「La Fete Blanche 白い祭」
銀座スパンアートギャラリーへ宇野さんの個展を見に行った。
白い額に収められた少女は何を語ろうとしているのか。
そして白いオブジェは中世の彼方から来たかのように物を言わずして瞳を閉じ、
薔薇や貝とともに静かに存在する。
霞んだ記憶なのか、追憶なのか・・。
宇野さんの魔法は時間を逆戻りさせ
迷宮に入っていくうちにいつしか幻想に陥ってしまう。
「AQUIRAX WORLD 宇野亜喜良の全貌」
渋谷Bunkamuraで5/16(水)~5/27(日)の11日間だけの展覧会で行ったのは最終日。
1960年代の作品が主流で、モノクロのスケッチは
やはり物憂げであり、魔と聖が共生しているかのようだ。
少女のイラスト、トランプのデザイン、当時の本や雑誌のイラスト、
ポスターなどが展示されていた。
60年代の若者を刺激した宇野さんの「イラストレーター」という仕事は
新しい言葉として時代に躍り出たときでもあった。
あの時代の空気そのままに展示されていた今回、
2度と同じ熱狂の時はもう来ないという思いをめぐらせて会場を回った。