サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

アフリカとアラブ、中東

2022-12-16 09:14:57 | 日記

決勝は逃したもののベスト4までいったモロッコは世界中で盛り上がっている。いろんな記事を読むとモロッコはアフリカでアラブの代表だから応援するファンが出てくる。ここではアフリカ、アラブ、中東という言葉を検証してみよう。

 

地政学的にモロッコはアフリカであり、CAF, アフリカサッカー連盟のメンバーである。FIFAは地政学ではなく、どの大陸連盟所属かによりどの大陸のメンバーかが決まる。オーストラリアはAFC所属だからアジアであり、ロシアがAFCに来ればアジアとなる。しかし誰がどうみてもオーストラリアはアジアの代表とは思えないし、今大会でアジア勢が3チームもラウンド16に進出したと言われたときに、そういえばオーストラリアもアジアだったのかと誰もが不思議がるだろう。

 

さてそれではアラブとは何か。高校のときに歴史の授業で、アラブ、アラブ人の定義を教わった。それによると、アラビア語を話しイスラム教を信仰している人々をアラブ人と呼ぶ。つまり人種ではないのだ。アラビア半島の国々のサウジ、オマーンあたりとモロッコでは確実に人種は違うはず。しかしみんなアラブ人である。この定義に従えばイラン人はアラブではない。イラン人はイスラム教徒だがペルシャ語を話す。だからアラブ人ではない。

 

それでは中東、中近東とはなにか。サッカーでは中東の笛とか、あいつは中東の主審だという言い方をする。ヨーロッパから見ての東側で、近めの東だから中東。遠ければ極東になる。ふざけた言い方である。東側からみれば中西、極西である。つまり特定の地域を指すわけではなく、イメージなんだろう。

 

以前、アフリカ人の友人と中東とはどこまでを指すのかを議論したことがある。イメージとしては西は北アフリカのリビアから東はイランまで。そしてアラビア半島全域。イラク、レバノン、シリアも含む。トルコは違う。トルコの場合はヨーロッパとアジアが混ざっているので、機会があればトルコ人に質問してみたい。

 

こう考えていけば、モロッコとはアフリカであり、アラブであるが中東ではない。カタールの人々がモロッコを応援するのは同じアラブだからという理由からになる。実に曖昧な地域である。

 

モロッコのサポーターは熱い。