美しいお菓子

2011年09月14日 | 日記・エッセイ・コラム

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季刊雑誌うかたまの特集ページ

 「実りのパイ 森のクッキー」より

これはなんとも美しい、秋らしいおやつではないでしょうか?

お菓子作りの苦手な私でも見ていてウキウキわくわくして一度作ってみようかな?と思います。

実りの秋がすぐそこまで来ているのだわ~

そう思って名古屋の今日の暑さにたえましょう

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手拭い

2011年09月12日 | 手ぬぐい

手拭い

久し振りに、私のコレクションのご紹介をいたします。

はい、手拭いです。

夏から秋へ。各季節から各月へ。

手拭いの収集も進んできますと、日本画の収集と同じように切り替えのローテーションが早くなっていきます。

以前9月~10月は「萩に月」の一枚で過ごしておりましたが、今はちょっと贅沢になっています。

一枚は東京国立博物館に出かけた佐橋のお土産の酒井泡一の作品。

もう1つは私の愛する甥と姪が夏に出かけた軽井沢のお土産にくれたものです。

樹木の葉や実の絵と名前が描かれている手拭いです。

多分これは原寸大で描かれているのでしょう。

写真では見えにくいのですが、下にきちんと大きさがわかるように定規まで描かれているのです。

お気に入りの手ぬぐいで冷や汗を拭きふきあと少し決算作業にがんばります

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