パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

未来を花束にして ★★★★

2017年02月05日 | アクション映画ーマ行
実話をもとに、1910年代のイギリスで参政権を求めた女性たちの姿をキャリー・マリガン主演で描いたヒューマンドラマ。1912年、イギリス・ロンドン。洗濯工場で働く24歳のモードは、同僚の夫と幼い息子の3人で暮らしていた。ある日、女性参政権運動活動家である友人に代わって公聴会で証言し、「今とは異なる生き方があるのでは?」という疑問を持つようになる。それがきっかけとなり、モードはWSPU(女性社会政治同盟)のリーダーであるエメリン・パンクハーストの演説を聞き、デモにも参加するようになる。しかし、女性の政治活動を不満に思う男性も多く、夫からは家を追い出され、息子と会うことも禁じられ、さらに工場長からもクビを宣告されてしまう。マリガンが主人公モードを演じ、実在の人物エメリン・パンクハースト役のメリル・ストリープのほか、ベン・ウィショー、ヘレナ・ボナム=カーターが出演。

<感想>20世紀初頭、参政権を求めて戦ったイギリスの女性たちの勇気ある行動を、史実に基づいて描く歴史ドラマです。主演は「華麗なるギャツビー」のケアリー・マリガンで、それに「アリス・イン・ワンダーランド」のヘレナ・ボナム・カーター、アン・マリー・ダフ、らが共演。

それにサフラジェット運動の実在したカリスマ的リーダー、エメリン・パンクハースト役はメリル・ストリープが、彼女の「すべての娘たちはこの歴史を知るべきであり、すべての息子たちはこの歴史を心に刻むべきである」。の言葉が、胸に響きます。

そして注目の男優陣では「白鯨との闘い」のブレンダン・グリーソン、妻モードとその夫役として「007」シリーズのほか、「リリーのすべて」でも注目を集めたベン・ウィショーが出演している。夫にしても息子への愛はモードと同じながらも、妻の行動には賛同できず辛く当たってしまう複雑な役柄に注目。そして、夫は妻が投獄されている間に息子を金持ちの夫婦に養子に出してしまうのだ。

そして未来を担う子どもたちのために声を上げた彼女たちは「サフラジェット」と呼ばれたが、その真の姿が、本作で初めて映画化された。中でも参政権運動を展開するリーダー的存在の、9回の逮捕歴のある薬剤師イーディスを紹介されて運動にかかわっていくモード。ちなみにヘレナ・ボナム・カーターが演じているのも注目です。

ですがモードは、そのことが知れて夫は家に入れてくれず、工場までクビになる始末。ネグラを教会の隅っこにマットレスを引いて毛布に包まって夜を過ごすのです。もう彼女には、参政権運動に身を捧げる道しか残されていない。2度目の投獄では、モードは食事を受け付けないハンストをして、身を細らせていつ死ぬか分からない状態。そんな時は、医者と看護婦が駆けつけて来て、口からチューブで食事を流し込むという過激さも見られる。その他にも、殴られたり蹴られたりとケガが絶えないのだが、死人がでると一大事になり、刑務官たちもクビになりかねないからだ。

その後は、女性たちはショーウインドウへの投石したり、大臣の別荘にダイナマイトで火を付けて爆発させたり、郵便ポストの中へダイナマイトを入れて爆破したりと、さらに過激になっていく。しかし、どんなことをしても政府は女性の参政権を認めない。街中での警備も厳しくなり、競馬のダービーが始まる競馬場へ向かうモードと友達の2人。

イギリスの王様の馬も出馬するというので、王様も来ている。その王様の馬が走って来るのをめがけて、モードの友達が柵をくぐって馬の前に出て蹴られて死んでしまう。これが新聞にも取り上げられ、彼女の葬儀は国で大々的に行われた。その後、やっと婦人参政権が認められるという物語。
日本でもこの運動こそ行われなかったようですが、戦前では男尊女卑の世界で、女性が政治に参加することもなく戦争に駆り出される女性の姿(ひめゆり部隊)が、数々の映画の中で描かれています。戦後の昭和の日本、ちなみに1945年12月に民主化によって、婦人参政権が認められたそうです。平成になってバブルが弾けてからの日本、2000年に入ってからの日本の姿は目覚ましいものです。若者が中心になってこれからの日本を背負っていくためにも、未来の子孫のために子供を産むだけの女ということではなくて、もっと女性が活躍する場所を認めて欲しいと思いますね。
2017年劇場鑑賞作品・・・26
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