日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

旧開智学校校舎 長野県松本市

2018-04-20 | 近代建築

松本城から近い旧開智学校に行ってみた。
文明開化の面影を残す校舎はぜひ見たいと思っていた場所だった。



明治維新後の1871年(明治4)、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)により
廃寺となった「全久院」の跡地に建てられた擬洋風建築で
昭和30年代後半に女鳥羽川から移築、正面の校舎だけが復元されて現在の姿になった。

正面の車寄せに施された彫刻。
龍、波、雲など流麗ながら愛らしい天使なども。



八角形の塔屋と東西南北の風見。



2階の廊下。素晴らしい天井の照明。



小さな机と椅子が並ぶ教室。



現在では見ることが出来ない優美なデザインのオルガン。



単語図や植物図などで学習した名残り。明治7年改正と記されている。



講堂。ここの柱は全久院の柱を使用したのだという。



講堂の天井は葉のレリーフに囲まれた照明。そしてギヤマンガラスの窓。



扉にも彫刻が。



復元された大棟鬼瓦。
建築当時の鬼瓦は重さ220キロの重さだったとか。



風見に付けられていた東西南北の文字。
漢字が当時を物語っているが展示されているのは銅板に複製したもの。



新築当時の開智学校



新しい時代の誕生のようなモダンな白亜の校舎は
1963年(昭和38)まで90年間にわたって使われ、
1961年(昭和36)に重要文化財に指定された。