こんにちは。
寒さももう少しで温かくなってくる様子です。多摩川の散歩道でも少しずつ花が色をつけ始まていました。渡り鳥たちも動き始めている様子です。
空ではヒバリが鳴いたり、この時期カラスが巣作りのためか凶暴に見えます。
散歩の途中、多摩川の新しい橋をけるべく工事をしていました。できた橋はとくみるが、つくっているところを見ることはめったにない(※上の写真)。
橋は人とモノをつなぐ。工事は老朽化のための工事だろうか、すぐ隣には古い橋も併用している。いつごろ完成なのだろうか。
さて、今週は月の一度の本の紹介の週です。
ふり返れば、なんの目的もなく、手当り次第に目の前の本を読んでいたように思えます。本来なら、何か目的があってその目的の一つの道具として本を読んでいろんな知識を得て深くものごとを掘り下げていけたらと思う日々ですが、正直どれも「付きやけ刃」的な読書が多いことに反省します。それでも、一冊の本から、次の一冊へという連携していることは無意識のうちにあるのだろう思えます。
今回の『動物農場』という作品は、一強多弱の今の政治を表現しているような作品に読めます。誰もがよいと考えて行動し、実行した結果がある日、集団のなかで忖度しつついるうちに代表が思わなくところへ大衆を動かしていく様子があります。という状況は、現在の安倍政権の高い支持率のなかで政治が動いていっている中で「高い支持率とは違う方向に進んでいいて、気がつけばものも言えないほど重大なことになっていませんか」という警告を発しているような小説でした。
その流れの中で、『日本会議』という新書が登場しています。
けっきょく権力者は、自分の気持ちと同様な人を囲い込みいいように使い、さらには大衆を支配し、大衆への裏切りをも辞さないようです。
今、話題の「森友学園問題」の本質は、そこに集まったいる人たちの思想、信条をさぐれば問題の本質も浮き上がってきます。安倍政権を支える「日本会議」という集団を知ればしるほど、今回の「森友学園問題」だけではない、日本のむかっている方向が暗示されています。読めば読むほど、日本会議という団体がめざしている危険性が理解できます。それは、今向かっているような流れだと思えます。ことの本質は「森友問題」という茶番劇に終わらないことがわかってくる一冊でが…(^o^)。
■p61 私は、歴史上著名な人物を主人公にする小説を書くよりは、全く世に知られてはいないが、歴史に重要な係わりを持つ人物を調べ上げていくのを好む。
■p104 時間の流れとともに、人はこの世を去る。私は、辛うじて両氏に会えたことをこの上なく幸運に思っている。
■p148 ~アメリカ領事館に運び込まれたリチャードソンの遺体を調べたイギリス人医師ウイリスの検文書にも、背に大きな傷口が開き、骨まで斬られていると書かれている。これらの記録は、奈良が骨まで切断するほど激しい斬り方をしたことをしめしている…。
歴史小説で面白いのは、作家がどこまでその内容に掘り下げて資料を読み、臨場感を出すために書いているかということだろう。
刀傷ひとつから、その刀を持っていた人がどれだけ武芸が達者か否かったかわかるようだ。その史実は誰もがしっていても、その史実に立ち会った人たちがどんな趣味で、どんな日々を送っていたのかはわからない。それを知るためには、年表では語れない。
吉村昭はそこに立ち会った人たちの生きた時代にかえれない代わりに、そこに残った資料や子孫からその様子を聞き取り、その人なりの様子をよみがえらせ、私たちの前に登場させる作家でもある。
『史実を歩く』はその内容を書いた一冊。
一人の人を追うと、また一人の人と会う。つながりの中から次の一冊を書き上げるためのヒントをもらう。そのヒントから、掘り下げていくと、主人公となるうる人物の足跡を全国を旅する苦労話でもある。
以前、『桜田門外の変』という小説を読んだ背景がわかってくる。すると再読したくなる一冊だと思う。
読み終えたとき『長英逃亡』という昔から気になっていた小説が読みたくなった一冊でした。
◆昨日、うれしいニュースがありました◆吉村昭記念文学館が開館出身の荒川区施設内に26日 2017年3月14日 19時03分
「戦艦武蔵」や「三陸海岸大津波」などの作品で知られる作家吉村昭さんの足跡を展示する「吉村昭記念文学館」が26日、出身地の東京都荒川区にオープンする。
文学館は、同区の中央図書館や子ども施設が一体となった複合施設「ゆいの森あらかわ」の2、3階部分に設けられる。文学館のエントランスには、吉村さんの著書の表紙画像を、原寸大で全作品展示。随筆「東京の下町」などの直筆原稿や日記のそれぞれのレプリカなども展示する。一角には、書斎を再現し、愛用した椅子に座ることもできる。入館無料。
吉村さんは1927年、現在の荒川区東日暮里で生まれ、18歳まで日暮里で過ごした。66年、「星への旅」で太宰治賞受賞。取材と調査に基づく記録性の高い作品を数多く発表した。著書に「関東大震災」、「ポーツマスの旗」、「桜田門外ノ変」、「彰義隊」など。2006年、79歳で死去した。(共同)
【内容】
飲んだくれの農場主ジョーンズを追い出した動物たちは、すべての動物は平等という理想を実現した「動物農場」を設立したが、指導者であるブタは手に入れた特権を徐々に拡大していき……。権力構造に対する痛烈な批判を寓話形式で描いた風刺文学の名作。『一九八四年』と並ぶオーウェルもう一つの代表作、新訳版(ハヤカワ文庫紹介より)。
■p15 そして同志諸君よ忘れるなかれ、諸君の決意は決して揺らいではならない。どんな議論を聞いても道を外してはならない。人の動物たちの利害は共通であり、片方の繁栄をまたらす、などと言われても耳を貸すな。
■p65 忠誠と服従のほうが重要。~規律ですよ、同志諸君、鉄の規律!
■p96 どっちのほうが衝撃だったかもわかりません―スノーボールに肩入れした動物たちの裏切りか、それとも目撃した残虐な懲罰か。
■p98 彼女自身が何か将来の光景を描いていたとすれば、それは動物たちが飢餓と鞭から解放され、みんな平等で、それぞれが能力に応じて働き、強いものが弱い者を守る社会でした。
社会を動物の世界で描くと、野性的でストレートになるものだと思える。
とはいえ、権力をうばって大衆をだましていく流れはまさにこの豚たちの様子そのもののようだ。
ただ、危険に思うのは直接いえない政治の裏腹な形式として『動物農場』がつくられているとう怖さがあるのだろう。
いま騒がれいる「共謀罪」という法律を思いまだす。表現の自由といっても批判することが大衆の支持を得れば、どうなってしまうのか怖い。
【メモ】
今回、「森友学園問題」でよくきく籠池泰典氏は右派組織「日本会議」の人間。子どもたちに教育勅語を暗唱させたりしている当の本人。それを信仰する人たちの幹部でもあります。自民党の国会議員のなかにもそのメンバー多い。
4月に紹介します…いまだ終わらず…
久しぶりの「ひとりボッチ職場」にお客さんがときどきやってくる。今週やってきたのは、同じ千代田区にある某君、30歳。(若い人はいいねえといつも話して思っている…)。やっと試用期間がおわり、自分の担当も決まり営業部員として頑張っていくだろうという矢先のことでしたが…。
「辞めます…」と。いとも簡単に言われてしまったので、めんくらってしまったことを思い出した。「オイオイ、どうした」
「自分の考えたことと違っていたからか、違う方向に行きたかったから」とか理由ははっきりしなかったが、なんとも悲しくなってしまった訪問だった。
「もうちょっと、ガマンして頑張ってみたら…」と思っても某君の意思は変わらず、現在は有給休暇消化だという。
あまりいいたくないが「なんだ、今の若いものは…」という思いが駆け巡った瞬間でもあった。仕事を求め、正社員にやっとなったのに、こうも簡単にあきらめてしまうことさえ信じられなかった。
こうも簡単に仕事をあきらめてしまう覚悟が、今の時代なのか。それとも仕事というものをカン違いしてるのか(自分のやりたいことをすぐできるものだと思っているのか)、今回は正直、悲しい気持ちになった。
仕事は多くの人たちの関わりなかでできてる。いままでその仕事のなかに入って自分でやれる形をつくっていける矢先に…。残念だ。
人の異動のはじまる4月。正直、こうも身勝手なことでは困ってしまう。
誰でも、避けたいことはいっぱいある。あの人とは仕事をしたくないとか、この仕事にはつきたくないとか…、きっと、やりたい仕事よりはるかに多いことだろうと思う(私の経験から)。とはいえ、やってみないことにはその許容範囲がわからない。そして、できない部分も不明となり、次に生かせない。反省点もできないでは仕事にならない。そんなところを考えてほしかったなあと思った。
はやいものだー。もう新年度にはいるのかと思う。
ぼくが、今の「一人ボッチ職場」にきておよそ2年がたったということになる。当初は「島送り」だと思って仕事をしていたが、時がたつにつれ今の職場の人たちがとてもいい人間に思えてきた。むしろ、本社の人たちよりも気がついて、思いやりがあってよかったのかもしれない。できれば、ここでずっといて、ぼくのやりたこと(もちろんお客さんに相談して)を続けてもいいかもと思うようになった。これはなんという「突然変異」なのだろうと…。
植物は、子孫を残すために風に飛ばされた種子が芽を出し成長していく過程で多くのウィルスと対決するそうだ。そこで生き残るために、発生したウィルスに対する抗体をつくるそうだ。それが「突然変異」という形を何回も繰り返すうちに今いいる環境にいちばんいい個体をつくりあげるそうだ。
なんせ、根を下ろしてしまったら種ができるまでそこで踏ん張っていくしかない運命に逆らわず静かに抵抗しているそうだ。
そして、種子をつくって風や鳥や人間に運ばれるそうだ。できれば、多くの子孫を残すために広範囲に移動したいのだ。そうやって、自分の遺伝子を広げていくという。
人もそういう形は同じだろうと思う。
今日はこのへんで失礼します。
読んでくれた人、ありがとうございました。