以前にもご紹介いたしました、当店の佐野繁次郎の作品です。
実はこの作品は裏面にももうひとつの作品が隠れています。
この度お客様への作品のお納めにあたり、クリスマスの時期に裏面を主に飾ってみたいというご希望を頂きました。
作品を裏返し、裏面を表にしてみますと
なるほど「実は佐野はこちら側の作品を描きたかったのだ」と先輩の画商さんから教えていただいたことに頷けるように思いました。
クロード・レヴィ＝ストロース 野生の思考 己自身 など文字には書かれています。
構造主義思想をうちだしたレヴィ＝ストロースに賛同した佐野が概念の記号化、絵画の記号化を図った作品といえるでしょうか？
裏面の作品を額の表にご覧になってお客様がどう感想をお伝えくださるかを今から楽しみにしています。
※納品のため作品画像を削除させていただきました。
風景画のご紹介をもう一点させていただきます。
長閑な奈良の田園風景です。
前面に白く抜かれて描かれているのは積み藁だろうと思えます。
杉本健吉は写実のなかにも適度な力の抜け具合を楽しむ作品を多く残しましたが、
ときどき特に水墨において
とてもリアルな、あるいはスキッとしたセンスの光る作品に出会うことができる画家だと
いう印象を私はもっっています。
この奈良風景もそんな作品のひとつに思えます。
どんな風景も結局「わたくしの眼」を通してしか眺められない。
「わたくしの筆」を通してしか描くことができない。
歯痒くて、切なくて、寂しい。
描く人も、それを観る人もその共感に儚くつながるのが風景画の楽しみかた
なのではないでしょうか？
※作品画像は納品のため削除させていただきました。
十一月も半ばを迎えました。
お歳暮やクリスマスケーキや年賀状やらおせちやら・・
つぎつぎとご案内を頂き、年末が近づいているのを否応なく実感させられてしまいますね。
銀杏の手拭いは何本かありますが、ほとんど頂き物です。
同じようですこしづつ違っていて楽しめます。
今日は佐橋が東京の交換会に出掛けています。
何か新しい作品が入手できましたらまたご紹介させていただきますね。
仕入れは難しいかなぁ？？
泉屋博古館の住友コレクションより。(今回展示はありません)
ひと目で誰の作品か？分かるものもあり、全くわからないものもあり。。
皆様はいかがでしょうか？
図録からの画像なので作家名が入ってしまったものもありますが、
梅原や劉生、またモネなどのなかにこうした作家の作品をみつけるのは
楽しいものです。
曽宮一念 ザボン 昭和１０年
前田寛治 裸婦 昭和２年ごろ
中川紀元 少女 昭和１１年
森芳雄 長城晴日
他に 三宅克巳 山下新太郎 小杉放庵 の作品など所蔵されています。
お休みを頂いて京都に行って参りました。
このところ東山界隈の七代目小川治兵衛造園のお庭を拝見する機会が多く、今回もお庭を目的に白河院さんに泊まらせて頂きました。
京都は夏から雨が降らず、皆さんお困りだったようですが、雨夫婦の私達が伺ったからには～予報を裏切る２日ともの雨で～東山は深く霧に煙っていました。
野村美術館、泉屋博古館、そして大変な混雑の博物館で琳派展を見学、２日目は祈願巡りで太秦の斉宮神社、北野天満宮に伺い、国宝北野天神縁起、等伯の大絵馬を拝見しました。
一年ぶりの一泊旅行。私達らしく雨に濡れながらよく歩き、よい気分転換が出来ました。
明日からまた店を開けさせて頂きます。よろしくお願いいたします。
野村美術館 没後７０年野村得庵 ある近代数寄者の奇跡 後期展 １２月６日まで
泉屋博古館 数奇者住友春翆 きれいさびを求めて １１月２９日まで
