日々徒然に

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夫婦50割で「悪人」みてきました…

2010年09月23日 | Weblog
 「暑さ寒さも彼岸まで」というように、最近は涼しくなりました。いったい、あの灼熱の夏はなんだったろうと思うほどです。
 夕方に散歩に出れば、秋の虫が静かにないているし、赤とんぼも多摩川のどてにいっぱい飛んでいました。これも少しずついなくなって寒くなっていくんだろうなあ…と思います。
 夏は大すきな季節ですが今年だけは考えてしまいます。電気代もきっと高いだろうと思うと気が重い涼しさですナ…。
 それにしても今年の夏は暑すぎた…。頭の中もボロボロになるような暑さでした。やっと涼しさが戻ってきたので、ブログを更新はじめえることにします。

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┃今┃週┃の┃気┃に┃な┃る┃ス┃ク┃ラ┃ッ┃プ┃ブック┃
 おやすみ

┃番┃外┃編┃●┃映┃画┃◆┃映┃画┃◆┃



「悪人」監督・李相日・原作・吉田修一
あらすじ●

 長崎郊外のさびれた漁港町に住む祐一。祐一は、母に捨てられ祖母の房枝、勝治夫妻に育てられた。毎日、土木工事に従事しつつ、あてどのない退屈な毎日を送っていた。唯一、出会い系サイトで知り合った佳乃のと付き合おうようになる。しかし、佳乃は本命に増尾(大きな旅館を経営する家の息子)との交際に夢をもっているようだった。

ある夜、祐一と待ち合わせていた場所に増尾の自動車が通る。佳乃は祐一との約束を反故にして増尾とドライブにいってしまう。しかし、増尾は佳乃と付き合う気持ちなどなく、時間つぶしにあしらっていた。増尾の本心は佳乃のしつこさに辟易していた。

 その夜、とうとう増尾は佳乃に自分の気持ちを言う。さらに、餃子の匂いが拍車をかけてますます、佳乃を嫌う…。暴力的に自動車から下ろされた佳乃。そのあとを追いかけてきた祐一がそんな佳乃を気遣って車に乗るようさそう…。しかし、佳乃はそんな祐一の女々しい態度をなじり、とうとう祐一は侮辱された佳乃を絞殺してしまう…。

 この殺人事件を背景に被害者の佳乃の家族、加害者の祐一の家族を巻き込んでの逃亡生活がえがかれる。祐一が犯人だということがわかり刑事が追う。しかし、犯人の祐一の祖母も詐欺にかかる。さらに、被害者の佳乃の父親は娘を殺されときいて、増尾に謝罪してもらうために追いかける。

 一方、家にか刑事がきた事を祖母に言われて祐一は、出会い系サイトで知り合った光代と逃走する。しかし、光代の愛情が深くなればなるほど殺人をしてしまったことを後悔する。二人の思い出の燈台で逃走生活をしていたが、最後は刑事に発覚して逮捕される…。
 しかし、殺人者である祐一は「悪人」のレッテルはられてしまうが、最後までおわれていくなか本当に「悪人」であったのだろうかという気持ちを持たせる映画である。
 光代との逃亡生活のなかでの殺人を犯してしまった後悔…。人としての生き方を光代に諭されていく毎日だった。

感想●
 「悪人」という映画…観終っての感想は、ここに出演したすべての俳優におおきな拍手が送りたかった。わたしはとくに、清水祐一の祖母を演じた樹木希林がよかった。祐一が母に捨てられと、祖母が淡々育ててきた自負があった。さらに、警察から電話があって祐一になにかあったのか電話するシーンは、祖母の難しさを見事に演じていた。そして、犯人祐一だけが悪人と呼ばれてしまう疑問が残った映画だと思った。

 さらに、被害者佳乃の父親役であった柄本明の台詞がよかった。増尾に謝罪をせまった喫茶店でいう台詞。「…今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎる…。自分に失うものがないと思い込んで、それで強くなった気になっとう…だけんやろ、失ったり、欲しがったりする人間を、馬鹿にした白い目で眺めとう………そうじゃないとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」

 この言葉「悪人」が誕生する瞬間をみごとに言い当てた台詞だったように思う。「自暴自棄」になる瞬間である…。自分を否定し、他人も否定し信じられなくなった瞬間人は暴力で訴えているように思う。

 最近、ニュースなどで多くの殺人事件に耳にする。しかし、その背景はない。まして、犯人の気持ちなど書いていない。
 この映画をみて思うのは殺人を犯した「悪人」と呼ばれる背景には多くの人間らしさや動物的な暴力性が棲んでいるのだということだろうと思う。
 なんと言おうと被害者にとってはやはり加害者は「悪人」だ。きっと私も同じようになるだろうし、他人を傷つけない自信はない。
 今はそれを止める、妻や友人の笑顔があるからだろうと思う。それが救ってくれるものだのだろうと思う。あたりまえの日常…悲喜こもごもの生活が加害者になれない私をつくっているだけなのかもしれない。
 そんな思いをもった映画だった。

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┃今┃週┃の┃現┃場┃で┃考えた┃こ┃と┃
 おやすみ

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 たまたま、読んでくださった方、ありがとうございました。



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