あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

暗黒裁判 ・ 幕僚の謀略 3 磯部淺一の闘爭 『 北、西田両氏を助けてあげて下さい 』

2020年11月28日 20時20分03秒 | 暗黒裁判・幕僚の謀略3 磯部淺一の闘争


極秘 用心に用心して下さい。 )
千駄ヶ谷の奥さん(西田税夫人)から、北昤吉先生、サツマ(薩摩雄次)先生、
岩田富美夫先生の御目に入る様にして下さい。
万万一、ばれた時には 不明の人が留守中に部屋に入れてゐたと云って云ひのがれるのだよ。
(讀後焼却) ・・・獄中手記 (二) ・ 北、西田両氏を助けてあげて下さい

磯部浅一と 妻 登美子の面会 「 憲兵は看守長が 手記の持出しを 黙認した様に言って居るが、そうではないことを言ってくれ 」 


暗黒裁判
幕僚の謀略 3
磯部淺一の闘爭
『 北、西田両氏を助けてあげて下さい 』

目次
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獄中手記 (1) 「 義軍の義挙と認めたるや 」
・ 獄中手記 (2) 「 軍は自ら墓穴を掘れり 」
・ 獄中手記 (3) 磯部菱誌 七月廿五日 「 天皇陛下は青年将校を殺せと仰せられたりや 」 

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獄中手記 (一) 「 一切合財の責任を北、西田になすりつけたのであります 」
・ 獄中手記 (二) ・ 北、西田両氏を助けてあげて下さい
・ 獄中手記 (三) の五 ・ 大臣告示、戒厳命令と北、西田氏
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獄中手記 (三) の六 ・ 結語 「 軍は既定の方針によつて殺す 」 

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はじめから死刑に決めていた 
暗黒裁判 ・ 既定の方針 『 北一輝と西田税は死刑 』

二月事件を極刑主義で裁かねばならなくなつた最大の理由は、
三月一日発表の 「 大命に抗したり 」 と 云ふ一件です。
青年将校は奉勅命令に抗した、而して青年将校をかくさせたのは、北、西田だ、
北等が首相官邸へ電ワをかけて
「最後迄やれ」と煽動したのだ、と云ふのが軍部の遁辞(トンジ)です
青年将校と北と西田等が、奉勅命令に服従しなかったと云ふことにして之を殺さねば
軍部自体が大変な失態をおかしたことになるのです
即ち
アワテ切った軍部は二月二十九日朝、青年将校は国賊なりの宣伝をはじめ、
更に三月一日大アワテにアワテて「大命に抗したり」の発表をしました。
所がよくよくしらべてみると、奉勅命令は下達されてゐない。
下達しない命令に抗すると云ふことはない。
さァ事が面倒になつた。
今更宮内省発表の取消しも出来ず、
それかと云って刑務所に収容してしまった青年将校に、奉勅命令を下達するわけにもゆかず、
加之、大臣告示では行動を認め、戒厳命令では警備を命じてゐるのでどうにも、
かうにもならなくなった。
軍部は困り抜いたあげくのはて、
① 大臣告示は説得案にして行動を認めたるものに非ず、
② 戒厳命令は謀略なり、
との申合せをして、
㋑ 奉勅命令は下達した。と云ふことにして奉勅命令の方を活かし、
㋺ 大命に抗したりと云ふ宮内省の発表を活かして、
一切合財いっさいがっさいの責任を青年将校と北、西田になすりつけたのです。

 東京軍法会議判士候補者人名簿 
・ 間野利夫判士 手記 1 「 その真意は諒とするも・・・・ 」 
・ 間野利夫判士 手記 2 東京軍法会議 ・ 補註


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法廷