ルイス・エンリケのスペイン代表監督からの退任が発表された。後任も決まっていてずいぶんと手回しがいい。きっと既定路線だったのだろう。ルイス・エンリケの代表監督としての成績を検証してみよう。
ルイス(友達のように呼んでみたい)が代表監督に就任したのが2018年7月。最初は2年契約で再任されたが、その途中に娘さんが病死するという悲しいことがあり、このころのルイスのニュースはあまり出てこなかった。それに2018年ロシアWCでスペインはラウンド16でロシアに負けているので、そこからの立て直しという段階だった。
2021年6月に1年延期された2020ユーロは準決勝に進出。ラウンド16ではクロアチアを5-3で打ち負かし、QFではスイスにPK戦勝ち。しかしSFではイタリアにPK戦負け。PK戦は勝ったり負けたりだから運もあるのだろうが、スペインのこの2回と直近のWCでのPK戦の成績は、2勝6敗となるので苦手意識はあるだろう。ちなみにイタリアはSFもイングランドとの決勝もPK戦勝ちしているから、PK戦には強い。
UEFAはネーションズリーグもあるが、2021年10月の決勝ではフランスに1-2で負けて準優勝だった。ルイスは若手の登用に積極的でガビはこのフランスとの決勝に先発。なんと当時17才である。
さて2022年11月~12月のカタールWCの成績は1次リーグではコスタリカに7-0で大勝。ドイツと1-1引き分け。日本に1-2で敗戦。ラウンド16でモロッコにPK戦負け。4試合で1勝しかできなかった。コスタリカに大勝して無敵艦隊復活と慢心したのがいけなかった。
そもそもルイスは記者会見で否定していたが、1次リーグを2位抜けすれば決勝までブラジルと当たらないというくだらない策に溺れたのかも知れない。決勝にたどりつく大事な初戦でまさかモロッコに足をすくわれるとは夢にも思わなかったことだろう。
バルサの選手に偏りすぎとか、ストライカータイプのFWがモラタ一人だけとか、選手選考に批判は多かった。しかしPK練習を1000本しろとか、記者会見は面白くて人間臭いキャラクターだったので、筆者はルイスのファンだった。シャビの次のバルサ監督に戻ってきてもいい。
渋い表情の渋い男。我らのルイス・エンリケ。