パピとママ映画のblog

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火花 ★★★

2017年11月28日 | アクション映画ーハ行

人気お笑い芸人・又吉直樹による芥川賞受賞の一大ベストセラーを菅田将暉と桐谷健太主演で映画化した青春ドラマ。お笑いの世界に生きる若者たちが、夢と現実のはざまでもがきながら繰り広げる熱き人間模様を笑いと涙で綴る。共演に木村文乃。監督は原作者・又吉直樹の先輩芸人にして映画監督としても高い評価を受ける板尾創路。

あらすじ:お笑いコンビ“スパークス”のボケ担当、徳永。鳴かず飛ばずの日々を送っていたある日、営業先の熱海の花火大会で先輩芸人の神谷と出会う。その天才肌の型破りな芸風と人間性に惚れ込み弟子入りを志願する徳永。すると神谷は“俺の伝記を書いてくれ”と突飛な条件を出し、徳永を弟子に迎える。こうして2人の奇妙な師弟関係が始まり、徳永は神谷のお笑い哲学に深く心酔していく。そんな中、くすぶり続ける神谷とは対照的に、徐々に売れ始めていく徳永だったが…。

<感想>又吉直樹の小説「火花」は読みました。お笑い芸人の徳永と先輩芸人の神谷という二人の漫才師の生きざまを、10年間にわたって描いた物語。その徳永が先輩芸人神谷との絡みの中で、切磋琢磨していく若者たちの姿を描く物語でもあります。芸人としての笑いの部分をどう表現して、映画の中でもどう笑わせてくれるのかと期待して観ましたが、どうやら、徳永のコンビ「スパークス」と、神谷のコンビ「あほんだら」の万歳コンビが、どのように出世していくのか気になりますね。

その中で、徳永が先輩の神谷の伝記を書くことになり、ノートにこまめに神谷の毎日を何冊も書き留めて行くわけ。そんな出だしではあるが、とにかく菅田将暉くんの徳永の演技が無茶苦茶に上達していっており、俳優としてもお笑い芸人としても、自然な演技は本当に素晴らしかったです。相方の人は2丁拳銃の川谷さんなんですが、知らない人であまりぱっとしないので陰に隠れていましたね。

とにかく全編、関西弁でまくし立てるセリフなので、神谷の桐谷さんは当然のごとくぺらぺらとセリフをまくし立てており、それにしても菅田将暉くんも大阪育ちでありさすがの関西弁も巧かったです。それだけに芸人としてのリスペクトも強く、気構えて臨んだとしても不思議ではなかったですよね。

どうにか唯一笑えたのは、神谷の恋人に扮した木村文乃の変顔ですかね、彼女が顔がぐしゃと曲がったような顔をして笑いを取ってくれたので、本当に可笑しかった。彼女が漫才師だったら分かるのですがね、恋人だから。それが、神谷と別れて違う人と結婚することになるんですよ。彼女に部屋代を払わせて、食事の面倒も見てもらい、徳永と呑みに行くときの支払いも全部彼女が出してくれたと、後で分かるのですがね。神谷も売れない芸人として、生活のためにアルバイトをして、相方と解散してしまう。

徳永と川谷の「スパークス」の漫才コンビも解散となり、川谷は結婚をして子供が生まれるし、徳永も真面目に不動産屋に就職して働いていた。

神谷が借金地獄で、とうとう彼女とも別れることとなり、彼女の部屋へ神谷が荷物を取りに戻る時、徳永も一緒に付いてきてくれと言われ、彼女の部屋にはもう別の男が住んでおり、気まずい雰囲気のままに別れるというイキサツがありまして、それでも久しぶりに会った神谷さんが、おっぱいにシリコン入れてデカパイに膨らまして、それをお笑いに取り入れて徳永と一緒に漫才コンビを組んで、出直そうと言うのですからね。将来のことも考えて、そんな神谷の一発芸で売れるのか?・・・あきれ果てた徳永、断りました。

そうですね、まったくもって全編まぁ笑えないですね。お笑い芸人の漫才師という設定で、確かにまだ売れない素人漫才みたいなものということは判りますがね、売れない漫才師の話だから面白くないのかとも思われるし、それでも、劇中では売れてる芸人も出ているので、それも笑えないという。二人にとって笑いの位置付けが高かったのではと。確かにキャスティングには文句はありませんよ。

「火花」はサクセスストーリーではない。むしろ、人生のほろ苦さや切なさを笑いに閉じ込めて描いている。いわば、いろいろと大変だけどそれでも生きていれば笑える時もあるという、メッセージとも感じ取れます。ラストの打ち上げ花火が綺麗でした。

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