つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

大晦

2022年12月31日 | 日記・エッセイ・コラム
いよいよ、とうとう、大つごもり。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

昨日、2人で店に寄り、1時間ほどそれぞれに作業をし、店内の整理と年始用の飾り付けを終えました。





カウンターに平田郷陽の「凧上げ」を、お正月に店の前をお通りの方たちにご覧いただけるように飾りました。

お人形さんが見ているのは










高速道路とその下の大通りを通る沢山の車、歩道をお通りになる方々です。





今年もこの小窓から本当に沢山の方たちが店内を覗いてくださいました。

売り買いに関わらず、前をお通りの皆さまに当店の作品をお楽しみいただけたらと思い設置させていただいたこの小窓が、結局1番私たちらしさ、佐橋美術店らしさを表現してくれているようにこの頃では思います。

仕事というのは単に利益をいただくというだけでなく、働く私たち自身の心を支えるものであろうと思います。
そしてそれが何か一つ、どんなに小さくてもポツンとひとつ、世の中に灯りをともす作業となればこんなに幸せなことはないように思います。


灯りを灯すのには多くの摩擦が必要で、苦労を伴うのが仕事というものの本質だろうとも思いますが、それぞれのお暮らしの日々に、当店のショーウィンドウや小窓の中の作品達が何か温かいものを残す事ができれば、きっとその温かさはまたその周りの方達にささやかな「ほっとする気持ち」を伝えてくださるだろうと想像しています。



近代美術作品ばかりを扱う画商は減り、まして店舗を持って作品を展示する人はほとんどいなくなりましたが、私たち2人が今持てる希望と努力を、今年もこの店の作業に変えてきたつもりでおります。

またこのブログ「つれづれ」に日に何度も、また毎日のように訪れてくださる皆さまのお蔭様で、私は自分を支え、ポツポツとではありますが今年も記事を書かせていただく事ができました。

この記事が少しでも皆さまのお暮らしにお役に立つ。。それは大袈裟だ。。作品達の画像とともに皆さまにマッチの火ほどの温かさをお伝えできていればとても嬉しいなぁと思っています。





皆さま、今年もご厚情を賜りまことにありがとうございました。

少しお休みをいただき、また10日より営業をさせていただきます。

お休みの間、ブログは多分書かせていただきますが、大変個人的なことばかりになりそうですので、お読みにくいようでしたらスルーしていただいて、、とにかく

明年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

皆さまのお障りないご越年を心よりお祈り致しております。






※ 佐橋美術店休廊中のご連絡先

  佐橋携帯 09076927861
  メール  sahasi2009@castle.ocn.ne.jp



















コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仕事納め

2022年12月30日 | 日記・エッセイ・コラム


お客様に頂いた可愛い靴下💕を履いて🧦

今年最後の1日を過ごしました。

年内はもうお会いできないと残念に思っていたお客さまがふとご来店くださって、思わぬ差し入れをいただいたり\(^o^)/🎁

尊敬する先輩画商さんがお仕事に向かわれる前にお立ち寄りくださったり。。

毎年最後はこの方!というお客様とお話させていただいて、仕事納めとさせて頂きました。



が、ちょっと店内の作品が整理できていないので💦安全のためにまた少し店に寄らないといけないかなと思います。





無事に今年のアッパレ賞もお渡しすることが出来ました。

アッパレ賞の賞品は毎年違います(^-^)

さてさて来年はどんな作品と出会い、どんなお客様にアッパレ❣️と感動をいただくのでしょうか?

楽しみです♪


お家のことが何もできていないので😅これからお洗濯、お墓参り、お買物をしてきます。

皆さまもどうぞ大晦に向けて、お怪我などなくお過ごしくださいますように。













コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ギリギリまで

2022年12月28日 | 日記・エッセイ・コラム
年末ギリギリになって頂くお仕事は多くあります。

年末年始のお休みに入ってからしか動けない

そういうお立場のお客様も多いからです。



店の前をお通りの皆さまのご来店も続くのもこの時期。

せわしない日々に、「現実逃避」をしたくなるのも人の心ですものね。


私も昨日店のクリスマス飾りを箱に仕舞いながら、孫に動画レターを作ったりしていました💦



そんな時も、佐橋は1日働いてきてくれて、、

勿論、車が店の前に着いてからは、2人仲良く作品たちを運び込みました。





例えば浮田克躬




このカシニョールの油彩画は12号あってなかなかの重みでしたが(私一人でなんとか持てました)
作品自体はいいなぁ〜、私達好みかも?と思いました。

お預かりした作品は、まだ私達の作品ではございませんので、売却をご希望でいらしても、原則ブログにご紹介させていただくことはありません。

お通いくださるお客様は、そんな時に偶然ご来店くださって、こうした作品をご一緒にみてくださることもありますが店に飾らせていただくのはその少しあと。作品をお譲りいただくと決めてからです。

今年はそのような機会が多く、体調の変化に耐え、運送屋さんや息子に手伝ってもらいながら佐橋は荷出しに頑張ってくれました。

お休みを多くいただきながらですが、何とか今年もここまで辿りつけました事に2人ともに喜びを感じています。

私の勝手な現実逃避で😂ブログを書かせていただくこともあると思います。

大晦日まで、どうぞお付き合いくださいませ。






  






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

土田麦僊

2022年12月15日 | 土田麦僊
こちらは今月仕入れたばかりの土田麦僊のお軸です。

「嬉雀」







箱書きに 己羊 臘月 とあります。

つちのとひつじ は1919年 大正8年。

臘月 ろうげつ は師走のことを指しますので、まさに今の時期になります。

土田麦僊は新潟佐渡の生まれ、京都の竹内栖鳳の門下生となり、のちの大正7年村上華岳などと国画創作協会を結成し、
京都画壇で新しい時代の日本画を模索しました。

肝臓癌で49歳で他界してしまいますが、その斬新な画風作品は各美術館さん、コレクターさんの収集目標と
なりました。









緑を基調とした表装や金糸で織られた梅の花の柄の一文字など、大変洒落たしつらえです。

大正8年は、麦僊33歳。雀を得意とした師竹内栖鳳を意識してか?或いは対抗してか?






半ば抽象的に描かれた3羽にこそ、土田麦僊の個性が強く感じられます。







渓仙と印象の雪の図から




麦僊の「嬉雀」と土牛の書「寿」へ
 


いよいよ令和4年師走も後半に入ります。




土田麦僊 軸 嬉雀 絹本 共箱 大正8年 275,000
画面サイズ 44×36㎝
軸サイズ  137×57.5㎝








コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冨田渓仙

2022年12月10日 | 冨田渓仙
冨田渓仙の新しい作品のご紹介を致します。









「三雅」






鑑定は渓仙の奥様の芳子。

箱書きは、珍しく小林古径がしています。

「三雅」は梅の枝と籠の中のゆずのような柑橘類と後は多分筍ではないかと思うのですが、
ちょっと縮尺が合わないかな?と思ってみたりもしています。











どなたかお分かりの方がいらしたらぜひご意見をお聞かせください。








それにしても、この籠の形といい、取手の部分といい
そして何と言っても梅の枝ぶりといい、画面の緊張感と脱力感というのでしょうか?
力の抜け具合が抜群にいい感じです。

⚽️アルゼンチンのメッシのコロコロって転がるあのシュートのようです。
「あぁ〜」と納得してしまう、あの余裕です。




渓山人という画家の当時の評価を証明するような中村鶴心堂の二重箱に入った作品です。


やはり渓仙作品がいくつか手元にあるととても豊かな気持ちになれる私たちです。

お安くなってしまったことを嘆くより、できるだけ多くの皆様に冨田渓仙の作品をお楽しみいただけるよう
ご紹介を続けていきたいと存じます。





冨田渓仙 軸 「三雅」 絹本 芳子鑑 古径箱 東京美術倶楽部鑑定書
385,000

画面サイズ  37.5 ×41.5㎝
軸全体のサイズ 135×59㎝











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする