サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

モリソン首相はオーストラリア版森田健作

2020-01-06 16:27:08 | 日記
この夏のBush Fireで死者が26人も出て、最悪の状況である。ただしBushFireというだから、田舎か山沿いの郊外だけでシドニーなどの都市圏では被害は出ていない。煙と火事のにおいが都心部まで充満する日があるのには驚く。ここまでスモーキーな状態が火事と関係ないところまで広がるのは多分初めてだろう。


そんな中、スコット・モリソン連邦首相がクリスマス前にハワイへ家族旅行に出かけ、国民の中に塗炭の苦しみを味わっている人がいるのに無神経だと批判を浴びて休暇を切り上げて帰国した。首相がいれば火事が収まるわけでもないが、国民の気持ちに寄り添うという態度を示す必要があった。災害時にプライベートを優先させた森田健作知事と似ているわけだ。


先週モリソン首相が被災地を慰問したが、人口100人程度の集落だがほぼ全滅。Bush Fireはこうした小さな集落を襲っていくので、都市の住民からすれば対岸の火事にも見える。しかしそれらの集落の被害が積み重なり死者が26人まで膨らんだ。1,2日の台風、集中豪雨で地滑り、山崩れで死者が出るのとは違い、毎日火事で逃げ遅れた人が出て死者が増えていく。これもまたつらい。


慰問先では政府からの支援が少ないと住民がモリソン首相に罵声を浴びせていた。「あんたは終わりだ。もう誰もこの町からは自由党には投票しない。You are out」という厳しい罵声。その罵声に対してモリソン首相は正面から受け止めるのではなく、2,3歩先に逃げて背を向け、左腕を振ってもうたくさんだというジェスチャーを示した。


自分では一生懸命に対応しているつもりでも首相が国民の声にうんざりしているような姿勢を示すのはまずい。政治家としというよりも人としておかしい。皆さんの苦しみに対して国をあげて支援していきますくらいのことを言えばいいのに、災害被害者に対する支援金が決まっていないから何も約束できないということか。


スコット・モリソンはモスコーというあだ名だが、モスコー内閣への支持率は落ちていくだろうし、これでは次の選挙に影響するので与党内から足を引っ張られて退陣する日も近いだろう。オーストラリアの首相交代は選挙で負けた場合もそうだが、任期内で与党の中で内輪もめがおきて退陣するケースも多い。失政が続くと選挙がなくとも首相が交代するので、日本よりはまともと言える。