股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

希望の国

2013年03月24日 01時47分37秒 | 映画評論カ行
製作年:2012年
製作国:日本,イギリス,台湾
2012年10月20日公開
監督:園子温
出演:夏八木勲,大谷直子,村上淳,神楽坂恵,清水優,梶原ひかり,でんでん
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泰彦と妻は酪農を営みながら、息子夫婦と一緒に慎ましくも満たされた暮らしをしていた。そんなある日、大地震が村を襲う。泰彦の家は避難区域に指定されたが、長く住んだ家を離れることができない。葛藤の日々を送る中、息子の妻いずみの妊娠が発覚。二人は子どもを守るためにあることを決意する。
『愛のむきだし』『ヒミズ』など衝撃的な作品を次々と世に送り出す園子温監督が、大地震の被害を受けた家族の姿を描くヒューマン・ドラマ。震災の影響で散り散りになりながらも、6人の男女が貫いたそれぞれの愛をつづる。老夫婦をベテランの夏八木勲と大谷直子が演じるほか、『ヒミズ』の村上淳、『冷たい熱帯魚』のでんでんや神楽坂恵などこれまでの園監督の作品でも印象的な演技を披露した俳優陣が出演する。今までの作品で園監督が描いてきたテーマとは異なる、悲しくも美しい愛の物語に期待が高まる。

物語の舞台は架空の長島県。東日本大震災後に起きた大地震によって原発事故が起き、放射能が拡散したことによって引き起こされる3組の家族を描いた本作。架空とは言うものの、福島県の原発事故をモデルにしている。園子温監督からの社会的なメッセージともとれる内容で、色々と考えさせられました。こういう時代に、よくぞこのような作品を世に出してくれた!どの役者さんたちも素晴らしい演技だったし、原発反対のメッセージがあります。

原発の半径20キロの内と外の違い。家の庭に打ち込まれた杭によって家族はバラバラになってしまう。ここは安全だが、一歩先は危険なんて誰も納得出来るはずがない。きっと福島の原発事故の時も同じような事が多くの場所で起きていただろう。希望の国なんてどこにも無いのかもしれない。この映画で描かれているのは希望のよりも絶望だった。けれど人は明日を目指して生きていかなければならない。自分の人生は自分で決める。誰に何と言われようとも…。自分の家にいることが悪いことなのか?生まれてくる子供や、愛する家族を守りたいと思うことが変なことなのか?原発や放射能の恐怖と、絶望の中での家族の愛がストレートに伝わってくる作品でした。

この作品の評価・・・・77点
コメント
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