日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

芹沢介のブック・デザイン

2010-12-06 | book

型絵染の人間国宝・芹沢介(せりざわけいすけ 明治8年~昭和59年)のブック・デザイン展が静岡の芹沢介美術館で開催されていた。

32歳の頃から染め物を始め、染色家となった芹沢は沖縄の紅型(びんがた)に魅せられ、やがて独自の技法を確立した。
着物や屏風、暖簾など布地に染め上げられたデザインは大胆な構成でシンプル。
多くの色彩を用いているわけではないのに晴れやかな爽快さが残る。

ブック・デザインは生涯の師とした柳宗悦(やなぎむねよし)の勧めで雑誌「工藝」の表紙の装丁を
手がけたのをきっかけとして500冊以上残した作品の中から300冊が展示されていた。 

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ファン・ホッホの生涯と精神病上・下 (特性)
式場隆三郎(聚樂社)








『孤児マリイ』マルグリット・オオドウ 堀口大學訳(操書房) 上段左
『羅刹』 山本周五郎(操書房) 下段左から2番目  など2serizawabook_2

 

 

 

 

 

 

 

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可否道 獅子文六(新潮社)







流亡記 開高健(成瀬書房)ケース内側に絵入りの限定特装版 上段左 
雲をたがやす男  中村光夫(集英社) 下段真中4serizawabook

 

 

 

 

 

  


Serizawaatorie

 

 

 

 

 

 

  

芹沢介が春夏秋冬を過ごした部屋。柳宗悦にすすめられ、
昭和32年(1957年)東京・大田区蒲田に住み、この部屋を応接間として使ったり創作をするアトリエとして過ごしていた。
昭和62年、美術館のそばに移築され、芹沢ありし日の創作生活を思い描くことができる。
メキシコ、イギリス、フランス、日本の家具とフィンランド製の電灯。

   「ぼくの家は、農夫のように平凡で、農夫のように健康です」  芹沢介


静岡市立芹沢介美術館は、芹沢介が郷里の静岡市に自身の作品を寄贈し、
建築家・白井晟一(しらいせいいち)によって建設され「石水館」と名づけられた。
外壁と展示室の内部に配した石、池に昼と夜の光を映す水。
静かに鑑賞できる展示室はモダンな中世の館のようでもあり、ゆっくりとした時間を過ごせる別空間であった。


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