パピとママ映画のblog

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ナインイレヴン 運命を分けた日★★★

2017年09月28日 | アクション映画ーナ行
2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件を題材にしたドラマ。ワールドトレードセンターに飛行機が激突した際、エレベーターに乗り合わせた男女の運命を描く。監督は『アイ・ソウ・ザ・デビル ~目撃者~』などのマルティン・ギギ。『ホット・ショット』シリーズなどのチャーリー・シーン、『ゴースト/ニューヨークの幻』などのウーピー・ゴールドバーグらが出演。人種や経済格差といった問題から、家族愛までを盛り込んだ物語が見どころ。
あらすじ:2001年9月11日、ワールドトレードセンターのエレベーターに乗り込んだ実業家のジェフリー(チャーリー・シーン)と離婚調停中の妻イヴ(ジーナ・ガーション)は、ビルの保全技術者のエディ、バイクメッセンジャーのマイケルらと居合わせる。だが、飛行機がビルに激突してエレベーターは38階付近で停止してしまう。閉じ込められたジェフリーたちは、オペレーターのメッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)と交信しながら脱出方法を模索するが……。 ワールドトレードセンター

<感想>2001年9月11日、同時多発テロ事件のさなかに起きた実話を基にした舞台劇「エレベーター」をアルゼンチン出身でニューヨークで育ったマルティン・ギギ監督(兼共同脚本)が映画化したもの。ワールドトレードセンタービルに居合わせた5人の様々な決断を描いている。
出演は、ニューヨーク出身の「メジャーリーグ」のチャーリー・シーンと「ゴースト/ニューヨークの幻」のウーピー・ゴールドバーグの他、「バウンド」のジーナ・ガーション、「マグノリア」のルイス・ガズマン、「アントマン」のウッド・ハリス、ジャクリーン・ビセットたち。
忘れてはならない2001年9月11日、ワールドトレードセンタービルで起きた同時多発テロ事件の物語。今まで幾度となく映画化されてますが、エレベーターの中に閉じ込められた5人の男女の運命を描いたサスペンス・ドラマ。
エレベーター内で5人が会話をする時、一人ずつ切り取って反応する人々の表情を見せていることが、この映画の中では大半だが、ニューヨーカーらしいセリフのやりとり、人種や貧富の格差も、キメ細かく仕組まれていて、、舞台劇とは別の緊迫感がある。

エレベーターからの脱出を試みるサスペンスものという側面では、さすがに舞台に対する映画の優位性が発揮されるが、狭いエレベーター内での葛藤。外部との唯一の通信手段は、オペレーターのメッツィーと通じるインターコムだけなのだ。彼女からのアドバイスを受けながら、5人はビル崩壊の恐怖と闘いつつ、脱出方法を探る。
ワールドトレードセンタービルの南側と北側の2棟が、飛行機の衝突によって崩壊してしまったことを。その極限状態の中で脱出を模索するスリルとサスペンスが同居して、事件のことを知っている我々にとっては、いかにして彼らが生き延びるのかが見ものだろう。
久々にまたもやあの凄惨を思い出してしまった。未だに消えぬどころか、世界各地で起きて拡大するテロの脅威。それにもかかわらず人種や格差を巡って進む一方となっている分断化。

そんな世界の現状にビンタをしようとしているのが、痛いほどに判るシチュエーション。テーマ、ドラマ、キャラクター群なのだが、演出やノリが妙にパニック映画寄りになってしまっている箇所が多くて、観ているこっち側もそうしたモードになってバツが悪くなってくる。

それでも、必死にエレベーターの中から脱出を試みる5人、天井版を開けてと言われて、一人が手を伸ばすもびくともしないのだ。それでは、やっぱり、エレベーターのドアを力任せに開けようではないか、と男共が力を合わせて開ける。目の前にある壁、そこをドライバーで掘り出すビルの保全技術者のエディ。壁が薄いので必ず穴が開くというが、確かに女性一人が通れるくらいの穴が開き、そこは37Fの掃除用具室だった。初めにイヴ(ジーナ・ガーション)が脱出するも、その時、第2の飛行機の衝突事故が起きビルが揺れエレベーターも動くのだ。他の人たちは、その穴からは出ることができなかった。

そして、エレベーターを吊るしているワイヤーが切れ初め、下へと真さかさまに落下するエレベーター。精神不安定気味のティナが言うには、友達がエレベーターが落下する時に、床に寝て体を固定することだと言うのだ。残った4人は仰向けになり、神に祈るだけ。
助かったイヴが1Fのホールへ行くと、消防員がいてエレベーターの中に閉じ込められている人たちを助けてくれと頼む。その時、砂埃の中をオペレーターのメッツィーが通り抜けていく。勇敢なる消防士がエレベーターに声をかけ、ドアをバールでこじ開けて中にいる人を助ける。だが、イヴの夫や4人ではなかった。必死に声を出してエレベーターを探すと、中から声がしてそこを消防士がバールで開け、中にいる3人を助けて、最後の夫ジェフリーの番になると、ビルは崩壊を初めエレベーターも崩れ始めるのだ。

開始早々から70分間、5人が閉じ込められたエレベーター内のやりとりのみの映像を見せつけられる。しかしこれが苦痛なのだ。
あれから16年経ってるわけで、実際にテレビで放送された映像を用いながらあの悲劇を忘れない、忘れてはいけないことを感じる映画でした。久々に観た、ジーナ・ガーションとジャックリーン・ビセットの、変わらぬ美しさを観れたのが嬉しい限りだ。
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