パピとママ映画のblog

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テッド  ★★★.5

2013年01月24日 | アクション映画ータ行
『ザ・ファイター』のマーク・ウォールバーグ主演のドタバタ異色コメディー。命が宿ったテディベアのテッドと自立しきれていない中年男のコンビが巻き起こす騒動を、にぎやかなタッチで映し出していく。監督とテッドの声を務めるのは、テレビアニメ「ファミリー・ガイ(原題) / Family Guy」などの製作に名を連ねるセス・マクファーレン。固い絆で結ばれたテッドと主人公に嫉妬するヒロインを、『ブラック・スワン』のミラ・クニスが演じる。かわいいルックスとは裏腹に、言動すべてがオッサンなテッドには爆笑必至だ。(作品資料より)

<感想>もしテディベアに命が宿ったら、そしてそれが成長しておじさんになったら?・・・見た目は可愛いクマのぬいぐるみなのに、中身は中年のおじさん?・・・いい歳をしてクマのぬいぐるみから離れられない男性の友情を描くファンタジー・コメディ。だが、R15指定っていうことは、子供は見ちゃいけません。

主人公のジョン役は、肉体はアクション系のイメージが強いものの、「アザー・ガイズ俺たち踊るハイパー刑事」などでボンクラ演技を披露するマーク・ウォールバーグ。テッド役をモーション・キャプチャーで、セス・マクファーレン自身が演じるなど、彼と「ファミリー・ガイ」を声優として13年間仕事してきたミラ・クニスが、ロリー役を演じている。その他、サム・ジョーンズをはじめ、トム・スケリット、ノラ・ジョーンズやライアン・レイノルズ(ゲイ役で)が本人で登場するのも見逃せませんね。

ちなみに映画の舞台は、マクファーレンが大学時代に過ごし、マーク・ウォールバーグの故郷でもあるボストン。水族館やレッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークといった名所ロケが、このあり得ないコメディにリアリティと説得力を与えている。
物語は、1985年、友達のいない8歳の少年が、クリスマスプレゼントにテディベアをプレゼントされ、名前をテッドと名付けた。ある晩、夜空の星にお祈りをした。「テッドが言葉をしゃべれたら楽しいのに」と。翌朝、ジョンは驚いた、なんとぬいぐるみが「だいちゅき」と抱きついてきたのだ。少年の祈りが奇跡を起こし、今やアメリカ中からテッドに取材が殺到して大騒動に。

そんなオープニングから始まるのですが、しかしその大騒動を描いた映画ではない。物語は一気に27年後の現代へとジャンプする。今ではテッドは町中で歩いたり話たりしていても誰も驚かなくなった。過去のスター状態で、それに口から飛び出すのは下ネタのオンパレード、可愛い顔して超お下劣。大麻をスパスパ吸うわ、ジョンが働いている間に、テッドはそこら辺の売春婦を4人も家に入れて乱痴気騒ぎ。床には脱糞が、とんでもないクソいや、クマやろうだ。
35歳になったジョンもレンタカー屋で働く単調な日々を送っていたが、彼には誇れものがあった。広告代理店勤務の美女ローリーと付き合っているのだ。ローリーもジョンにぞっこんだが、ジョンとテッドの「カミナリ兄弟」の間に入り込めない。ついに「私とテッドとどっちを取るの」とジョンに選択を求めてしまう。

その結果、テッドはジョンと別に部屋を借りて、スーパーで働く自立の道を強いられることになるものの、相変わらず二人は仲良しなのだった。そんなある夜ジョンの携帯が鳴った。(今パーティを開いているんだけど、「フラッシュ・ゴードン」のサム・ジョーンズが来ているんだ!)と、テッドの興奮した声に誘われたジョンは、飛んでいきテッドとサムとワイルドな時間を過ごしてしまう。それが原因でロリーに愛想をつかされたジョンは、テッドとも仲違いをしてしまう。
お前のせいで俺の人生はメチャクチャだ」果たして3人は元通りの関係に戻れるのだろうか。
テレビアニメ「ファミリー・ガイ」のクリエイターだったセス・マクファーレンのハリウッド進出作は、30代男とテディベアの友情を描いた、あり得ないコメディ映画。彼は当初アニメ作品として構想していたそうだったが、実写が可能になるまでCG技術の発展を待とうと考えたらしい。
その決断が正しかったのですね。薄汚れたクマのぬいぐるみが、現実社会で毒舌を吐いたり、マリファナを吸ったりセックスをしたり(これて変、何故かする)そんな姿がそれだけで最高に笑えるのだ。

動きは完全におっさんなのだが、もともとテディベアなので微妙に可愛らしいというバランス感も絶妙である。ファンならニヤリの映画ネタも随所に。「フラッシュ~」を筆頭に冒頭で2人が夢中になった「E.T.」や「スター・ウォーズエピソード1~」がパロディされたり、「インディ・ジョーンズ」、「007」、「エイリアン」シリーズもネタにされたり、ジョンとテッドの携帯電話の着メロも絶妙なり。
少年はテディベアと別れて大人の男になれるのか?・・・という新たな意味合いも与えている。それは「トイ・ストリー3」でもそうでしたね。物語が進むにつれて強まる別れの空気。あの言いようのないセンチメンタリズムを、お下劣極まりないR-15描写の中に常に漂わせているのだ。やがて訪れる大好きなモノとの別れをふつふつとさせる。「フラッシュ・ゴードン」に未だに人生を支配されているジョンのように、その感情は突き抜けた笑いと相まっているだけに破壊力抜群。まさに笑い泣かせるべくしてそうさせる凄い映画です。
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