日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

映画「美女と野獣」のチラシ

2018-05-15 | Jean Cocteau

子供たちのために、1756年にルブランス・ド・ボーモン夫人が書いたおとぎ話「美女と野獣」は
ジャン・コクトーが少年期の頃より愛読していた作品だった。

コクトーの映画「美女と野獣」は1945年8月から撮影に入り、1946年1月に完成した。
このチラシは映画祭の折り、再リリースされた時に発行されたようだが
いつの頃なのか年代は不明。(おそらく1960~70年代)





映像を自由に駆使してどんな場面も可能になる現在とは違い、
70年前に特殊撮影によって幻想と神秘、そして華麗な映像美に仕上げられた技術に
ただ感嘆して見入った感激は今も薄れることがない。

画像はオランダの画家フェルメールの絵のような光の具合に仕上げられていることに
コクトーは「美女と野獣 ある映画の日記」で
美術を担当したクリスチャン・ベラールの才能を称えている。

そしてこの映画で、野獣・アヴナン・王子の3役を演じたジャン・マレーは
コクトーが体の不調を押して
出演者に礼儀正しさと忍耐強さで演出したと述べている。