退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「異様に読みにくい翻訳の古典と韓国の厳しい現実あるいは国際的スターの残念な映画」について

2024-03-31 03:22:46 | Weblog
晴れ。おだやか。

「公衆とその諸問題」読了。

原文を確認出来ないので詳細は不明だけれど。
日本語として異様に読みにくいのは何故。

漢字の熟語でがんじがらめになっている趣き。
出来れば新訳を望みたいところ。

およそ一世紀前の著作が現在に通じるところがあるので。
解説の宇野重規が単語のみの「修正」でなくやるべきではないか。

マル激を観る。

今回は「韓国の厳しい現実」について。
「経済指標」だけでは測れないものがあることを覚えておこう。

通貨危機の結果かの国にIMFが介入し。
「新自由主義」が取り入れられた結果よ。

大企業と中小企業の賃金の差は3倍だとのこと。
若者たちあるいは学歴のない親たちは大企業を目指し。

月に数十万はおろか百万も厭わない学費を賄えないとダメらしく。
それを可能にする条件を思えば「生まれ」が「格差」を固定することに。

さらには「年金制度」が作られるのが遅かったせいで。
高齢者の貧困率が異常に高い現実もあったりする。

ディン・シェン「ポリス・ストーリー レジェンド」(’13)を観る。

ジャッキー・チェンがプロデューサー兼主演なのだけれど。
本作の出来は酷いというしかなく。

お話がきちんと成立していないのだからいやはや。
彼の映画でお馴染みのラストのNGシーンはむしろ「哀しい」。

脚本をもっときちんとチェックしないと。
この「デタラメさ」をどうにかする人はいなかったのか。

本作当時ジャッキーはほぼ「還暦」。
ということは現在古稀で。

70年代あるいは80年代の作品を思えば。
この「衰えぶり」は何ともはや。
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「『現前性』が見失わせるものとわれわれの『近視眼』あるいは爽快な映画」について

2024-03-30 02:46:42 | Weblog
晴れ。汗ばむ陽気。

ジョン・デューイ「公衆とその諸問題」を途中まで読む。

「近代国家」というものの「儚さ」と同時に。
やはり「戦争のために出来たもの」だということを覚えておきたい。

「民主主義」も含めて「現前性=今ここにあること」が勝ってしまい。
それが出来た「前提」を問うことまでには至らず。

「慣性の法則」は物理学以上に我々を拘束する。
さらには「近視眼」の影響も少なくなく。

常にブラッシュアップがないと劣化するのはいずこも同じ。
いちおう明日読了予定。

アスガー・レス「崖っぷちの男」(’12)を観る。

F・ゲイリー・グレイ「交渉人」(’98)を思い出させる内容。
そこに「宝石奪取」を加えた工夫がなかなか。

「飛び降り」をエサにした無実の証明のための「時間稼ぎ」によるサスペンス。
いかにも「白人風」のドハーティ、エド・バーンズがいい感じ。

エド・ハリスの「悪役ぶり」はさすがの貫録。
こういう存在が「重し」になるからこそ主人公は「輝く」わけで。

いかにも頼りなさげな弟ジェイミー・ベルは「英国風味」で。
その恋人ジェネシス・ロドリゲスはちょいと「お色気」など。

客室係ウィリアム・サドラーの使い方も見事。
主人公の父親の処理も含めて。

こういう作品を観ると気分爽快になる。
本作はもっと評価されるべき。
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「『退行の時代を生きる』ことと『すれ違い』がいろんな『ずれ』によって描かれる映画」について

2024-03-29 03:11:38 | Weblog
くもりのち雨。夕方から降り始め風雨は結構激しく。。

ジグムント・バウマン「退行の時代を生きる」を読む。

副題に「人びとはなぜレトロトピアに魅せられるのか」。
将来不安が「レトロトピア=ありもしない過去」への憧憬をもたらすのだと。

ホッブス「リヴァイアサン」の「万人の万人に対する闘争」が再び。
「われわれと彼ら」という対立軸によって集団の統合を図ろうとし。

「格差」は「われわれと彼ら」のような「社会的分断」を生み出し。
「孤立無援」な個人は「子宮への回帰」を求めるのだと。

なるほど「フィルターバブル=子宮」か。
となればそもそもの原因である「将来不安」を消すしかなく。

「ベーシック・インカム」も採り上げられているものの。
その実行はなかなかに難しいようで。

ロシアは「昔の大ロシア」を「取り戻そう」とし。
イスラエルがパレスチナを「滅ぼそう」としている現在。

アメリカでの「トランプ人気」も「レトロトピア」で。
わが国では「説明にならない官僚答弁」を続ける首相がいて。

「退行の時代」のリアルが世界中に。
「絶望ゆえの希望」が各地でもっと生まれますように。

パク・チャヌク「別れる決心」(’22)を観る。

「被疑者と刑事の恋」の行方は如何にというお話。
「崩壊しました」が「愛してる」になるのを覚えておこう。

もっとも刑事はその後、妻との生活に戻り。
被疑者の愛がそこから始まる「すれ違い」がなかなか。

おそらくこれは現実には「よくあること」で。
本作では「中国語を韓国語に翻訳する」というのもポイントか。

「互いに憎み合ってもセックスはする」という夫婦の在り様も同様に。
「夫の心ここにあらず」を「最中」に知る妻の思いたるや。

「子ども」が一切出て来ない設定も忘れずに。
「スッポン」で笑いを狙うのはいささか「下世話」だけれど。

「あなたの未解決事件になりたい」という被疑者の台詞よ。
もちろんこれも「愛してる」に他ならず。

「覗き」や「殺人」は「恋の味付け」。
何とも「奇妙な愛情の姿」を確認したいもの。
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「『教科書』にふさわしい本と好ましい『B級映画』」について

2024-03-28 02:42:34 | Weblog
快晴。透き通った青空。

林要「温かいテクノロジー」を読む。

LOVOT」製作者が語るテクノロジー。
副題に「22世紀への知的冒険」。

中高生に是非とも読んでもらいたい内容。
文章がやさしく。

テクノロジーのみならず科学や哲学、生物の知見も織り交ぜつつ。
著者の教養が伺える次第。

例えば。

「植物=植えるもの」という名称は「plant」からなのか。
「動物」に対してむしろ「静物」と呼ぶのがふさわしいのかも。

それらは「自ら栄養を得る手段」を持ち。
「動物」のように移動する必要がないのだから。

本書には「さまざまな視点」があって素晴らしい。
まさに「教科書」にふさわしい内容。

ジングル・マー「レイダース 欧州攻略」(’18)を観る。

トニー・レオンの「洗練」が魅力(冒頭の髪型は変だけれど)。
「007シリーズ」に似た雰囲気で。

「Mが用意する最新兵器」に代わって「3人組」が登場(それらしい「兵器」も)。
「ボンドガール」にはティファニー・タン。

「神の右手と左手」など。
イタリアが舞台でちょいと「欧州にウインクしてみた」趣き。

ただし「非常に面白いか」と言われると微妙。
「よく出来たB級映画」だと思えばよさそう。

アクションも爆破もそこそこ楽しめる。
監督は「東京攻略」(’00)や「ソウル攻略」(’05)といった作品もある模様。

興味のある向きは確認すべし。
自分がそうするかどうかはいつものように気分次第。
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「なぜか響くものがなかった本と再見してふむふむと思った映画」について

2024-03-27 03:31:16 | Weblog
雨のちくもり。夜には晴れて風強く冷たし。

大澤真幸・平野啓一郎「理想の国へ 歴史の転換点をめぐって」を読む。

社会学者と作家の対話。
どういうわけか響くものがなく。

こちらのアンテナに問題があったのか。
あるいは内容に魅力がなかったのか。

読み返して全く異なる印象を受けることも少なからず。
今のところ詳細は不明。

知り合いの若い女子に言われて内容を思い出せなかったので。
パク・フンジョン「The Witch 魔女」(’18)を再見。

ジャユン、キム・ダミの「変貌ぶり」がやはり魅力的。
狭い廊下でのアクションがポイント。

後半との対照を浮かび上がらせるためだというのはわかるとして。
前半が「緩すぎる」ような。

ジャユンの親友ミョンヒ、コ・ミンシの「大はしゃぎぶり」がいかにも今時の女子。
「酪農女子」が「スター」にというのはかの国でよくある「出世パターン」。

久方ぶりにまた言うけれど。
やはり90分前後にするべきではなかったのかと思うことしきり。

一昨年続編が出たようだが何と137分で。
残念ながら「わかってない」のだということか。

もちろん作品を観ないと本当にそうのなのかはわからず。
ただしそれを確認するかどうかは気分次第。
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「漢詩の魅力を教えてくれるシリーズと韓国で実際に起きた事件を描いた映画」について

2024-03-26 02:50:09 | Weblog
雨。終日そぼ降り深夜に少しだけ激しく。

「中国名詩選(下)」読了。

薩都剌「過居膺關」高啓「青邱子」「尋胡隠君」「我愁從何来」
李攀竜「歳杪放歌」銭謙益「舟中」呉偉業「自信」袁枚「苔」趙翼「論詩」

黄景仁「雑感」魯迅「悼柔石」そして毛沢東「沁園春雪」まで。
漢詩の魅力をふんだんに味わうことが出来て満足。

その一方で。

「トム・ジョウンズ(4)」をようやく貸出予約する。
3週間も経ってしまったので「雰囲気」を思い出すには時間がかかるかも。

チョ・ヨンソン「空気殺人 TOXIC」(’22)を観る。

「巨大企業と被害者の戦い」を描いた内容。
「水俣病」の名前が登場するのも覚えておこう。

実際はこちらまで。
この種の事件が起きるのは「発展途上の時代」のはずだというのに。

ヨンジュ役イ・ソンビンの「先生」に当たる弁護士のいやらしさに加え。
「社会派」のはずの教授の醜さも。

「物語」としてもよく出来ていてグッド。
それにしても「金に転ぶ人」の多さよ。
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「売り方のズルさと内容との反比例ともったいない映画」について

2024-03-25 02:30:17 | Weblog
雨。また夕方には止む。

ジェーン・スー&中野信子「女らしさは誰のため?」を読む。

「生きにくい女子ふたり」の対談。
「女に生まれてモヤってる?」に多少の文章を付け加えたもの。

タイトルを変えた売り方がズルいのは残念だとして。
内容には異存がない。

「男子の必要のなさ」を大いに思いたいもの。
「精子提供」が技術でどうにかなれば。

恋愛も結婚もすでに「趣味」であること。
限られた時代の「当然」に縛られることはないことなど。

それぞれの「ロマンチック」はあって結構。
ただ自分のそれを他人に押し付けるのは避けたいところ。

この「当然」がどこまでも現実にならず。
プーチンやネタニヤフを代表に。

ジェイソン・ムーア「ピッチ・パーフェクト」(’12)を観る。

ラストの盛り上がりはわかるものの「お話の語り」があまりに下手で。
イライラしながら観ることに。

とりわけ主人公ベッカに付きまとう「父親の姿」に違和感があり。
「トレブルメイカーズ」のリーダーについても同様。

韓国人のルームメイトとの関係についても微妙。
オーブリーのアンナ・キャンプの「ゲロ」も何だか。

シンシアのエスター・ディーンが魅力的。
キミーのチョン・ジニの奇妙さも同様に。

悪くはない作品なのだけれど。
もう少し「上手」に描いて欲しかったところ。

クロエのブリタニー・スノウの顔に惹かれたり。
要は「もったいない出来」だということでよろしく。
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「まだまだ続く漢詩とガザで起きていることの意味あるいは日本軍が一度も出て来ない映画」について

2024-03-24 03:10:13 | Weblog
雨。夕方には止む。

「中国名詩選(下)」を読み進める。

温庭筠「菩薩蠻」梅孝臣「汝壝貧女」欧陽修「日本刀歌」王安石「江上」
蘇軾「六月二十七日望湖樓醉書」「春夜」黄庭堅「寄黄幾復」陳師道「別三子」

陳与義「蘘邑道中」陸游「示兒」范成大「後催租行」楊万里「感秋」。
明日はまた図書館に行くが本書は明後日に読了予定。

マル激を観る。

今回のゲストは岡真理
「ガザの現実」について過去の歴史を含めあらためて知る。

吉見俊哉のアメリカとイスラエルは「植民」において似ているという指摘が鋭い。
前者はネイティブアメリカンをさんざんに殺し後者はパレスチナ人をと。

「版図を増やす帝国主義」はいまだに続いている模様。
「『民主主義』というイデオロギー」がもたらす圧倒的な暴力たるや。

「ユダヤ人差別」は「ホロコースト」を産んだものの。
それがこんなかたちで甦る「歴史」を知っておこう。

「ホロコースト」によって生じたユダヤ難民をパレスチナに一方的に背負わせ。
それをした国際連合のデタラメさも覚えておきたいもの。

「武力による現状変更」はウクライナのみでなく。
ガザでは過去から絶えず行われていて。

わが国ではこの種の現実は一向に伝えられず。
大谷がニュースのトップになるのはかの地を無視することでむしろ「加害者」であると。

「いじめの構造」を思い出したいもの。
「入植植民地主義」の根深さについても同様に。

ジョン・フォード「コレヒドール戦記」(’45)を観る。

原題は「彼らは消耗品だった」。
ロバート・モンゴメリーにジョン・ウェイン、ドナ・リード。

かの監督の作品には必ず歌が。
今回は馬に代わって魚雷艇が走る。

本作における「日本軍」は「強敵」で。
マッカーサーが登場するのだけれど。

死にかけている乗組員をみんなで励ますシーンがなかなか。
互いに「演技」をしているのはわかっていて。

看護士のドナ・リードがジョン・ウェインのズボンを脱がすのにニヤニヤ。
なるほどこれならヘタな「色気」はなくっていい。
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「中国の好ましい詩と好ましくない映画」について

2024-03-23 02:23:28 | Weblog
晴れ。寒さはやや緩む。

「中国名詩選(下)」を途中まで読む。

韓愈「落齒」劉禹錫「堤上行」柳宗元「江雪」白居易「長恨歌」「賣炭翁」「重題」
元稹「聞樂天授江州司馬」李賀「李憑箜篌引」杜牧「九日齊山登高」

于武陵「勸酒」温庭筠「商山早行」李商隠「常娥」曹松「己亥歳」など。
この後にどんな詩人たちが登場するのか楽しみ。

明日読了できるかどうかはわからない。
何しろ518ページもあるから。

羅楽「モンスター・ハンターズ 呪いの魔剣vs空飛ぶ妖蟲」(’22)を観る。

よくもまあこんなにつまらない作品を作れるもの。
むしろそのことに感心する。

どうしてこういうことになってしまうのかが知りたいもの。
「エイリアン」が「蛆虫」になってしまうところも含めて。

もう少し「貪欲な盗み」があればと思うことしきり。
監督を含めてスタッフたちは「好ましい映画」を観ていないのだろうか。

「落下のシーン」の技術の無さも含めて。
「映画が作れてしまう環境」があるということだと思っておく。
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「『高じてしまうこと』と『怪物の正体』を描いた映画」について

2024-03-22 03:36:30 | Weblog
晴れ。夜風が冷たい。

中村圭一「たくましくて美しい糞虫図鑑」を見て読む。

「虫好き」が高じて「ならまち糞虫館」まで作ってしまう人よ。
かたちも色もさまざまな存在を知り。

「どうしてこんな生きものが生まれたのか」と思いつつ。
途方もない時間の経過の中での「生命の環境への対応の結果」を味わう。

「魅入られる」とはこういうことかとあらためて。
ただし「飼う」のは大変そう。

是枝裕和「怪物」(’23)を観る。

監督は子役の扱いがうまく。
黒川想矢と柊木陽太が魅力的。

「いじめ」に遭う後者を前者は「狂うこと」で助ける。
それは「愛情」で。

シングルマザーの安藤サクラは前半で大いに活躍するものの後半には消え。
彼女が息子に願う「普通」が彼を追い詰めて。

「『鏡文字=悪魔』の作文」が示すものも味わい深く。
こんな「ラブレター」は素敵で担任の永山瑛太は「君は間違ってない」と叫ぶ。

「嘘をついた者同士」の湊と校長はトロンボーンとチューバを一緒に「吹く」。
「『普通』には生きられない者」の束の間の「交歓」。

校長の田中裕子がスーパーではしゃぐ子どもに足を引っかけて倒すのも覚えておこう。
彼女は孫を車で轢き夫はその身代わりに。

「捨てられた鉄道車両」は「秘密基地」で。
どこにも「発車」しないままふたりを「明るい草原」へ連れて行く。

「怪物」とは何か。
「現実」を歪めてしまう「仕組み」だと思ってよさそう。

「メディア批判」という側面も忘れずに。
「ニセの『現実』」が日々作られ続けていることを。
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