私は昔から3月が苦手です。
春なのか?冬なのか?
暖かいのか?寒いのか?
うごめく万物の波動を感じ取れずにただ身体も心も戸惑うばかり …
「はっきりしてよ!」とちっぽけな私が逆ギレをし、悲鳴をあげ出します。
今年も3月がやってきて・・
イライラと焦り出そうとする私を高山辰雄さんの小さな図録がそっと慰めてくれました。
現代は電気の時代
コンピューターの時代 と 空を見上げるのをつい忘れて忙しい
思い出して 又旅でフト空を見上げる
目に見えない空気の動きの中に 月が輝いて明るい
寒く又暖かく 朧に
その時々に 大きく美しく心をひろげてくれる
1988 3月 「朧」
二人 又多数で 一つの物を見る
もしも同じ言葉で感想を持ったしても
一人一人 別の世界で眺めているのではないだろうか
"言葉もなく " ハッと胸に響き
感動の一瞬
一瞬である事は淋しいが
その瞬間は命の同一の場に 他人と共にあると又思えたりする
1991年2月「見る二人 」