日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

静寂 ローデンバック

2014-06-30 | 

 
静寂 それは少し疲れた消え残る声

わが静寂の貴婦人は

いとも優しく歩を運び

鏡の内に 

その顔容(かんばせの)白百合を摘む

病の癒える兆(きざし)は見えて

遥か彼方に目をやれば

木々 行人 橋のいくつか ひと筋の川

その水面を行く 光る大きな雲の群れ

                             ローデンバック詩集「静寂」より抜粋
                             訳 村松定史
 フェルナン・クノップフの彫刻「若いイギリス女性の顔」(1891年)