筆者は時代劇が好きなので、時代劇専門チャンネルでいろいろ見るのだがこのチャンネルは古い時代劇の再放送ばかりである。しかしその中でも秀作はNHKの池波正太郎原作の雲霧仁左衛門である。雲霧仁左衛門は映画でもいろいろ制作されているが、一番好きな雲霧は中井貴一の雲霧である。
雲霧の手下には何とかの何とかという名前があって、これが面白い。州走りの熊五郎、七化けのお千代、木鼠の吉五郎などなど。この何とかの何とかの下の名前は自分の名前だろうが、上のニックネームはなかなか秀逸である。七化けのお千代は変装の名人だから七化けなんだろうし、州走りの熊五郎は足が速いからだろう。
しかしニックネームの後に「の」が入らないキャラクターもいる。因果小僧六之助、大工小僧七松などだ。因果小僧とはどういう理由で因果小僧となったのか実に興味深い。大工小僧は盗人になる前が大工だったからという単純なネーミングである。もっと考えて付けてほしかった。
池波正太郎は鬼平犯科帳でも雲霧仁左衛門でも火付盗賊改めが出てくるし、盗人にも何とかの何とかというニックネームを付ける。鬼平の中で伊東四朗が演じた盗人のキャラクターで雨引きの文五郎が出て来る。この雨引きとはどういう由来なのだろうか。盗人の名前を調べるだけでも面白い。