日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

『動物詩集 又はオルフェさまの供揃い』 ギョーム・アポリネール

2017-01-12 | 

「ミラボー橋」の詩で有名なフランスの詩人アポリネールが
動物を獣、虫、魚、鳥の4章に分けて収めた詩集。



詩の1篇ずつに画家・ラウル・デュフィの木版画が目に楽しい。
アポリネールが絶賛したさし絵だ。
デュフィは水彩画の透明感が魅力で、装飾的でありながら
現代的な軽やかさを思わせる絵が多い。

この詩集は木版画の力強さが動物の生命力にあふれ
アポリネールの心情と呼応するように生き生きとしている。
詩はどれも数行で、動物の特徴にアポリネール自身の心情が巧みに織り込まれている。
そしてユーモアも。

        蛸
   天空めがけて墨を吐き
   愛する者の血をすすり
   美味い、美味いと舌つづみ、
   この残酷な怪物が
   僕なんだから厭になる。

        猫
   わが家に在って欲しいもの、
   解ってくれる細君と
   散らばる書冊のあいだを縫って
   踏まずに歩く猫一匹、
   命の次に大切な
   四五人ほどの友人たち。  

動物詩集は1911年にパリで限定120部で初版発行された。
その本は、世界中で作られた豪華本の中でも最上の出来と評され
コレクターの憧れの的で、たちまち稀観本の価値にあがったのだという。

本書は訳 堀口大學。求龍堂から1978年に発行されたが、
このダンボールの函入り本は私の好きなシリーズで、
1ページずつを開いていくと、
さし絵とともにゆとりあるスペースが詩の楽しみを味わえる1冊でもある。

マジョリカのギフトボックスと今年のイヤープレート

2017-01-12 | 宇野亜喜良

宇野亞喜良さんイラストで作られたマジョリカマジョルカのギフトボックス第2弾目は
昨年11月に限定発売され、猫がテーマになっている。


箱の表は少女が風船を持ち、まわりにはユニコーンや風船に吊られた猫などが描かれている。
淡い色調の優しいボックス。

そして2017年、今年の宇野さんのイヤープレート。
昨年末に新宿伊勢丹で開催された「絵本の城」展の会場で購入。


猫が少女と同じポーズで描かれているのが愛らしい。