退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「久方ぶりの漢詩とショットのある緊張感が好ましい映画」について

2024-06-13 02:43:47 | Weblog
晴れ。今日も真夏日。

小川環樹・都留春雄・入谷仙介選訳「王維詩集」を読む。

李白と同様に阿倍仲麻呂への詩があるのを初めて知る。
「晁衡もしくは晁監」というのがかの地での彼の名前。

孟浩然、班婕好についても同様に。
「送元二使安西」は久方ぶりだが爽快。

「〇〇を送る」というタイトルが多く。
「やがて自分もそちらに行く」の意もあるのだと敢えて解釈しておく。

此岸も彼岸も大差なく。
それは時間についても同じく。

何よりおよそ1300年前の詩が現在に届くこと。
このスピードは言うまでもなく「光速以上」であることを忘れずに。

イ・ヘヨン「毒戦 BELIEVER」(’18)を観る。

冒頭の「道が向こう側に続くショット」がなかなか。
澄んだ空気と美しさを兼ね備えている趣き。

ラストも実にいい感じ。
ゆっくりと引いていくキャメラの魅力よ。

「イ先生」が誰なのかは簡単にわかるがそんなことはどうでもよろしい。
物語は緊張感を維持出来ているから。

聾唖のふたりを登場させたのも上手く。
何より彼らが「悪玉」だというのが見事。

ハリムのキム・ジョヒョクの狂気ぶりもなかなか。
もっとも彼はこの撮影後に彼岸へ。

続編もあるようなので是非とも観なければ。
本作はもっと多くの人に観られるべき作品。
コメント
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