パピとママ映画のblog

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泥棒役者★★★・5

2017年11月20日 | アクション映画ータ行

『怪物くん』シリーズなどの脚本や『小野寺の弟・小野寺の姉』などで監督を務めた西田征史が、作・演出を担当した舞台を自ら映画化。西田の作・演出による2012年の舞台「BOB」でもタッグを組んだ、関ジャニ∞の丸山隆平が主演を務める。恋人の美沙役を高畑充希が演じるほか、市村正親、ユースケ・サンタマリアらが顔をそろえる。

<感想>今作は、西田監督作・演出の同名舞台を映画化したものだそうで、冒頭で、溶接工員の大貫はじめに扮している丸山隆平くんが、まじめに働きながら、恋人の美沙を演じている高畑充希さんと幸せな生活を送っている。ところが、美沙の誕生日の当日、仕事の帰りに一緒に食事をしようと約束していたのに、そこへ街中で昔の泥棒仲間・畠山則夫(宮川大輔)に出会い、脅され、また泥棒の相棒としてこれから絵本作家の豪邸に盗みに入るよう強要される。

忍び込むことには成功したはじめだったが、次々と人に見つかり、初めに豪邸の主人である絵本作家の前園を演じている市村正親に見つかり大慌てで、前園さんが、君は新人の編集者なのと勘違いされ、その場を繕うために嘘をつき、泥棒であることがバレたくない一心で間違えられた役柄を必死に演じることとなるが……。

「関ジャニ∞」の丸山隆平くん、映画単独初主演ということだが、ベテラン陣の脇役のお蔭で難なく演技をこなして、それはコメディ仕立ての舞台劇だというので、泥棒に入った豪邸の中での一幕のお芝居に、一生懸命に頑張ってました。最初に間違われたのが、泥棒に入った屋敷の絵本作家の前園俊太郎、締め切りが迫っていて、スランプなのか描けないのだ。それで、居留守を使っていたわけだが、玄関の鍵は閉まっていたのに、鍵を開ける天才だということで難なくこじ開けて玄関から入って来たのだ。

家主の絵本作家の市村正親さん、相変わらず演技が上手いですね。衣装が原色の真っ赤なパンツに花柄のシャツを着て、マッシュルーム・ヘアーで強烈なキャラが良く似合って若々しいです。丸山にマッシュとあだ名を付けられ、アフロヘアーの丸山は、モジャというあだ名を付けられる。途中で前園が、「もう描けない、君が代わりに描いてくれ」と言われても、編集者は、「タマとミキ」の続編を希望しているわけで、はじめにはどうすることも出来ない。ですが、金庫の中を開けたら、「タマとミキ」の原画が出て来て、そこに、亡くなった妻の手紙が入っていて、読んでもらって元気が出るご主人。

兄貴分の宮川大輔さんは、関西弁でまくし立てて丸山を脅して、時計と指輪を盗むも金庫があるのでそれを開けろと、そこへこの家のご主人様で、絵本作家の前園さんがTシャツに赤ワインをこぼし、パンツ姿で出て来るわけ。あんたは新しい編集者なのと、泥棒だというのを疑わないのだ。兄貴分の宮川さんはクローゼットの中に隠れる。そこがまた熱い、だから誰もいない隙に、エアコンをかけてしまうことで、またもや大騒ぎになる。

次が、本当の編集者・奥江里子(石橋杏奈)が現れて、はじめを絵本作家の前園と間違う。というか、はじめが上手く取り繕ったわけ。次が、ユースケ・サンタマリアの油絵の教材売りのセールスマン。彼も言葉巧みに商品を売りつけようとするも、はじめは自分が泥棒だということを気づかれないようにと、絵本作家に成りすます。

その都度誰かに成りすまし、小さな誤解がいくつも重なり、やがては収束不能の事態に発展していきます。

だが、編集者の奥江里子が、はじめを絵本作家と勘違いしているところも変だし、ユースケさんのセールスマンも何とか売りつけようと必死だし、で、編集者の女を泥棒のはじめの妻と勘違いするし、本当のご主人様の市村正親さんは、締め切りが迫っているのに絵本の続編を描けないので、家から出て行こうとするしで、はじめが一人でテンヤワンヤ。

そこへ、お隣の偏屈なユーチューバーの高梨仁(片桐仁)がやって来て、エアコンの室外機が煩いと文句を言うのだ。はじめが平謝りに頭を下げて追い返そうとするのに、セールスマンはそこに割って入って来るし。言葉巧みにセリフを言うのが、まるで万歳コンビのような、そこへユースケさんの、セールストークも機関銃のごとくまくし立てるしで、編集者の女子は腹痛でトイレに籠るしで、てんやわんやの大騒ぎ。

恋人役の高畑充希さん、出番は少ないですがエプロン姿も可愛いし、テンプラを揚げて料理を作っているところなんか、奥さんにしたらナンバー1ですよね。

その他にも新人編集者、奥の上司で編集長の米村真由美に峯村リエなど、絵本の「タマとミキ」の続編を描いて欲しいのだが、違うものはいらないと厳しい。続編が描けないのなら、クビということになり、前園さんもみんなもしょんぼり。気鋭の脚本家・西田征史監督、お得意の“言葉遊び”で最後には、ほろりとさせられる、笑って泣ける最高の映画でした。

ラストで、セールスマンのユースケさんが、ユーチューバー・高梨仁のお隣さんに、油絵の教材を買ってもらい、歌を歌ってお絵描きしながらYouTubeにアップをして、上手くいっているようでにっこり、泥棒の兄貴分・宮川大輔さんは、アルバイトで本屋の前で「タマとミキ」の続編の売り出しようの、タマの着ぐるみを着て働いてました。続編には、モジャモジャの犬が出て来るお話ですよ。

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