退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「『三国志祭り』の始まりと『雨の映画』ふたつあるいはモームにまつわる個人的な記憶」について

2023-02-28 02:45:03 | Weblog
快晴。あたたかくおだやか。

「完訳 三国志(六)」を半分くらい読む。

関羽関平親子は孫権の手にかかり。
もっとも前者は亡霊となって曹操を死に至らしめ曹丕が後を継ぎ。

張飛は自らの行いゆえ部下に寝首をかかれ。
黄忠は劉備の言葉に発奮するも矢傷が元で彼岸へ。

陸遜は劉備を追い詰めるも諸葛亮の術に負け。
どうにか逃げ延びた劉備だが病を得てこれまた彼岸へ。

若き劉禅が後継ぎに。
後半は孟獲と彼に対する孔明のあれこれなど。

今週は「三国志祭り」ということでラストまで駆け抜ける予定。
この世界にどっぷりと身を浸す。

アイザック・エスバン「ダークレイン」(’15)を観る。

冒頭の「モノクロの雨」がいい感じ。
その後重苦しい雰囲気が続くのだけれど。

奇妙な笑うべき現実が生まれ。
原因を巡って人々が争う。

その結末たるや。
そういうオチかといった趣き。

「雨が何事かをもたらす」映画と言えば。
サマセット・モーム原作のルイス・マイルストン「雨」(’32)を思い出し。

ジョーン・クロフォード演じるサディ・トンプソンの妖しい魅力。
彼女を改心させようとする牧師にウォルター・ヒューストン。

セントルイス・ブルース」のレコードが流れ。
ビリー・ホリデイ版を載せておく。

モームで思い出すのは高校時代のこと。
アメリカの黒人女子留学生は彼の名前を読めなかった。

彼女は去る時に「I cherish you=わたしはあなたたちのことを大切にする」と言ったのだったか。
遠い昔のことゆえ詳細は定かではない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「科学=限られた材料で世界の理を判断するゆえに『謙虚』なのが普通であることと作品としては貧しいが『圧倒的に豊か』な映画」について

2023-02-27 04:04:27 | Weblog
快晴。今日も風強く冷たく。

更科功「宇宙からいかにヒトは生まれたか」を読む。

「科学」というものはそもそも分類しても仕方がなく。
もちろんいちおうの「ジャンル」はあるのだけれど。

「文系理系」などという区別に同じく。
そのことを教えてくれる内容。

「奇跡の星」という表現はあるが「人間が生きられる星」という事実があるだけ。
「よその星」を知らないのだから比較検討などしようもなく。

われわれがいかに「意味付け」をする存在なのかということがわかる次第。
すべては「偶然」でしかないのに。

化石も土のコアも教えてくれることには限りがあり。
そうした「材料」を「自分なり」に解釈するのみ。

ならば出来るだけ「謙虚」であるのが基本のはず。
にもかかわらずわれわれは自分勝手な「思い」を「正しい」とするのだからいやはや。

アンソニー&ジョニー・ルッソ「アベンジャーズ エンドゲーム」(’19)を観る。

181分という長さと同様に。
いたずらな「豪華キャスト」に感心する。

ロバート・レッドフォードまで出て来るとは。
マイケル・ダグラス、ミシェル・ファイファー、ナタリー・ポートマン。

ウィリアム・ハートやサミュエル・L・ジャクソンも「カメオ」で。
真田広之も同じ扱いだから彼に対する「ハリウッドの評価」がわかるというもの。

その他のキャストについても確認して頂きたい。
お話は全く面白くないし感情移入も出来ないのだけれど。

唐突だがわが国がかつて戦争に負けた理由を思い出したり。
これだけの「『物量』の豊かさ」を目にしたら勝てるわけないだろうと。

何とも「無駄な豊かさ」を見せられた印象。
作品の出来とは別に「参りました」ということでよろしく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「成長段階で姿を変える魚の魅力と当分解決策のないウクライナあるいはあれこれちぐはぐな映画」について

2023-02-26 02:50:34 | Weblog
快晴。昼に風強く夜に風冷たし。

荒俣宏・さとう俊・荒俣幸男「磯採集ガイドブック」を見て読む。

副題に「死滅回遊魚を求めて」。
ほぼ20年前の作品。

「稚魚あるいは幼魚」を愛でるという発想はこちらにはなく。
そういう視点もあるのねと思うのみ。

「同じ魚の中の変化」か。
透明なそれらがとりわけ印象深く。

とりあえず魚たちの美しさを知っておこう。
そうした存在を教えてくれた著者たちに感謝。

マル激を観る。

今回はロシアのウクライナ侵攻について。
どうやらさらに「悲劇」を重ねないと解決策はないとのこと。

いったん「戦争」を始めてしまうとその結果はとんでもないことになる事実よ。
ウクライナもロシアも相当な犠牲が出ていて。

ウクライナとしては「戦う」しかない一方。
ロシアには「選択肢」がある模様。

プーチンがスターリンに似てきたという指摘にふむふむ。
「疑念の果ての劣化」ということで。

「NATOの東進」を危惧していたはずが。
今回の戦争を起こした結果さらにそれを進めることになったり。

スターリンは病気で影響力を失ったけれど。
プーチンは何によってそうなるのか。

映画ならCIAとMI6が組んで「独裁者」を倒す設定になるけれど。
現実はとてもそのようにはならない。

ピエール・モレル「ザ・ガンマン」(’15)を観る。

かつてコンゴで「汚れ仕事」をした主人公はその後かの国で人々のために働くものの。
「現在の隆盛のために過去を消したい者」によって追い詰められる。

恋人との別れと再会もありつつ。
やがて対決がというお話。

ショーン・ペンはさすがに「説得力」を見せる。
この「物語」を観客に納得させるために。

とはいえ彼の病気のエピソードは無用。
いたずらに作品を長くするだけ。

タイトルロールの映像も何だか。
冒頭のみ「SFチック」だったりするのもバランスが悪く。

イタリアンのジャスミン・トリンカのアニーにはあまり魅力は感じられず。
ハビエル・バルデムのフェリックスの在り様も微妙。

この俳優たちを使ってこれでは。
残念な結果と言うよりない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「母親が『魅力的』であることと『映画を生きた人』あるいは個々のキャラクターは悪くないが惜しい映画」について

2023-02-25 02:38:29 | Weblog
雨のちくもり。明日は晴れるらしい。

母親の「スマホデビュー」に付き合う。

何だかんだで2時間ほどかかり有給休暇がつぶれる。
LINEを稼働させたら各地からあれこれ来ること。

とりわけ母親の弟=叔父さんから盛んに。
結局LINEで通話したりなど。

操作の仕方を教えるものの要らんところを押したりしていやはや。
そのうち慣れるだろうと思いつつ。

山田宏一「増補新版 フランソワ・トリュフォーの映画誌」を読む。

かの映画監督はまさに「映画を生きた」という趣き。
そのことを確認させてくれる著者も同様に。

リュミエール、ロッセリーニ、ヒッチコック、ルノワール、マックス・オフュルス、
ジャン・ヴィゴ、グリフィス、ホークス、オーソン・ウェルズ、チャップリン、ジャック・タチ。

ローレル&ハーディ、ニコラス・レイ、フリッツ・ラング、ルイス・ブニュエル。
ジャン・コクトーそしてゴダールあるいはアンリ・ラングロワ、アンドレ・バザンなど。

「好ましいもの」を「反復」するのが「ヌーヴェル・バーグ」だという指摘にふむふむ。
個人的には「柔らかい肌」(’64)の評価が高いのに納得する。

「自分は何も見ていないのだ」ということをあらためて感じさせてくれる作品。
もちろん少しは見ているつもりだけれど。

デヴィッド・リーチ「ブレット・トレイン」(’22)を観る。

原作は伊坂幸太郎「マリアビートル」だとのこと。
未読なので比較は出来ず。

ヒッチコック「バルカン超特急」(’38)を「現代風かつ和風」に。
監督は「ジョン・ウィック」(’14)「アトミック・ブロンド」(’17)。

「デッドプール2」(’18)「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」(’19)、
あるいは「Mr.ノーバディ」(’21)などの作品を撮っている模様。

相当にわが国がお好きなようで。
珍しくタイトルから英語と日本語の表記が同時に出る。

ここでも真田広之の姿が。
マシ・オカや「スーサイド・スクワット」(’16)の福原かれんなど。

ビージーズ「ステイン・アライブ」が冒頭に。
奥田民夫カルメン・マキ麻倉未稀ソング・フォー・メモリーズ

坂本九の「上を向いて歩こう」もあり。
チャニング・テイタムやカメオでサンドラ・ブロック、ライアン・レノルズという豪華。

「悪玉」にマイケル・シャノン。
「プリンス」ジョーイ・キングの「ロシア娘っぽさ」も悪くなく。

「タンジェリン&レモン」のコンビは前者が「英国訛り」なのもなかなか。
後者は「機関車トーマス」で人の心がわかるようになり。

それぞれのキャラクターは魅力的なのだが。
「物語の展開」はとりわけ前半がダレるのが気になるところ。

何度でも繰り返すが90分にすれば。
問答無用に「快作」だと言えたはずなので。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「やはり色が綺麗な『最後の浮世絵師』とおそらくはさまざまな映画を観ているはずのニカラグア監督作品」について

2023-02-24 02:31:33 | Weblog
晴れ。昼に冷たく夜に緩む。

傑作浮世絵コレクション「小林清親 光と影をあやつる最後の浮世絵師」を見て読む。

「光線画」という名前にふむふむ。
黒いシルエットの中に灯る柔らかなオレンジ色のガス燈よ。

朝焼け夕焼けの繊細なグラデーションが素敵。
大火で斜めに伸びる赤い炎の色も同様に。

「明治の東京の姿」を確認出来るのがポイント。
「花鳥動物画」や「風刺画」「美人画」、「戦争画」や「歴史画」など。

色とりどりの作品の中で唯一モノクロなのが「龍虎墨竹図」。
「工夫」はわかるが案外迫力に欠ける憾みが。

それでも十分に楽しませて頂きましたといった趣き。
「明智左馬之助光春湖水乗打唐崎松之図」の「水の青」が実に綺麗。

フアン・カルロス・マネグリア&タナ・シェムポリ「7BOX セブン・ボックス」(’12)を観る。

パラグアイ映画は初めてなのかも。
「謎の七つの箱」にいろんな人々の「運命」が絡む設定はグッド。

それぞれの人物が「意外な顔」を見せるのがなかなか。
「南米らしい」とぼけた味わいも加わって。

「手押し車」がこれほど登場する映画もないと思いつつ。
主人公ビクトルを追いかけるのも「7人」だったりするのを覚えておこう。

監督はどうやら黒澤明「七人の侍」(’54)を始めとしてさまざまな映画を観ている模様。
互いに貶し合うビクトルとリズの「結末」は自動的にわかる次第。

ただし冒頭の映像は「要らぬ工夫」。
「ニカラグア流儀のアキ・カウリスマキ風味」だと解釈しておくことにする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「実は『超能力』が満載の古典小説と『カルト』の怖ろしさあるいはそれを生み出すわれわれ」について

2023-02-23 02:44:09 | Weblog
晴れ。日差しがあたたかい。

「完訳 三国志(五)」読了。

「未来を知る」管輅は謎の言葉を残し。
耿紀、韋晃、金褘、吉邈、吉穆の「五臣」は曹操を倒せず。

張飛は相変わらずの活躍ぶり。
「老将軍」黄忠は「古希前」ながら夏侯淵の首を切り。

孔明の智謀がまたしても。
魏延の弓は曹操に命中し。

劉備玄徳は部下たちの進言で「漢中王」となり。
関羽は奮闘しつつ華侘に骨を削ってもらい刺さった矢の毒を癒す。

新たな「策士」呂蒙も登場して。
やはり来週は「三国志祭り」にするか。

タイ・ウェスト「サクラメント 死の楽園」(’13)を観る。

1978年ガイアナはジョーンズタウンの人民寺院による集団自殺をほぼなぞったお話。
「議事堂を襲ったトランプ信者たち」を思えば「現代」にはふさわしいか。

「ジャーナリストの訪問」が「楽園」を滅ぼしたようにも描かれる部分も。
とはいえそこから逃げ出したい人々を脅して留まらせていた事実があり。

アリ・アスター「ミッドサマー」(’19)を思い出した次第。
本作の方が「気持ち悪さ」は緩いけれど。

「信じたいものだけを信じる」われわれの性質をあらためて。
「現実の酷さや辛さ」が「カルト宗教」を生み出すのだとして。

「救われないこと」を「倫理」だとするのは難しいから。
人民寺院は「自滅」に向かったがブランチ・ダビディアンは「抵抗」しオウム真理教は。

「思い通りにすること」はかくも怖ろしいこと。
むしろ「思いがけない喜び」を味わえる環境を出来れば確保したいもの。

すでに人々の「劣化」は進んで久しく。
新たな「カルト」は必ずや生まれるのだと思っておいた方がよさそう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「半分まできた『三国志』とうまくまとめた『オールスター映画』の『ネオ・ノワール』ぶり」について

2023-02-22 02:41:27 | Weblog
晴れ。今日も風が強い。

「完訳 三国志(五)」を半分くらい読む。

龐統死す。
張飛は厳顔を認め。

孔明は相変わらず謀を巡らし。
関羽は颯爽と敵陣を去る。

孫権と曹操はいまだ決着せず。
左慈は仙人の如く曹操を翻弄する。

これまた明日読了予定。
来週を「三国志祭り」にしようかどうか思案中。

ロバート・ロドリゲス&フランク・ミュラー「シン・シティ 復讐の女神」(’14)を観る。

モノクロのアメコミにパートカラーの映像。
物語は全体としてはまとまっていないが個々のエピソードはまずまず。

何しろ異様な豪華キャストだからそれぞれのキャラクターが立っている。
「怪物」ミッキー・ルークに身体をくねらせまくるジェシカ・アルバ。

彼女を見守る「幽霊」にブルース・ウィリス。
「魔性の女」エヴァ・グリーンに元恋人のジョシュ・ブローリン。

「父親」に復讐しようとするジョセフ・ゴードン・レヴィット。
その父親で上院議員のパワーズ・ブースの「悪玉ぶり」が素敵で。

「強力な怪人部下」を演じるのはやさしい顔のデニス・ヘイスバート。
レイ・リオッタが妻にすべてを奪われる「変態経営者」。

ゲイルのロザリオ・ドーソン、ミホのジェイミー・チャンの魅力もあり。
覚醒剤を打つと腕前が冴える医者にクリストファー・ロイド。

「センチュリアン」(’72)が懐かしいステイシー・キーチの姿など。
レディー・ガガや「スパイ・キッズシリーズ」のアレクサ・ヴェガが出ていたり。

「オールスター映画」はわが国だと演出が不味く失敗に終わるケースが少なからず。
そのあたりをうまくまとめたのは監督ふたりの手柄。

なるほど「ネオ・ノワール」か。
もっともそれを味わうには「フィルム・ノワール作品」を観ていないと。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「『贅沢な悩み』に思える内容の本と『ゾンビ』以前のゾンビと『人品』が素敵な俳優が出る映画」について

2023-02-21 02:29:17 | Weblog
晴れときどきくもり。また夜風が冷たい。

岩波書店編集部編「アカデミアを離れてみたら」を読む。

副題に「博士、道なき道をゆく」。
博士号は取ったものの大学に残るより「外」へ出ることを選んだ人たちの話。

もっともそれで「どうにかなった人々」なのを忘れずに。
「どうにもならない人々」の方がおそらくは多いはずで。

「あとがき」によると本書の内容が「希望」になればとのこと。
そういうものかと思いつつ。

「就職氷河期」に「フリーター」にならざるを得なかった人々の方が大変のような。
何より「闇バイト」に応募してしまう人々も同様に。

「恵まれた人の贅沢な悩み」だと思えてしまうのだが如何。
「武器」になる知識や技術もあるわけだし。

ウバルト・ラゴーナ&シドニー・サルコウ「地球最後の男」(’64)をようやく観る。

ジョージ・A・ロメロ「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は本作の4年後。
「ゾンビ」はまだ「吸血鬼仕様」で動きも鈍く案外「無害」。

どうにか「孤独」に耐えて生きてきた男が知った「現実」よ。
彼の血が「役に立つ」のがわかったというのに。

犬のエピソードも哀しく。
撮影の舞台がイタリアだけに「ネオレアリズモ」の趣きも。

ヴィンセント・プライスの「人品」を覚えておこう。
「肉の蝋人形」(’58)「蠅男の恐怖」(’58)「蠅男の逆襲」(’59)が懐かしく。

「八月の鯨」(’86)にも出ていて遺作は「シザー・ハンズ」(’90)。
エドガー・アラン・ポー原作のシリーズ作品は残念ながら未見。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「『特定の時代の価値観』でしか物事を判断できない愚とモーガン・フリーマンがこんなにつまらない映画に出ていること」について

2023-02-20 02:25:55 | Weblog
くもり。雨も少々。

周燕飛「貧困専業主婦」を読む。

「昭和幻想」を可能にするほどの収入がある夫の妻は別として。
その「幻想」に溺れて「貧困」に至る女性たちがいる模様。

「子育ては自分で」という「3歳児神話」も手伝って。
あるいは「スキル」を持つ人々が「納得できる収入を得る仕事」に就けないことなど。

「配偶者控除」という罠もあり。
「特定の時代にのみ通用したこと」がいまだに続けられている愚たるや。

ここでも「好きに生きること」を邪魔するあれこれが。
もちろん「最低限の生活」を可能にするセーフティーネットはなくてはならず。

「女子を取り巻く現実」の貧しさよ。
何より問題なのはそうしたことに気付く男子の数が少ないこと。

「君のことを守りたい」などという歌に酔っているヒマがあるなら。
彼女が感じている「現実の酷さ」を共有せよ。

そして「貧しい現実」に変化をもたらすべし。
その程度のことが出来ないようなら「さようなら」。

ジョージ・ギャロ「ヴァンキッシュ」(’21)を観る。

冒頭のいたずらな長さから「ダメ」だとわかる内容。
「凝ったつもりの映像」も同様に。

ルビー・ローズに期待したのだけれど残念ながら魅力を感じられず。
モーガン・フリーマンも含めて他の男優陣も微妙。

96分という作品の短さだけがグッド。
「結末」はすぐにわかるのだからそこに至る「筋道」に工夫がないと。

誰にでも作品は撮れてしまうのねといった趣き。
ただしそれは「映画」ではない。

これだったら西谷浩「容疑者Xの献身」(’08)の方がずっとマシ。
もっとも「男子のダメさ」についてはあまり変わりはないか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「コガネムシの魅力と南相馬市の現在を知ることあるいは『懐かしい冒険小説』が原作の映画」について

2023-02-19 03:17:41 | Weblog
くもりときどき雨。仕事帰りにビニール傘を買う。

川井信矢・堀繁久・河原正和・稲垣政志編著
「日本産コガネムシ上科図説」を見て読む。

ムネアカセンチコガネの鮮やかなオレンジ色。
あるいはオオセンチコガネのメタリックな玉虫色を代表に。

よくもまあこんなにいろんなコガネムシがいること。
それと同時に「虫好き」はこんな細部まで見ていることを知る。

「自分に見えているもの」についてあらためて考えさせられた次第。
どう考えても「たかが知れている」。

マル激を観る。

今回のゲストは元南相馬市長で現市会議員の桜井勝延。
「故郷」はいまだに苦境にあり。

その現実を知っておきたいもの。
とりわけ牛を死なせるしかなかった人々が酪農をやめたことを。

各地の原発が活断層の上にある事実についても同様に。
「人間関係」や「祭り」が「わが町」を作り出すことも。

心ある若者たちはかの地へ飛べと言いたくなるところ。
「入れ替え可能な都会」にないものがそこにはあるから。

デヴィッド・S・ジャクソン「テロリスト・ゲーム」(’93)を観る。

「007」のピアース・ブロスナン、「スタートレック」のパトリック・スチュアートが共演。
「ドラキュラ」のクリストファー・リーが「ロシアの悪玉」で。

30年前だからみんな若く。
アリステア・マクリーン原作だが本作はいかにも展開が緩く。

ジョン・カーペンター「クリスティーン」(’83)が懐かしいアレクサンドラ・ポール。
ひと時代前だけに「女だてら」といった描写など。

ヨランダのロリー・マーロウとヘレン・ミヤ(だと思う)も魅力的。
とりわけ前者は「時代」を感じさせる風貌。

本作は「テレビ映画」だとのこと。
なるほど映像が微妙だったのはそういうことかと納得する。

ソ連の将軍が核兵器を使って「かつての緊張感」を取り戻そうとするお話。
「軍人」はよくこのように描かれるのを覚えておこう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする