製作年 : 2008年
製作国 : 日本
2008年11月29日公開
監督 : 中西健二
出演 : 阿部寛,本郷奏多,伊藤歩,太賀,鈴木達也
official site
いじめで自殺未遂事件が起こった東ヶ丘中学2年1組。自殺を図った野口の転校後、クラスに臨時の担任として村内が赴任してきた。極度の吃音の村内に生徒たちは苦笑するが、生徒たちに彼は「忘れるなんて、ひきょうだな」と言い放つ。そして片付けられた野口の机をクラスに戻させ、毎朝無人の机に挨拶し続けた。そんな村内に生徒たちが反発する中、事件で深く悩む生徒・園部はその姿を複雑な想いで見つめていた。
吃音の教師・村内と彼が赴任した中学校の生徒の間で繰り広げられる交流を通じて、現代のいじめ問題を真摯に見つめた、重松清の連作短篇集「青い鳥」。この中から表題作を映画化したのが本作だ。村内によって浮き彫りにされていく、いじめの直接の被害者でも加害者でもない、いじめの周囲にいた生徒たちの心情。それを飾らずに、真っ直ぐに映し出していく。村内を演じた阿部寛は自然体の演技と確かな存在感で、原作とはひと味違う村内像を披露。園部役の本郷奏多は繊細な演技で14歳の少年のナイーブさを表現した。どこかデフォルメされた教育ドラマや教師ドラマとは異なる、少年・少女たちのリアルな心の動きが観る者の胸に響く作品だ。
“イジメ”を題材にした本作。イジメをテーマにして映画って幾つかあるけど、この作品はなかなかの出来だったかなと思いますクラス全員の1人の少年へのイジメによって、その少年は自殺未遂を起こしてしまう。少年をいじめた生徒、あとに続いた生徒、見て見ぬふりをした生徒…。顔では「やめてくださいよ~」と、おどけてた野口君も、本当はすごく傷付いていた。その野口君の痛みに気付かなかった生徒。学校はイジメの事実を消そうと、生徒達の反省文を良いように書き直させる。
これが今の日本のイジメ問題の実態なのだろうか…。周りの生徒たちや学校がグルになってるようにしか思えません。
そんな時、教育委員会からやって来たのが杉内先生。発音障害がある杉内先生ですが、生徒たちに真正面からぶつかって行きます。
「相手が本気で話してる時は、本気で聞きなさい」
確かにその通りだ。そして1人の生徒が生徒指導の教師に向かって言った一言
「他人を嫌いになるのはいじめですか?それとも個人の自由ですか?」
誰だって人に対して好き嫌いがあるのは当たり前のこと。ならそれはイジメになるのか。教師は「イジメだ!」と一言で片付けようとする。その時の杉内先生の1つ1つの言葉がジワっと染みました。
後半、生徒たちに再び反省文を書かせる杉内先生。“他人を思いやる人”“他人の痛みが分かる人”そんな人になって欲しいからこその杉内先生の最後の行動だったのかなと思います。
欲を言っちゃえば、もう少し多くの生徒との交流をして欲しかった。なんだか一部の生徒だけと分かり合ってた感じもしたし…。でも小学校の道徳の時間にぜひ見せて欲しい映画でした!!
この作品の評価・・・・74点
製作国 : 日本
2008年11月29日公開
監督 : 中西健二
出演 : 阿部寛,本郷奏多,伊藤歩,太賀,鈴木達也
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いじめで自殺未遂事件が起こった東ヶ丘中学2年1組。自殺を図った野口の転校後、クラスに臨時の担任として村内が赴任してきた。極度の吃音の村内に生徒たちは苦笑するが、生徒たちに彼は「忘れるなんて、ひきょうだな」と言い放つ。そして片付けられた野口の机をクラスに戻させ、毎朝無人の机に挨拶し続けた。そんな村内に生徒たちが反発する中、事件で深く悩む生徒・園部はその姿を複雑な想いで見つめていた。
吃音の教師・村内と彼が赴任した中学校の生徒の間で繰り広げられる交流を通じて、現代のいじめ問題を真摯に見つめた、重松清の連作短篇集「青い鳥」。この中から表題作を映画化したのが本作だ。村内によって浮き彫りにされていく、いじめの直接の被害者でも加害者でもない、いじめの周囲にいた生徒たちの心情。それを飾らずに、真っ直ぐに映し出していく。村内を演じた阿部寛は自然体の演技と確かな存在感で、原作とはひと味違う村内像を披露。園部役の本郷奏多は繊細な演技で14歳の少年のナイーブさを表現した。どこかデフォルメされた教育ドラマや教師ドラマとは異なる、少年・少女たちのリアルな心の動きが観る者の胸に響く作品だ。
“イジメ”を題材にした本作。イジメをテーマにして映画って幾つかあるけど、この作品はなかなかの出来だったかなと思いますクラス全員の1人の少年へのイジメによって、その少年は自殺未遂を起こしてしまう。少年をいじめた生徒、あとに続いた生徒、見て見ぬふりをした生徒…。顔では「やめてくださいよ~」と、おどけてた野口君も、本当はすごく傷付いていた。その野口君の痛みに気付かなかった生徒。学校はイジメの事実を消そうと、生徒達の反省文を良いように書き直させる。
これが今の日本のイジメ問題の実態なのだろうか…。周りの生徒たちや学校がグルになってるようにしか思えません。
そんな時、教育委員会からやって来たのが杉内先生。発音障害がある杉内先生ですが、生徒たちに真正面からぶつかって行きます。
「相手が本気で話してる時は、本気で聞きなさい」
確かにその通りだ。そして1人の生徒が生徒指導の教師に向かって言った一言
「他人を嫌いになるのはいじめですか?それとも個人の自由ですか?」
誰だって人に対して好き嫌いがあるのは当たり前のこと。ならそれはイジメになるのか。教師は「イジメだ!」と一言で片付けようとする。その時の杉内先生の1つ1つの言葉がジワっと染みました。
後半、生徒たちに再び反省文を書かせる杉内先生。“他人を思いやる人”“他人の痛みが分かる人”そんな人になって欲しいからこその杉内先生の最後の行動だったのかなと思います。
欲を言っちゃえば、もう少し多くの生徒との交流をして欲しかった。なんだか一部の生徒だけと分かり合ってた感じもしたし…。でも小学校の道徳の時間にぜひ見せて欲しい映画でした!!
この作品の評価・・・・74点