パピとママ映画のblog

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綱引いちゃった! ★★★

2012年12月12日 | た行の映画
大分を舞台に、市長からの指示で女性綱引きチームを結成することになった市役所職員とメンバーたちの奮闘を描くコメディ。出演は「八日目の蝉」の井上真央、「僕達急行 A列車で行こう」の松坂慶子、「莫逆家族 バクギャクファミーリア」の玉山鉄二。監督は「なくもんか」の水田伸生。脚本は「フラガール」の羽原大介。

あらすじ:真面目な性格の大分市役所広報課職員・西川千晶(井上真央)は、市長(風間杜夫)から“市のPRのために、女子綱引きチームを結成するように”との無理難題を課されてしまう。マイナースポーツゆえ人集めに頭を痛めた千晶は、勤務先の給食センター廃止に反対して、仲間とともに市役所に直談判に乗り込んだ母、容子(松坂慶子)の姿を見て、市長との取引を思いつく。
給食センターの職員を綱引きメンバーにして、全国大会出場まで勝ち抜いたら廃止を取り消そうというのだ。こうして集まった“綱娘”メンバーは個性豊かな7人の女性。“デートがある”と練習をサボりがちの和枝(浅茅陽子)。反抗期の息子に手を焼く主婦の絵美(西田尚美)。麗子(ソニン)はペットショップ店員に恋い焦がれ、食欲旺盛な美香(渡辺直美)は認知症の父(笹野高史)の介護に追われる毎日。
さらに、競輪に夢中のかおる(犬山イヌコ)とタバコがやめられない沙織(中鉢明子)。競技綱引きには8人が必要ということで、必然的にメンバーになった千晶はキャプテンまで押し付けられ、コーチには、イケメンだが空気の読めないシイタケ農家の公雄(玉山鉄二)を抜擢する有様。
前途多難なチームは小学生との練習試合にも完敗。この敗戦を全く意に介さないメンバーの態度に怒った千晶は、チーム脱退を宣言する。だが、容子と話し合った千晶は、様々な女性たちの姿を知る。なぜ和枝は練習をサボっていたのか?なぜ絵美の息子は母に反抗していたのか?それまで見えていなかったものが見えた時、千晶はたった1本のロープを8人で引き合うという単純な競技が、どれほどみんなの心を一つにしてゆくものであるかを理解する。
“女に生まれてよかった。”心からそう思う千晶と気持ちを新たに結束した綱娘たち。しかし、市長の暗躍により、給食センターは再び廃止の危機に。果たして、このピンチに千晶たちはどう立ち向かうのか……?(作品資料より)

<感想>綱引きの国際ルールや、大分コスモレディースが世界選手権で、3度も金メダルを獲得したことを全く知らなかったので題材が新鮮で良かったです。地域振興映画としては、ずいぶんと華やかな俳優陣たち。
しかし、「職場潰しの撤回条件として、女子綱引きで全国大会を目指す」というと、理不尽のような設定がして、映画にも曖昧な空気をもたらしていると思う。初めの彼女らは綱引きの天性も愛も感じられないからだ。

主役となる給食センターのオバちゃんたちに混ざって、市役所の井上真央が銀行CM出演者的な清純さを崩さず奮闘する様は良かったんじゃないかと思った。
それよか、真央ちゃんの母親役で、今や日本一の肝っ玉母さん女優候補になって、焼酎をカブのみし、市長に反対デモする勇ましさ。イケメン玉山鉄二に向かって、「ムラムラきたぁ~」が口癖で、艶っぽさも忘れないのが慶子様の熱演に拍手。

おとぼけ市長役の風間杜夫、鳴呼、「蒲田行進曲」の銀ちゃんと小夏ではないか!あれから30年と思うと、感無量だったりするのは年のせいなのかもしれない。
最初はナメきっていたが、プライドが傷つき本気になるのも、平凡で作品としては定番であるが、水田監督はスポ根的な綱引き競技の勝敗よりも、いやいやチームに参加した8人の女性たちの葛藤や、家族の絆に中心を置いているのもいい。
常識のある真央ちゃんに対して、松坂慶子がボケだが、オバちゃんギャグでキツイし、ベタな笑い中心のなか、玉山鉄二だけシュールな演技で笑えたのに、ベタな中で浮いているのが勿体ないのでは、と感じたのだがこれはこれでいい。
それに、羽原大介のオリジナル脚本には、実話を映画化したのではないかと思えるような説得力があり、女性たちの陽気で前向きな逞しさ、脇に配した認知症の父親にベテランの笹野さんや、義理の息子が泣かせて人情コメディ劇に仕立てているところもよかった。
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