退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「奇天烈な生きものたちあるいは『真実とドラマのブレンド具合』」について

2018-06-28 02:06:14 | Weblog
くもり。蒸し暑い。

土屋健「オルドビス紀・シルル紀の生物」を観て読む。

エディアカラ紀カンブリア紀に続く第二弾。
少し見慣れた「奇天烈な生きものたち」を再確認する。

三葉虫、魚類の先祖あるいはウミユリやウミサソリなどについて。
「人の欠片もない世界」にしばし憩う。

もっともこれも「観察者」であるわれわれがいる「世界」。
そうそう「上下逆だと思われていた」のは「ハルキゲニア」だった。

十二分に堪能した後で映画館へ。

是枝裕和「万引き家族」をようやく観る。

平日の午後にも関わらずそこそこの観客がいるのにふむふむ。
劇場全体から見れば「スカスカ」ではあるものの。

他の作品と比べると相当に違う感じ。
いつのまにか「カンヌ映画祭グランプリ」が客を呼ぶようになった模様。

例えば今村昌平の「うなぎ」は左程ヒットしなかったはず。
これも「時代の変化」ということで。

途中までは「魅入られたように」観ていたのだけれど後半にやや「ダレた」かも。
おそらくもう少し短かったら「傑作」と呼ぶにふさわしい内容になったはず。

監督の作品の魅力は「俳優陣の魅力」に与るところが大きいような。
もちろん「演出家」としてそれらを引き出す力があるのは確かで。

「大切なこと」は「声にならない」のがポイント。
「生物学上のつながりのない『家族』」にはそれぞれの「事情」があって。

本作には「実に素敵な『真実たち』」があるけれど
その「構成」にはいささか異議を唱えたいところもあり。

彼ら彼女らを取り巻く「状況」は「リアル」である一方
それが生み出す「ドラマ」は案外「古い」。

「家族」というテーマを扱えばそうなるのか。
われわれがその「形式」を採用して久しいのだから。

好ましいからこそ何か言いたくなる作品。
それが「いい作品」であるのは間違いない。

細野晴臣の音楽は「水のゼリー」を表しているような「コロコロ感」がいい。
衣装に「黒澤和子」の名前を見つけて驚く。

あの家の「むさくるしさ」は見事。
関係各位の努力に納得するのみ。

女優陣の表情をじっくり味わおう。
樹木希林、安藤サクラ、松岡茉優、そして佐々木みゆまで。

「人生の真実」を垣間見たような気になれるから。
それがたとえ「妄想」だとしても。
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