日々遊行

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人間の罪と滅びを描いた画家 ジョン・マーティン

2012-06-21 | 絵画

ピナコテーカ・トレヴィルシリーズの第2集「ジョン・マーティン画集」

赤と黒の色彩に劇的、衝撃的な世の終末が描かれている。
それは人間の傲慢に下された神の罰であり、稲妻を光らせながら巻き起こす天変地異の恐怖である。
画集の大半は旧約聖書やジョン・ミルトンの「失楽園」から描いたもので占められている。

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写真左 忘却の水を探し求めるサダク
写真右 ペルシャザルの饗宴

「ペルシャザルの饗宴」はジョン・マーティンが1820年に完成させた油彩。饗宴のさなか、解かれた封印から謎の文字が現れ、不吉な前兆に人々はおびえている。
この絵は一等賞に輝き、展覧会では5千人の観客が拝観料を支払ったという。




Konton


写真左 混沌にかかる岩橋

「創世記」をテーマにした一大叙事詩「失楽園」からのメゾチントだが
夢に出てくるように神秘的だ。
奥に見える光に向かう橋が結ぶのは善と悪、天国と地獄なのか。




Johnmartin 


英国の画家ジョン・マーティン(1789~1854)が絵を通して見据えていたもの。
その衝撃から目覚めさせられるものは多い。
スペクタルな絵はその恐怖のあとに有名な「最後の審判」へ。
しかし油彩画の最後は「天国の平原」で終える。
(亡くなる2年前に完成させた)
平原はわらかい光に満ち、水は豊かに流れている。


     1995年9月 トレヴィル発行


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