パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

HERO  ★★★.5

2015年07月21日 | アクション映画ーハ行
木村拓哉が型破りな検事を演じる人気TVドラマの劇場版第2弾。一つの交通事故の真相を巡り、大使館という捜査権の及ばない大きな壁にぶち当たった久利生公平と東京地検城西支部の面々の奮闘を描く。共演は北川景子、杉本哲太、松重豊らTV版第2期のレギュラー陣のほか、シリーズ初参加の大倉孝二、佐藤浩市。また、TV版第1期のヒロイン、松たか子も再登場。監督は劇場版第1作、TV版第2期に引き続き鈴木雅之。
あらすじ:ある日、ネウストリア大使館の裏通りで、パーティコンパニオンの女性が車にはねられ死亡した。さっそく事務次官の麻木千佳とともに運転手の取り調べを開始した久利生公平検事の前に、かつての久利生の事務次官で、今は大阪地検灘支部の検事として活躍する雨宮舞子が現われる。今回の被害女性は、雨宮の調べていた広域暴力団絡みの事件の重要な証人だったのだ。今回の交通事故には裏があると感じた久利生と雨宮は、合同捜査をすることに。すると、昔と変わらない久利生のマイペースぶりを目の当たりにして呆れる雨宮。そんな中、ネウストリア大使館の関係者に話を聞こうとした2人だったが、“治外法権”の前にあっさりと門前払いをくらうハメに。さらに、外交問題への発展を心配する外務省からも釘を刺され、捜査が暗礁に乗り上げてしまう久利生だったが…。

<感想>いや、さすがにドラマの影響もあるのか、キムタクファンも多いのか、とにかく満員御礼でした。映画の内容が、今回はネウストリア大使館の裏道で交通事故に遭った女性のお話なんですが、それが国際問題に発展するという展開です。いつものキャスティング・メンバーの演技の巧さが絶妙で、年期の入った俳優さんばかりなので、面白く拝見しましたね。

それに、久利生と雨宮事務官との恋愛問題も再発したような感じで、なんと、雨宮舞子が検事になって、大阪からやってきた。昔の二人の恋愛関係を疑いつつも、そのことが気になる事務次官の麻木千佳という、二人のバトルも見られますから。
モテモテの久利生検事は、いつものように事件を解決するためなら、日本の中の外国、治外法権を認められた欧州某国の大使館だろうが、何とかして大使館の中に潜り込みたい衝動にかられる。

「国が違えば、習慣や宗教は違う。それでも、国境を超えて分かり合えるものは沢山ある」と、大使館近くの飲食店に行き、ソーセイジを食べ(ネウストリアの国民は、1日に大きなソーセイジを7本も食べるそうです)、ペタンクというスポーツを利用して、大使館員たちと公園でペタンクの試合をするシーンも楽しそうでした。
ですが、捜査のやり過ぎとでもいうか、暴力団がらみのこの事件なので、おでんを食べていた二人の目の前に、ダンプが突進してきて久利生が怪我をしてしまうのです。殺されたくなければ手を引けということなのかも。

相手の国を超えて理解しようと奮闘する久利生と麻木の姿は、またかと、ただの交通事故で終わらせない取り調べには、殺人課の刑事のようにも取れ、そこまでやるかといつもの事件を追う熱い久利生公平に違いありませんから。それに、同じ城西支部の仲間たちも協力して、巻きこんでの取り調べで最後には、万々歳ということに。

ネウストリア公国大使館前で起きた死傷事故。真夜中ということもあり、運転していた男は、突然飛び出してきた女性を撥ねてしまう。ところが、その女性は裸足であり、どうやら雨宮の調べていた広域暴力団絡みの事件の重要な証人だったのだ。
調べてみれば、やっぱり暴力団との薬物取引で大使館の職員が麻薬の密輸をしているよう。これは、警備員のデブちゃんがお天気お姉さんのファンで、毎日録画をしていたところから大使館員と暴力団員との接触を見つける。事故にあった女性は、大使館の男に誘われて大使館の中へ入り、何かに驚きそこから出ようとして、裏の扉から飛び出したところを轢かれたらしいのだ。

ですが、取り調べをしようとする久利生の前に、外務省局長の佐藤浩市が出て来て捜査を断念しろと言うのだ。治外法権を侵すことは外交を崩壊させかねないとして、日本の外務省欧州局長・松葉圭介を演じる佐藤浩市の方からも圧力をかけられ、捜査は暗礁に乗り上げる。
外務省欧州局長・松葉圭介から、ただの交通事故処理でやれと命令口調の佐藤浩市さんは、外務省のお偉いさんみたいに威厳があり良かったです。

雨宮の発案で、婚約者の父親(貿易関係の会社社長)を利用して、大使館のパーティに紛れ込む久利生公平と雨宮。タキシード姿のキムタクに、着物姿の松たか子さんは、お腹が目立って妊娠中だったのですね。大使館の庭で、亡くなった女性が履いていたと思われる、靴に付いていたスパンコールが見つかります。そして、裏口も。大使館の玄関前の部屋にある大きな時計から聞こえるオルゴールの音色が、友人に助けを求めるスマホに、残っているのも大きな勝因でした。

もし、この事件の捜査が国際問題まで発展して、そういうことになりかねないのに、石垣島に飛ばされるだけでなく、久利生という男は自分がこれで検事生命が終わるかもしれないということを考えてはいなかったのだろうか。いつものことで、事件が解決すれば、最後には、そうなることはありませんでした。

それでも今回では、松たか子さんが演じる雨宮さんの、検事の新人の役柄が一番好きですね。こういう群像劇は、どこかに自分を重ねられるキャラクターを見つける楽しみがあると思うんですが、松たか子さん演じる雨宮さんが、コメディアンヌのような演技と素で演じているのかも斬新でした。等身大でサバサバしていて、まったく媚びないという雨宮事務官には共感もしたし、上司である久利生さんを好きになっていく過程が自然でよかった。
2作目から、久利生検事の事務官に麻木千佳という、北川景子さんが演じていて、ますますキビキビとした彼女の演技にも惚れなおして、元ヤンキーという気の強さが全面に出ていて、負けず嫌いの彼女もきっと検事になるだろうと思ってしまった。

最後が、ネウストリア国へ久利生と麻木の二人が行ったと描かれてましたが、これはいらなかったのでは。しかし、エンドロールの中での、昔のドラマのみなさんの映像には痺れました。大事なことですよね、期待通りで絶対に裏切らないドラマであること。おおいに楽しめましたです。
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