ぶらぶら人生

心の呟き

武満徹の音楽

2006-07-22 | 身辺雑記

 昨日、NHKのBS放送で、N響の演奏を聴いた。
 (6月14日、サントリーホールで演奏されたもの。)
 その中に、武満徹の一曲「セレモニアム」があった。宮田まゆみの演奏が中心となって、オーケストラと共演。(写真)
 武満徹の、この曲も初めてだし、この雅楽器演奏を聴くのも初めてだった。思わず引き込まれるように聴いた。初めてのものへの、もの珍しさもあったが、武満徹の曲も、笙という楽器の醸し出す音の世界も、なかなかいいと思った。
 宮田まゆみという人は、笙演奏の第一人者らしい。
 この番組では、モーツアルトピアノ協奏曲25番ハ長調 K503(ピアノはスティーヴァン・コワセヴィチ)とセザール・フランク交響曲ニ短調の演奏もあり、聴き始めたら最後までテレビの前を離れられなくなった。
 指揮者は、いずれの曲も、準・メルクルだった。

 演奏を聴き終わった後、私が一枚だけ持っている武満徹のCDを取り出し、久々に聴いてみた。
 ジャケットに、「春」という文字が記されているディスクである。
 「サクリファイス~武満徹作品集」とあって、7曲18楽章が収めてあるが、ほとんどが、ギターやフルートのため、あるいはギターとフルートのための曲である。
 改めて聴いて、そのよさをどう表現したらいいか、うまく言えないが、心が、荘厳で、静謐な世界に誘い込まれるように思った。
 解説には、<武満徹の音楽は、色のうつろいに命がある。沈黙の中から立ちのぼった音が弾けたり微妙にゆらいだり、残照のように輝きながら、再び、沈黙へとかえっていくといった、時間の推移とともに変容していく響きの姿が、彼の楽譜からはみえてくる。(以下略)[白石美雪]>と、美しい言葉で、その音楽性が、記されている。
 参考にはなるが、私には十分理解し納得する力がない。
 この際、暫くこのディスクを聞いてみようと思った。

 今日はかつて職場を共にした女性三人が集まって食事をしながら、歓談した。話が尽きなくて、喫茶店に場を移して更に歓談。四時間おしゃべりをした。
 最近特に感じることは、おしゃべりの後の疲労感である。人と話すことは、莫大なエネルギーを要することのように思う。日ごろ、本を読んだり、パソコンに向かったり、ひとりの時間を気ままに過ごすことが多いせいだろうか。
 楽しい時間なのに、妙に疲れる。

 そこで、今日もまた深夜、武満徹の音楽で、ひとときを過ごした。
 ミカエル・ヘラスヴォのフルートも、ユッカ・サヴィヨキのギターも、それらの楽器が奏でる音とは異なる音色を聴いている感じがする。武満徹の作曲の特徴でもあり、演奏者の技術でもあるのだろう。
 
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 烏賊と漁火 | トップ | 大暑 土用の丑の日 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿