山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

テレビ番組の偏った報道

2017-05-24 22:58:47 | 日記2017
今朝、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」を見ていたら、杉並区が南伊豆に特別養護老人ホームを建設しているが、あまりにも遠すぎて不便だという内容の放送をしていた。

それによると、東京から車に乗って東名高速で三島辺りまで行き、そこから先は人里離れた山の中の道で、1時間も車に乗ってやっと着くのだそうだ。(全部で約4時間。)
そのホームに入所したら、そこから病院まで行くにも何十分も時間がかかり、緊急で重症の場合は伊豆長岡の順天堂大学付属病院まで行くが、それには1時間以上もかかるのだとか言っていた。
そして、杉並区の人々に、これについてどう思うかとインタビューしているが、そんな遠くには行きたくないとか年寄りを山奥に捨てるつもりか、等の感想があり、また、あるお年寄りは、子供に迷惑をかけたくないのでそこに行くつもりだ、という人もいた。

アンケート結果によれば、割合は少ないものの定員を上回るくらいの数、伊豆のホームに入るのを希望する人もいるようだったが、このホームに関しては、全体的に否定的な内容の放送だった。

しかし、これってちょっと極端ではないかな?と私は疑問に思った。
まず、東京から南伊豆まで車で行くという方法だが、中伊豆の道路を走るという方法しか取り上げていない。これでは、本人が行くのも大変だし、家族なんかいけませんよね、というニュアンス。

実際には南伊豆は、下田に近い。なんで、東伊豆経路を紹介しないのか。JRと伊豆急の特急「踊り子」などが東京から下田まで直通で走っていることに触れないのか。ドライブだって、渋滞するとはいえ、海に近い国道135号線を使って下田まで行けば、「人里離れた寂しい山道を・・・」なんていうイメージではないはずである。
家族は、観光を兼ねて、おじいちゃん、おばあちゃんに会いに行けますなんて前向きなPRの仕方もあるはずだ。

静岡県東部の場合、緊急かつ重症の病人は、ドクターヘリで短時間のうちに順天堂大学病院に運んでいる。
それで助かった人も多い。南伊豆でもドクターヘリを利用することはできるはずだ。
そのことにも何も触れておらず、病気になったらおしまいだというような印象を受けさせていた。

こういう報道のしかたってかなりネガティブだと思う。
それに、杉並区は、南伊豆だけではなく、区内にだって老人ホームを作っているのであって、入居希望者はそれぞれに選択することができるのだ。南伊豆に行きたい人もいれば、区内に居たい人もいる。

こういうテレビの番組は、以前もどこの局だったか覚えていないが、墓を処分するという番組をやっていて、そこに出ていた人は、「毎月墓参りにいくと遠くて花を買うもの大変で交通費もかかり疲れ果ててやっていけない」なんていうのを取材していた。
そのため、地方の墓を処分したり、都会に墓を移転したりするそうである。
そもそも、なんで苦労して毎月墓参りに行かないといけないのかわからない。行かなくたっていいじゃないか。
年に12回のお墓参りの交通費と花代を計算して、莫大な費用が…なんて極端な話である。

うちも墓の処分について世間で話題になっているので考えたけど、処分するのにも百万円くらいかかるらしいので、それだったら毎年管理費を払って、数年に一度法事をするほうが安いのではないかと思ったのだ。しかも、親の墓を処分してしまうと、自分の入るお墓もないから、相当遠くない限り、今持っている先祖の墓を最低限の労力で維持したほうがよさそうである。

ビルの中の立体駐車場みたいな墓だか納骨堂に改葬されるご先祖様の遺骨も気の毒である。そのまま田舎の地面の下に眠っていたほうがいいんじゃないかな。

とにかく、テレビの番組は、視聴者の気持ちをどちらかに方向づけようとするようなもので、わざと極端な例をあげたり、不便な方法を紹介したりなど、偏っているなと感じた。

知っていることについては、このように判断することができるが、知らないことに関しては、テレビの情報をうのみにしてしまいかねない。
テレビの伝えていることは、一例であって、一般的事実とはかなり違っていることも多いので、そのつもりで判断した方が良いと思う。