予報どおり、大雨の日となった。
午後、隣のエミリちゃんとそのママと、三人でお別れの集いをした。
草花舎にて。
エミリちゃんとは、5年生のころだったか、「小学校を卒業したら、一緒に草花舎へゆきましょうね」と、約束をしていた。
(エミリちゃんから、草花舎が気に入っているという話を聞いて。)
卒業式は、昨日行われた。
実は、その数日前、エミリちゃんのパパに会ったとき、エミリちゃんと草花舎にゆく許しを乞うと、
「エミリは卒業式がおわると、ママの勤め先である浜松に引っ越し、そちらの中学校に入ることになっている」という話を聞かされ、驚いた。
が、出発の前日なら大丈夫とのことで、今日、草花舎へ出かける許しを得たのだった。
そのとき、夫婦が別居生活をすることにしたのだ、とも話された。
思いがけない話で驚いたが、家庭には、それぞれ事情があり、それぞれに、幸せのあり方についての考えがあるのだろう。
そういうわけで、初めての喫茶店行きが、お別れパーティーになってしまった。ママも誘って3人で。
パパとお兄ちゃんは、今までどおり、隣に住み続けられる。
「夏休みには、遊びに帰ってきます」と、エミリちゃんには、屈託がない。
中学生になったエミリちゃんと、また草花舎に行ける日があるのかもしれない。が、先のことは分からない。そんな日があれば嬉しいけれど。
エミリちゃんとは、彼女の幼い日からの話し友達。
ひと月に一度は、回覧板を届けにわが家を訪問し、学校の話、飼い猫の話などしてくれる、とても礼儀正しい少女で、良き話し友だちであったのだが………。