つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

「鯉」

2013年05月26日 | 絵画鑑賞

※ 納品の為作品画像を削除させていただきました。

どの画家の「鯉」か?

おわかりでしょうか。。

疲れて、なんとなく自分に自信が持てなくなってしまった日に

この「鯉」を見ると、とても癒されます。

そんなときは、例えば日本画なら 御舟や古径、栖鳳や華岳ではなく。。

私はやはり 神泉なのです。

「神泉の鯉は顔がいいでしょう。」

ある先輩の画商さんにそう教えて頂いた時は 

「??」

あまりピンとくることはありませんでしたが

鱗もさることながら、

なるほどこの鯉の顔こそが、神泉の「鯉」の深さなのだと

この頃つくづくと感じます。

私と鯉。

この絵を見ているといつか全ての境界線もなくなり、

ただほのかな温かさだけが膚の感覚に残っているような・・

こんな私のちっぽけな孤独感さえも救ってくれそうな・・

そんな優しさを覚えるのです。

神泉の作品を良いと思う時期と、良くないと思える時を

今までのように何度も繰り返しながら、

本当の神泉に近づいていけたらよいと思っています。

徳岡神泉 15号 「鯉」 共箱  

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上村松園展

2013年05月18日 | おススメの展覧会、美術館訪問

遅ればせながら 名古屋市美術館の上村松園展に出かけてまいりました。

 

平日にも関わらず沢山のかたが鑑賞され、やはり女性のお客様が多いためか

 

係の方が『お静かにご鑑賞願いま-す』と注意をされていました。

 

 

 

 

混雑はありましたが、空いている場所(おしゃべりに夢中になっているかた達

の流れがとまる場所)から鑑賞できる程度。

 

 

2010年秋の国立近代美術館での展覧会以来の松園展で、

今まで見たことのない作品も
展示されていましたので


楽しんで鑑賞することができました。

 

 

74年の人生の最後の最後まで、精進し 筆を取り続けた松園は

 

やはり女性として見事な人生を送られたとのだと改めて感心しました。

 

 

 

私自身が歳を重ねれば重ねるほど、女性として生きるということの

難しさを実感し

画家として松園の情熱にますます心を打たれるようになったのだと思います。

 

 

松園の作品の芸術性を想うというよりも、

 

松園の作品、人生、全てに尊敬と共感を覚えるということなのかもしれません。

 

 

上の画像は 『多から舩』という作品。

 

大正10年、漢詩漢学を新たに学び始めた松園46歳頃の作品です。

37×52.5センチの横長の画面に

 

少し窮屈ながら見事な構成と色彩で若い女性の表情を生き生きと描いています。

 

 

この後、松園は50代、60代とますます円熟味をましていきます。





今回の展覧会も個人蔵の作品が多く、松園の作品がいかに皆さまに

愛されているのかを
伺うことができました。

展覧会は残り2週間 6月2日までとなります。金曜日は夜8時までの開館です。

名古屋市美術館開館25周年記念 上村松園展に是非お出かけください。

http://event.chunichi.co.jp/shoen/

 

 

 

 

 

 

 

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それでもやっぱり織田がすき! 

2013年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム

絵画ブーム~オイルショック~不動産バブル~ブラックマンデー~


リーマンショック
~アベノミクス


 


我々は実にくだらないマネーゲームに翻弄され続けて来ました。






画商としてそんな時代を生きながら

 

-それでもやっぱりオダが好き-

 

この気持ちを長く温めてきました。



 

 

『この副題で織田廣喜展をするよ』と私が言いだすと

 

 

 『やっぱり猫がすき! のまね?』

 

と家内にたしなめられ


 

結局副題は ???私の好きな画家??? に変更を余儀なくされました。 が・・

 

 

この展覧会への私の思いの深さは格別です。

  

 

 

これまでこつこつと集めてきた(いつの間にか集まってしまった)1950~60年代の

 

織田の展覧会を18日まで開催しています。


 

悲しいかな画商というものは

作品への世間評価が下がり始めると

 

自身の眼にも自信を無くし、


その作家や作品に以前のような輝きを見いだせなくなることも



しばしばあるものです。






 

 

 

 

神泉や波光、古径、靫彦、放庵、丘人、高山、善彦…金山、須田、鳥海..



数え挙げたらキリがないけれど、


凡そ相場師が喜ばない作家たちが私は好きで
す。



(草間や奈良だって投機的じゃなかった頃は扱っていましたし、今でもやらない

と決めてる訳ではないけれど…)




だからこそ、その代表格である -それでもやっぱりオダ-なのです。

 

 

 

展覧会の掛け替えをしていても楽しくって、気持ち良くって、

とても居心地がよいので
す。





-それでもやっぱり織田が好き-  展。



ご都合のよろしければ是非ご高覧ください。

 

 

 

佐橋美術店 佐橋雅彦





 

 

 






























 

コメント (2)
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奇跡のクラーク・コレクション展  ラファエロ展

2013年05月08日 | おススメの展覧会、美術館訪問

ゴールデンウィークには東京の二つの展覧会を鑑賞しました。

三菱一号館美術館の

「奇跡のクラーク・コレクション ルノアールとフランス絵画の傑作」 展 

(5月26日まで)

http://mimt.jp/clark/top.html


国立西洋美術館「ラファエロ」 展 (6月2日まで) です。

http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/raffaello2013.html

 

さすがに二つの会場ともに混雑していましたので

作品を見るのも苦労いたしましたが、

クラーク・コレクション展のルノアールの作品群、ラファエロ展では「大公の聖母」

どちらもこの展覧会の目玉だけあって大変印象に残りました。

特に「クラーク・コレクション」の作品には

コレクターご自身の個性もよく表現されていて、見ていてとても楽しめました。

「収集する」 という行為には、何よりもその方の人間性が

よく表れるのだと最近強く感じています。

三菱一号館美術館では「30分待ち」の表示がありましたが、

の方も常にいらっしゃり、流れがスムーズでイライラすることもありませんでした。

どちらの展覧会も珍しい企画です。会期も終わりに近くなっていますが

よろしければ是非お出かけください。

Img_raffaello2013_1_4

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