「ミラボー橋」の詩で有名なフランスの詩人アポリネールが
動物を獣、虫、魚、鳥の4章に分けて収めた詩集。
詩の1篇ずつに画家・ラウル・デュフィの木版画が目に楽しい。
アポリネールが絶賛したさし絵だ。
デュフィは水彩画の透明感が魅力で、装飾的でありながら
現代的な軽やかさを思わせる絵が多い。
この詩集は木版画の力強さが動物の生命力にあふれ
アポリネールの心情と呼応するように生き生きとしている。
アポリネールが絶賛したさし絵だ。
デュフィは水彩画の透明感が魅力で、装飾的でありながら
現代的な軽やかさを思わせる絵が多い。
この詩集は木版画の力強さが動物の生命力にあふれ
アポリネールの心情と呼応するように生き生きとしている。
詩はどれも数行で、動物の特徴にアポリネール自身の心情が巧みに織り込まれている。
そしてユーモアも。
そしてユーモアも。
蛸
天空めがけて墨を吐き
愛する者の血をすすり
美味い、美味いと舌つづみ、
この残酷な怪物が
僕なんだから厭になる。
天空めがけて墨を吐き
愛する者の血をすすり
美味い、美味いと舌つづみ、
この残酷な怪物が
僕なんだから厭になる。
猫
わが家に在って欲しいもの、
解ってくれる細君と
散らばる書冊のあいだを縫って
踏まずに歩く猫一匹、
命の次に大切な
四五人ほどの友人たち。
わが家に在って欲しいもの、
解ってくれる細君と
散らばる書冊のあいだを縫って
踏まずに歩く猫一匹、
命の次に大切な
四五人ほどの友人たち。
動物詩集は1911年にパリで限定120部で初版発行された。
その本は、世界中で作られた豪華本の中でも最上の出来と評され
コレクターの憧れの的で、たちまち稀観本の価値にあがったのだという。
本書は訳 堀口大學。求龍堂から1978年に発行されたが、
このダンボールの函入り本は私の好きなシリーズで、
1ページずつを開いていくと、
さし絵とともにゆとりあるスペースが詩の楽しみを味わえる1冊でもある。
このダンボールの函入り本は私の好きなシリーズで、
1ページずつを開いていくと、
さし絵とともにゆとりあるスペースが詩の楽しみを味わえる1冊でもある。