暑さが日々ましてきました。寝苦しい朝、窓をあけたら素晴らしい朝焼け…。こんな景色を眺めるのも何年ぶりでしょうか。以前、見た朝焼けよりはおとりますが、早起きはしてみるものです。
さて、関東地方も梅雨があけたようです。これから短い夏がきますね。そう思うと一年の半分は終わったのかと思います。
今年は、関東地方に梅雨らしい雨も少ないように思いましたが九州、中国、近畿、北陸など大雨の被害がおきていました。それも極地的な豪雨で車も人も流され、生命まで奪うほどの災害がありました。山間の住宅に泥流がながれ生き埋めになってなくられた人や生命までなくさられた人も多くありました。
おくやみ申し上げます。
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┃今┃週┃の┃気┃に┃な┃る┃ス┃ク┃ラ┃ッ┃プ┃ブック┃
今週は休みます。
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┃今┃週┃の┃現┃場┃で┃考えた┃こ┃と┃
家族で1年に2度ばかりの楽しみの「歌舞伎」を赤坂ACTシアターに行って来ました。
演目は『人情噺文七元結』というもので、落語でもある人情噺でした。
………………………………………………●あらすじ
晦日も近づくある長屋。放蕩三昧の左官屋長兵衛(勘三郎)が博打であちこちに借金をかかえていた。晦日の支払いにも頭をかかえていた女房お兼(扇雀)が長兵衛をしっかりしろとしかる。そこにきて、お久にもこれまで通りでは家族がばらばらになってしまう不安を女ながらにとく思ったのか、放蕩三昧の父をもういちどまっとうな男に戻したく娘のお久(芝のぶ)は吉原に身をうり借金の肩代わりを決意する。。
その事実を聞いた吉原の女将が娘のやさしい心にうたれ、50両という金を長兵衛に貸す。それも、一年後の今日、必ずまじめになって借金を返しに来たらお久を返す…という約束のもとに貸した。
長兵衛も50両を持って、これでも一度やりなおそうと決心しつつ大川にさしかかった時、身を投げようとした男に出会う。なぜ、大川に身を投げようとしたのか男に理由を聞く。男は大店の番頭で、これまでの商売の儲けの金を取りに行っての帰りだった。だが、夜中、怪しい男とぶつかった時…それ以来持っていた50両というお金をすられたらしいと思ったのだった。そして、どうすることもできず、大川に身を投げて主にお詫びしようと思ったということだった。
わけを聞けばきくほど長兵衛の心も動揺した…。どうするか…苦しみながら思案した結果、とうとう長兵衛は自分の50両をやってしまう。
さて家に帰った長兵衛。持っているはずの50両のいくえをガンとして妻のお兼ねに番頭にわたしたことを理由にいいわけするが信じられず、また博打でしってしまったのだと怒る。
やがて、大店の主と番頭が訪ねてくる。すられたはずの50両が戻ってきた。「番頭が訪ねた武家屋敷に忘れてきた」という理由で50両を返しにくる。そして、番頭がお世話になったとお礼をいう。
主がいうのには、優秀な番頭にそろそろ嫁を探していたところで、いい人がいないか思案中だった。長兵衛の今回の出来事でそのやさしさに感心した主は、娘さんもさぞかしやさしい娘だろうと、番頭に嫁に欲しいという。
娘のお久も承諾して親も安心させる。
いつのまにか当たり前の家族がよみがえってきた長屋だった。
……という人情噺。
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すこし長々となってしまいましたが、ざっとこんなあらすじでした。
感想は、江戸時代、人々の心中には重い年貢や法律があったのだろうと思います。そんな時代の庶民の楽しみは、歌舞伎だったいうわけですからやはり庶民感覚が表現されたのでしょう。それも、どんなに放蕩していても最後の一線はなくさない。それが、普通の人間のくらしだったんだろうと思いました。それは、今も昔も同じだったのでしょう。その日その日の暮らしで一人ひとりのよさを最後まで信じていくすがたにも感動しました。
難をいえば劇場でした。狭いし、休憩時間はゆっくりできないし、外では売り子がうるさいし、あれでは1年に一回の楽しみもだいなしでした。
やっぱり歌舞伎はそれ相当のゆったり感がほしいね。
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たまたま、読んでくださった方、ありがとうございました。