股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

青い鳥

2009年10月05日 22時50分42秒 | 映画評論ア行
製作年 : 2008年
製作国 : 日本
2008年11月29日公開
監督 : 中西健二
出演 : 阿部寛,本郷奏多,伊藤歩,太賀,鈴木達也
official site

いじめで自殺未遂事件が起こった東ヶ丘中学2年1組。自殺を図った野口の転校後、クラスに臨時の担任として村内が赴任してきた。極度の吃音の村内に生徒たちは苦笑するが、生徒たちに彼は「忘れるなんて、ひきょうだな」と言い放つ。そして片付けられた野口の机をクラスに戻させ、毎朝無人の机に挨拶し続けた。そんな村内に生徒たちが反発する中、事件で深く悩む生徒・園部はその姿を複雑な想いで見つめていた。
吃音の教師・村内と彼が赴任した中学校の生徒の間で繰り広げられる交流を通じて、現代のいじめ問題を真摯に見つめた、重松清の連作短篇集「青い鳥」。この中から表題作を映画化したのが本作だ。村内によって浮き彫りにされていく、いじめの直接の被害者でも加害者でもない、いじめの周囲にいた生徒たちの心情。それを飾らずに、真っ直ぐに映し出していく。村内を演じた阿部寛は自然体の演技と確かな存在感で、原作とはひと味違う村内像を披露。園部役の本郷奏多は繊細な演技で14歳の少年のナイーブさを表現した。どこかデフォルメされた教育ドラマや教師ドラマとは異なる、少年・少女たちのリアルな心の動きが観る者の胸に響く作品だ。

“イジメ”を題材にした本作。イジメをテーマにして映画って幾つかあるけど、この作品はなかなかの出来だったかなと思いますクラス全員の1人の少年へのイジメによって、その少年は自殺未遂を起こしてしまう。少年をいじめた生徒、あとに続いた生徒、見て見ぬふりをした生徒…。顔では「やめてくださいよ~」と、おどけてた野口君も、本当はすごく傷付いていた。その野口君の痛みに気付かなかった生徒。学校はイジメの事実を消そうと、生徒達の反省文を良いように書き直させる。
これが今の日本のイジメ問題の実態なのだろうか…。周りの生徒たちや学校がグルになってるようにしか思えません。
そんな時、教育委員会からやって来たのが杉内先生。発音障害がある杉内先生ですが、生徒たちに真正面からぶつかって行きます。

「相手が本気で話してる時は、本気で聞きなさい」

確かにその通りだ。そして1人の生徒が生徒指導の教師に向かって言った一言

「他人を嫌いになるのはいじめですか?それとも個人の自由ですか?」

誰だって人に対して好き嫌いがあるのは当たり前のこと。ならそれはイジメになるのか。教師は「イジメだ!」と一言で片付けようとする。その時の杉内先生の1つ1つの言葉がジワっと染みました。
後半、生徒たちに再び反省文を書かせる杉内先生。“他人を思いやる人”“他人の痛みが分かる人”そんな人になって欲しいからこその杉内先生の最後の行動だったのかなと思います。
欲を言っちゃえば、もう少し多くの生徒との交流をして欲しかった。なんだか一部の生徒だけと分かり合ってた感じもしたし…。でも小学校の道徳の時間にぜひ見せて欲しい映画でした!!

この作品の評価・・・・74点
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3時10分、決断のとき

2009年10月01日 02時25分49秒 | 映画評論サ行
製作年 : 2007年
製作国 : アメリカ
2009年8月8日公開
監督 : ジェームズ・マンゴールド
出演 : ラッセル・クロウ,クリスチャン・ベイル,ピーター・フォンダ
official site

妻と二人の息子と暮らす牧場主ダンは、地主から借りた金を返せずに土地からの立ち退きを迫られていた。ある日、ダンは強盗団のウェイド一味が駅馬車を襲う現場を目撃する。町へ出たダンは、ウェイドが逮捕される現場に偶然立ち会った事から、彼を護送する仕事を志願する。刑務所のあるユマ行きの列車が出るのは、午後3時10分。しかしそれまで、ウェイドの仲間たちの追撃をかわさなければならない。男の意地をかけた旅が始まった。
アメリカでは2007年に公開され、初登場1位、アカデミー賞にも2部門ノミネートされた話題作。2大スターが共演、監督も一流だが、なぜか日本では公開が延びていたウエスタンだ。冷酷な悪党だが人間的な魅力もある強盗団のボスにラッセル・クロウ、金のためだけでなく自分の誇りを取り戻すために護送を続ける牧場主にクリスチャン・ベイルが扮している。ひとりの男が自分の誇りのために、孤立しても仕事をやり抜くというのは、監督であるジェームズ・マンゴールドの初期作『コップランド』を想起させる。ふてぶてしい悪役のクロウはとても魅力的。本作はリメイクで、オリジナルはグレン・フォード主演の1957年作品。

父親に薦められたので観てみました。バットマンやジョン・コナーなど様々なヒーロー演じてきたクリスチャン・ベイルと、名優ラッセル・クロウ。
借金苦で地主から厳しい取り立てを受け続けるダン(クリスチャン・ベイル)一家。無骨な生き方しかできず、ダンと家族の溝は深まっていた。ダンは逃げた牛を探しつつ地主と交渉するため町へ赴くが、その道すがらダンは駅馬車が襲撃される場に遭遇する。
一方、悪名高きベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)一味は襲撃の後、町へと向かうが、そこの酒場で油断していたベンは逮捕され、3日後の3時10分発の汽車でユマの刑務所へ連行されることに。偶然その場に居合わしたダンは、護衛費欲しさにその駅のある町までウェイドを護送するという危険な仕事を申し出た。
タイトルの“3時10分”とは汽車が出発する時間というわけです。牧場主と悪人、出会うはずのない2人が出会ったとき、身分を越えた男同士の厚い絆が生まれていきます。男として、夫として、父親として、そして友として、ダンの行動がカッコよすぎます!ベンも、ダンに対して少しずつ心を開いていってラストシーンでは2人は親友になれたと思います。やっぱりラッセル・クロウは素晴らしい演技力です!
よくある西部劇ってわけじゃなく、主人公2人それぞれが悩みや決意っていうのを持っていて考えさせられる映画でもあります。久しぶりに重厚な作品を観れました♪

この作品の評価・・・・81点
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする