退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「『現実のややこしさ』あれこれ」について

2018-08-22 01:59:32 | Weblog
くもり。台風の影響か風が吹く。

大栗博司「大栗先生の超弦理論入門」を読む。

久方ぶりの「ブルーバックス」。
タイトルが「創刊五十周年」で初めて「縦書き」になっている模様。

ちょいとご無沙汰している間に
「世界の基礎」はこんなことになっていたのかと思った次第。

本作は5年前の作品なので今はまた「違った世界」になっているのだろう。

われわれが「認識」しているつもりの「時空」は
「『感覚が鈍い』ゆえの幻想」なのだというのが刺激的。

「統一理論」を求めての科学者たちの格闘ぶりを
ややこしいことは抜きにして説明してくれているのがありがたい。

巻末に載っているオイラーの公式にもふむふむ。
「1+2+3+4+5+6+7+8+・・・=マイナス12分の1」という結果に驚こう。

中学レベルの数学で理解できるのでご安心を。
厳密には正確性に欠けるらしいのだけれどそれは横に置いて。

かくも「複雑な世界」よ。
「われわれというフィルター」はあまりに偏っていることをあらためて。

深夜NHKでドラマ「透明なゆりかご」をまた観る。

男に騙され妊娠した14歳の「産みたい」という必死の訴えに
母親は「今度はあなたがママになるのよ」と言ってそれを許す。

ところがその母親が突然死んでしまい。
赤ん坊を抱え苦悩する中「助けてママ」と泣く少女は彼女の言葉を思い出して。

やがて彼女は商社に勤めるシングルマザーとして産科を訪れる。
そこにあれこれ絡まってというお話。

実はいいなと思ったのはそこではなく。

かつて開業する若い医師の誘いに乗ったベテラン婦長が
すべてが終わった後で「産むなら先生のところでしたかった」と言うところ。

「もちろん当時すでに(産むには)手遅れだった」と続き。

「先生のやり方には今でも賛成できないところはあるけれど
わたしの決断は間違ってなかった」と。

いいねえ、この関係性。
こういう人がそばにいてくれたらありがたいなあ。

さて。

大瀧詠一「Tシャツに口紅」の後半の歌詞をふと思い出す。

これ以上 君を不幸に オレ出来ないよとポツリとつぶやけば
不幸の意味を 知っているのなんて ふと 顔を上げて詰るように言ったね

音がよくないのが残念。
ただ歌詞は確認できるのでよろしく。

「フィクションの中のしあわせ」で生きられる「現実」もあるのだから
繰り返すがやはり「現実」はややこしい。
コメント
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