退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「科学技術の発達のスピードと倫理観の発達の差」について

2018-06-29 01:20:26 | Weblog
『くもりのち晴れ。蒸し暑い。

山中伸弥監修・上廣倫理研究部門編「科学知と人文知の接点」を読む。

副題に「IPS細胞の倫理的課題を考える」。
先日マル激でも採り上げられた「CRISPR/CAS9」も登場して。

ただし残念ながら医学からのアプローチはあまりに専門的すぎ
人文学からのそれはあまりに総花的。

素人にはもっと「具体的なシチュエーション」を示してくれないとどうにも。
今後の展開に期待したいところ。

たとえば。

「能力を高めるゲノム編集」が実現したとして「整形」ぐらいに「当然のこと」になったら。
むしろ「それをしないこと」が「おかしなこと」になったり。

われわれの「劣化」を思えばそうした「新たな倫理感」は
あっという間に出来上がりそうでもある。

あるいは。

「ナチスの優生学」が問答無用に「ダメ」だとされる一方
「出生前診断」のみならずそれ以前の段階で「治療」が出来てしまうことも。

「障害」を取り除くことのみが優先され
それを受け入れて生きることの意味が軽んじられたり。

「ダウン症を抱えて生きること」が「ダウン症を避けること」で「否定」されもして。
実に「複雑な問題」であることは確かなよう。

「臓器移植」のために「内臓を持たないブタ」はすでに作られ。
ブタの体内で移植可能な内臓が出来る未来もすぐそこに。

そこで思いがけなく違う臓器(特に脳)が「ヒト化」したらどうするのかも。
「アニメの世界」がほぼ現実になるわけで。

科学の「進歩」のスピードはわれわれの「従来の倫理」をとっくに追い越している。
その「齟齬」をうまく「着地」させることができるのかどうか。

あらためて「人間であること」が問われることに。
実は「何が人間であることを担保するのか」はわかっていないのでご用心。

さて。

明日は「ブリューゲル展」を観に行く予定。
余った券を仕事場であげようと思ったものの絵に興味のある同僚はおらず残念。』でまた寝る。
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