日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

山吹 鮮やかにしなやかに 

2012-04-22 | Flower

Yamabuki


関東は葉桜になり桜の饗宴は終わった。
今頃、木之花咲耶姫は東北あたりにうす桃色の花を咲かせているだろうか。

にぎわう桜に寄り添って咲いていた山吹。
雨の日、娘が太田道灌に差し出した山吹の一枝には
貧しいながらも精いっぱいのもてなしが込められていた。
蓑はないけれどせめて山吹を。
物を心に変えて相手に伝えた感動がこの花には秘められている。

   山吹や葉に花に葉に花に葉に  炭 太祇

まるで早口言葉の滑舌練習のような句だが、
情景は美しく山吹の花びらがあたりに散る様子が春の絵のようだ。