日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

銀河鉄道の夜 プラネタリウムを 池袋「満天」で

2018-08-22 | アート・文化
映像クリエーターKAGAYA氏が手がけた幻想的な「銀河鉄道の夜」。
宮沢賢治が愛した星の物語を、プラネタリウムの360度スクリーンで見ることができた。



 
青くきらきらと光りまたたく三角標。
銀色のすすきは風にゆれて波のようになびき
野原には紫のりんどうの花が群れている。

微光を放つ川に沿って列車は走り
ガラスよりも水素よりも透きとおった水がゆらゆらと。
白鳥の停車場。
着くと向こうに燦然とかがやく北十字。

そして夏の空にひときわ明るくかがやく1等星のアンタレスとなった蠍の話。
ある日、蠍はイタチに襲われそうになり
井戸の中に落ち、溺れそうになる。
蠍は祈る。
「私は今までいくつの命を奪ってきただろう。それが今は一生懸命逃げた。
どうか神様、つぎには私のからだを本当のさいわいのためにお使いください」
ついに蠍のいのちは赤々と燃える美しい火となってと夜空を照らす。

ピカピカする三角標の中、列車はさらに南へ進む。
まばゆい光が車内に入ってきた。
霧までが光っているよう。
神々しいまでの十字架が立っていた。
サザンクロスとよばれる南十字。

ジョバンニとカンパネルラとともに星々をめぐる旅は
宇宙の闇に永遠の星座となって終わる。
KAGAYA氏の映像は
ただ美しく
天空をめぐる夢の列車となって私たちを満天の空へといざなう。


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