つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

4月もよろしくお願い申し上げます。

2016年03月31日 | お客様よりのお便り

 小さな図書室からながめるシナノキ。

病気を持ちながらも今年も芽吹きの準備を始めています

 

 

昨日は2つよいことがありました。

 

1つは

制服姿でエナメルバックを肩からさげていらっしゃる学生さんが、お一人で店に入ってきてくださったことです。

 

つい最近、

豊田市美術館さんから4月27日開催のデトロイト美術館展のご案内を頂いて、

その割引券を店のカウンターに置きましたので

もしかしたらそれをお手にされたかったのかもしれませんが、

しばらく写実の絵をご覧くださり、

静かにお帰りになられようとされたので、思わず私からお声をおかけしました。

口数少ない、けれどまなざしの強い青年。

「通りがかりに」当店にお入りくださったそうです。

ラグビー部に入っていらっしゃるとお聞きしましたが、

いまどき 自らの内にこんな力を宿した青年がいらっしゃるのだと清々しく嬉しい気持ちになりました。

 

 

2つ目はお客様から頂いたお電話。

この「つれづれ」から安井曽太郎の素描の記事をお見つけくださり、

遠方より作品をお求めくださったお客様からのお電話です。

作品の無事の到着と、作品を楽しんでご覧くださっている旨

お知らせくださいました。

 

今回、私共は直接お会いしていないお客様にはじめて作品をお求め頂きました。

今更?

ホームページやブログを自分の手で懸命に作って参りながらも、

実物をご覧にいれないまま作品をお客様にお渡しすることに

今まで大きな抵抗があったからです。

ですから、ホームページもブログも店の紹介にとどめ、

あまり作品のご紹介をさせて頂いてきませんでした。

 

 

けれど。。

今回、安井をお求めくださったお客様は、

なんと!

絵画にご興味を持たれたのがつい最近、ほんの一か月ほど前。

しかも最初に魅力を感じたのが安井曽太郎の水彩やデッサン、

湯河原などの風景だとおっしゃるのです。

本当に驚きました。

 

以前もご紹介しましたが、佐橋美術店の店先を映したブログ上の小さな画像から、

須田剋太の作品をお見つけくださり、お求めくださったお客様もいらっしゃいました。

 

「眼力」

観ようとする心。

その方の歩んでこられた人生がもたらす出会いの力。

 

この仕事を通し、作品とお客様の間に一瞬に結ばれる深い絆の力を

何度も実感してまいりましたが、

それは、WEB上であっても同じであることを今回つくづく感じさせて頂くことができました。

 

 

昨日朝一番にご来店のお客様が「あれ?ここにあった安井は?」と

お聞きくださいました。

薫をお目当てにいらしてくださったのだと思いましたが、

ちゃっかり安井も気にされてくださっていたご様子。

私達と同じように作品とのお別れをちょっぴり悲しんでくださいました。

曽太郎の素描は、お優しいお客様のもと、

近代日本絵画の巨匠の作品に相応しい環境を得て

今日からまた新しい「美」に輝き始めることでしょう。

 

 

「通りがかりに」

歩かれる道の通りがかりに、WEB上の通りがかりに

また当店にふらっとお立ち寄りくださいますことを心待ちにしております。

 

今週は思いがけず沢山のお客様にお力を頂戴いたしました。

誠にありがとうございました。

5月、当店の「シナノキの下で」展を目指し、シナノキとともに私達も

春の準備を進めて参ります。

今日手に取った画集から。。

安井曽太郎 三椪柑

山口薫 リラとつつじ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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お客様よりのおたより

2016年03月30日 | お客様よりのお便り


久屋大通公園、北の端に立つ2本のミモザの木、満開!!

 

夏美さん、

ブログの脇田和さんの油彩ステキですね。

 

ミモザの写真をブログで投稿したかったのですが、うまくペーストできなくて、僭越ながらメールさせてもらってます。

スミマセン。

 

それと、今日、郵便局の帰り、名城小学校の桜並木を眺めに行きました。

昔のお店が一気に懐かしくなりました。

小泉くん、元気にしてるかな?

 

また、ゆっくり遊びに伺います。

夏美さんも、ご主人様も

どうぞお元気で。

 

 

 

ありささん、

ミモザの写真、ありがとうございました。時々通っている場所なのに、そこにミモザの木があることに

気付きませんでした。わたし、よっぽど下を向いて歩いているのね。

あんなにお別れが悲しかったのに、以前の佐橋美術店から毎日眺めた桜のことも今年はすっかり忘れていました。

 

ありささんにメールを頂いて、昨夜10時ごろ名城小学校の桜を見に行きました。

やっぱり綺麗でした。

大切なことを思い出せた気がします。

 

桜といえば、小泉匡君!

ありささんとご主人様にお会いできたのも彼の展覧会からでした。

今年の彼は・・(コビトさん通信から抜粋)

電気雑誌として大正3年に創刊し、
今年102年目になる月刊技術雑誌「OHM」。
http://www.ohmsha.co.jp/ohm/

この雑誌の表紙を1年間担当させていただくことになりました。

一般の人向けではない、あくまで技術者さんのための雑誌ではありますが、
もしお見かけの際は、書店員さんに怒られることなど恐れずに、
「これだあああああ!」と声の限り、叫んでいただければ幸いです。

というような活動をされているようです。時々メールを交換しますが、お二人目のお嬢さんがお生まれになって

ますますご家族仲良く頑張っていらっしゃる様子です。

いつとは決められないけれど、うちでもまた個展を開いてもらえたらいいなぁと思っています。

ありささん、また丸の内や泉、高岳のお花やお店など良い場所があったらお知らせくださいね。

当店にお出かけくださるお客様がたにもこのご近所のお散歩場所をご紹介してゆきたいです。

私もこれからお散歩しながら見つけていくつもりです。

何か落ちていないかと下ばかり↓探していないで、上も↑横⇔もきちんと眺めます

お便りに元気を頂きました。ありがとうございました。

またお会いできるのを楽しみしていますね。

夏美

 

 

 

 

 

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ボッティチェリとモランディ

2016年03月14日 | おススメの展覧会、美術館訪問
東京では二つの展覧会を鑑賞し、名古屋に戻りました。

時間がなかったので同じ日に、足早に・・

しかも、ボッティチェリ展とモランディ展という「イタリア」という共通語以外

なんの脈絡もない意外な組み合わせの二つです。



けれど・・何だかとても良い時間を過ごさせて頂きました。










イタリアルネッサンスの巨匠サンドロ・ボッティチェリ(1444~1510年)の作品は以前から本物をまとめて観てみたいと思っていました。

画集ではわからない部分で、多分、私の好きな画家なのだろうなぁという予感がありました。


土曜日でしたので混雑を覚悟して伺いましたが、

ちょうど3月から同じ上野の西洋美術館で「カラヴァッジョ展」が始まったばかりでしたので

混雑はそちらに流れ、都美術館は人込みで作品が見られないという状況ではありませんでした。





本物は、やはり素晴らしかったです。

ボッティチェリの作品をご覧になって 「嫌い」とか「あまりよくない」とおっしゃる勇気のあるかたも

居ないと思いますが

私にはドーンと心に響くものがあり、観ていて何度か泣いてしまいました。

一言でいうと、「情感」

それから「この人はどんなに絵を描くことが好きだったのだろうか?」という「幸福感の共有」




描かれる人々の眼に手に、足の指に、全てに表情があり、丁寧に描かれる色彩にも

心が満たされていきます。

絵を描く職人であり続けながら、絵を描きつづけて芸術家になっていくこと。

いつの時代も変わらない画家の宿命を深く感じ、考えさせられる時間でした。


そして、そして



20世紀イタリアを代表する画家、ジョルジュ・モランディ(1890~1964年)

私はこの作家のことを何も知らずに出かけました。お恥ずかしながら~です。佐橋に「観ておいたほうがいいよ」と言われ。。

しかも、ボッティチェリのあとに。


東京駅のステーションギャリ―の展示室に入ったとたん、

一番強く感じたのは、「瞑想の世界にいるようだ」ということです。



私は時々ですが、自分の混乱を鎮めたいとおもうとき、瞑想をします。

始めてみると 瞑想というのはとっても簡単で、でもとっても難しいものだということがわかりますが、

上手くすると、「あら?無?」という感覚を味わうことができます。

雑念がふと途切れる瞬間というか、次の雑念がわいてくる間の時間のようです。

上級者はどのような境地にたどり着くのかは皆目見当がつきませんが、

モランディを一目見たとき、「この人瞑想しているのかな?」とまず感じました。

或いは観ている私が瞑想状態になったのかもしれません。




モランディは、まず長い画家人生で、ほとんど同じものしか描いていません。

殆どが静物。瓶や器。

そして、少しの風景。ほとんど売りには出さなかったという花。


こんな展覧会も初めてです。


けれど、どんどん鑑賞をすすめ、静の世界に入っていくと、

瓶やコップが人に見えてきて、愛おしくなり、こちらもまた心が満たされていくのを強く感じ不思議でした。



色彩の美しさ。ほんとに美しい、その色彩の醸し出す、「ゆらぎ」




「静」というのは決して一点に止まっている状態をいうのでなく、

つねに小さな揺らぎなかでバランスをとっている状態の事を指すのだと、モランディの作品を観ると実感させられます。

この小さなゆらぎの連続の世界こそ、瞑想的な世界なのかもしません。


ぜひ、もう一度観てみたい展覧会です。出来たら今度は佐橋と一緒に観たいと思います。


そして、この上の絵葉書にあるような瓶花の作品、欲しい~~~




ボッティチェリ展 東京都美術館 4月3日まで

ジョルジュ・モランディ 終わりなき変奏 東京ステーションギャラリー 4月10日まで










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東京から

2016年03月11日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日から実家に来ています。


東京は冷たい雨が降ったりやんだりして、なんだかまた真冬の寒さがもどっていますが、


名古屋では先日もお伝えしたオオカン桜が見頃を迎えているようです。


(佐橋が画像を送ってくれました)


入学式にはソメイヨシノ。


卒業のシーズンにはこの少し濃いピンクの寒桜が似合っているように感じます。


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