パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

オオカミは嘘をつく ★★★

2015年02月28日 | アクション映画ーア行
クエンティン・タランティーノが絶賛したことで注目を浴びた、イスラエル発のサスペンススリラー。少女暴行事件の容疑者、彼への復讐(ふくしゅう)を画策する被害者の父、強引な手口で事件を調べる刑事の思惑や感情が交錯しながら、事件の思わぬ真実が浮かび上がる。メガホンを取るのは『ザ・マッドネス 狂乱の森』のアハロン・ケシャレスとナヴォット・パプシャド。『フットノート』のリオル・アシュケナージを筆頭に、イスラエルの実力派俳優が出演する。二転三転する展開に加え、鮮烈なバイオレンス描写に目を奪われる。
あらすじ:イスラエルのとある森で、少女がむごたらしく暴行された果てに殺される事件が起きる。その容疑者として浮かび上がったのは、中学校で宗教学を教えているドロール(ロテム・ケイナン)。刑事のミッキ(リオル・アシュケナージ)が責任者として彼の尋問にあたるものの、証拠がなく釈放されてしまう。さらに行き過ぎた取り調べが何者かによって録画され、動画サイトにアップされてしまったことでミッキは交通課に異動になってしまう。しかし、ミッキはドロールが犯人だと思っていて……。

<感想>冒頭で真っ赤なワンピースを着た少女と、もう一人デニムのシャツの少女に、男の子の3人でかくれんぼをしているところから始まる。隠れる場所は廃墟の家で、赤いワンピースの少女は洋服ダンスの中へ隠れる。もう一人の少女は庭にある土管のなかへと、鬼は少年でなんなく土管の少女を先に発見した。そして二人で廃墟の建物の中へと、洋服ダンスを開けると少女はいなく、赤い靴が片方だけあった。赤い靴を残して少女は消えてしまったのだ。

それから、両親へ連絡、警察が動く。そしてイスラエルの警察官の一人が、目星をつけた男を真犯人と決めつけて、メガネをかけた真面目そうな中学教師の男が捕まり、上司が止めてもビルの廃墟で拷問の取り調べが始まる。

自分は犯人ではないと言い切る教師。それでも、執拗に暴力で痛めつける刑事4人。それを、中学生がケータイで撮影し、ユーチューブで流して大騒ぎとなる。
ところが、森の中で少女の首なし遺体が発見され、そこへ少女の父親が駆け付けてキチガイのように犯人を追いかける。

弱弱しくあるべき殺された少女の父親である被害者が、非情な加害者へと転じていく過程では、少女の父親が迎えに行くところを、秘書の女と浮気をしていて娘を迎えに行かなかったというのだ。その父親も、被害者なのだが、怒りが頭に登って警官が犯人と決めた教師を、山小屋の地下室へ閉じ込めての拷問は、見ていて惨たらしく手の骨を金槌で叩いて折り、足の爪をペンチで剥ぐのだ。この辺までは、見ていてまさかこの教師が犯人ではなく、他にいるのではと、これでは冤罪で捕まり拷問されて後はどうするのだろう、なんて考えてしまった。

そこに、その祖父までもが加勢して、孫を殺した憎き犯人と、バーナーで教師の胸をジリジリと焼くのだ。言うことが「暫く肉を喰ってないので、バーベキューみたいないい匂いがする」なんて笑う。最後には、その教師の首をノコギリで切断するのだが、娘の頭は何処へ隠したのか居場所を聞かない内に殺してしまう。

だから、事件を眺める角度も変わり、その凄惨度も格段にエスカレートしていく。だが、そこにいた警官の娘が行方不明になる。それもバレエ教室の帰りに。確か、教師が地下室でバレエの衣装を着た少女に、誕生日のケーキを食べさせているシーンが映し出されていた。もしかして、やっぱり殺されてしまったのか。やっぱり教師が犯人で間違いなかったというわけ。
もう一人の警官も、署長に言われて教師の家まで行き、家探ししたが何も出なかったというが、地下室を調べもしないで、どうしようもない警官たちである。これでは、殺された少女の父親も、本気で犯人を拷問するのは仕方がなかったのではと思う。

これは、単なる謎解きサスペンスではなく、増悪と暴力への衝動が、どんな形でオオカミを生むのか、諷刺と皮肉の効いたユーモアがあるように感じた。しかしながら、拷問のシーンはえげつない。

ドツボにハマった連中がさらなるドツボに沈んでいく展開である。それなりにクセのあるキャラクターも悪くはないのだが、拷問をしようとするとケータイ電話が掛かって来て取り止め。それが何度もですよ、何だかテンポが鈍くて乗りきれずにつまらなくなってくる。
タランティーノ監督が絶賛している作品は、確かにハズレがないのだが、これはちょっとダメかなと言う感じがした。
2015年劇場鑑賞作品・・・39 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング